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第10章
姫華と修平のデート
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根本修平はバーに行った翌日の仕事で、心なしかいつもより柔らかい表情をしていた。同じレストランで働く竹内姫華がそれに気づかないはずがない。
姫華は店の隅で
「店長、何か良いことあったんですか?」
と直接本人に訊いてみた。
「いや、別にないけど、どうして?」
と修平はとぼけた。姫華は
「何となく嬉しそうに見えたからですよ。」
「そんなことないよ。いつも通りだけどな。」
(気を引き締めないとな)
と修平は思った。
姫華は女の直感というやつで、店長はきっと女性関係で何かあったのだと内心嫉妬した。そこで考えたのが、店長の視線を自分に向けることだった。いつもよりやや胸を張り、巨乳を強調した。Fカップの胸が更に大きく感じた。
その姿を見たのは店長だけでなく、男性客もだった。レストランとはいえ高級レストランではなく、手頃な価格での提供をしているために普段からひとりでランチやディナーを楽しむ男性客も多くいたのだ。
その中には竹内姫華ファンとも言える客が数人いたのだ。
「姫華ちゃん、今日も可愛いね!」
と気さくに声をかけてくる客もいれば、内気な客もいる。
内気な姫華ファンにとって店長は邪魔な存在とも言える。あんなに仲良く話しているのが気に入らない、となってしまうのだ。
姫華が大学2年のバレンタインデーもレストランで仕事をしていた。店長も若手男性店員もだ。調理担当の若手男性アルバイトから
「竹内さんはチョコレート渡す人いるんですか?」
と聞かれ、
「あー、それセクハラだよ。店長、うちにセクハラ店員がいますよー。」とおどけて言った。
結局その日はラストの23時まで仕事をした。更衣室で着替え、その日はすぐに帰った。店長以外にもアルバイト店員がいたので、チョコレートを渡す日を違う日にずらそうと考えていた。
翌日の仕事が終わると2人の調理担当の男性店員はすぐに帰った。そして姫華が店長と2人きりになると、着替え終わった姫華が控え室で店長に声をかけた。
「店長、昨日は誰かにチョコレートもらいましたか?」
と。
「いや、もらってないよ。女性には縁がなくてね。」
と答えると、
「これ、1日遅れのバレンタインチョコレートです。受け取ってもらえますか?」
と後ろに隠していた小さいがとてもお洒落な紙袋を胸の前に出した。
「えっ、いいのかい?」
「もちろんです。そのために用意したんですから。ただ…」
「ん?どうした?」
「これは義理ではありません。」
「どういうことだい?」
店長は少し戸惑った表情をした。言葉通りに受け取れば『本命』ということぐらいは解るのだが、年齢が38歳と20歳と歳が大きく離れているのだ。お互いに独身とは言え、店長から見れば姫華は歳の離れた妹のように感じていたのだ。
姫華は
「店長のこと、前から好きでした。恋人がいなそうだったから、私にもチャンスあるのかなぁ、と思ってて…」
と思いきって告白した。
店長は少し前の別の女性とのワンナイトを思い出した。交際してる訳ではないが、頭の中には素敵だと思ってる女性がいたのだ。そして、またバーで会えばその様な行為をする可能性があることを…。
姫華のことは嫌いではない。むしろ好きだ。ただ、この好きはラブではない。しかし、ただの女性店員とは思っていなかった。美人であり、気立てもいい。性格の相性も良いと感じていて仕事も出来る子なので、すごく大事にしたい存在だと思っていた。
ただ修平からすると告白というのが想定外だった。姫華からすれば1日ずらしたバレンタインデーは作戦成功と言えるだろう。2人の調理担当はノーマークだった。
修平は竹内姫華に対し、こう答えた。
「えっとね、どう答えたらいいかな。好きでいてくれたことはとても嬉しい。僕も君のことは前からとても素敵な女性だと思っていた。ただ、今現在君のことを好きだと言えるかと言うと、はっきりは言えない。ただ、今のところ僕はフリーだ。そういう意味で僕は君と付き合うことが可能だ。まわりくどい言い方をして、ごめんね。これからお互いを知るという意味で2人きりでデートをするのはありだと思う。それでもいい?」
姫華はすぐに
「はいっ!」
と答えた。姫華の目から涙がこぼれた。
そして、姫華は店長にチョコレートが入った紙袋を渡した。
「ありがとう。大事に食べるよ。」
と修平は受け取った。その日はそれで2人は帰り、翌日以降もいつも通り仕事をした。
次の休みの前日の仕事の日のこと…
修平から姫華にデートの誘いをした。
「竹内さん、明日は空いてる?もし良かったらランチでもどう?」
「えっ、喜んで!」
と姫華はその誘いを受けた。
デートの当日は知り合いに会わないように店の最寄駅から3駅離れた駅前で待ち合わせをした。そこは大きな駅とは言えない所だ。待ち合わせは午前11時30分。修平は15分前に待ち合わせ場所の駅前交番の横に向かった。
(予定通り着いたな。)
と思ったら既に姫華の姿があった。
姫華は落ち着かず30分前には着いていたのだ。修平は
「ごめん、お待たせしちゃったね。おはよう。」
と声をかけた。
「おはようございます。つい落ち着かなくて早く着いちゃって。」
と姫華はやや緊張気味の笑顔で答えた。
向かい合っていた2人だが修平は左手を姫華に差し出した。
(手を繋ぐ?)という意味だった。姫華は意図を察し、顔を紅くした。修平は
「それとも…」
と言いながら腕を組むように肘を出す仕草をして見せた。
姫華は手袋を外し、右手を差し出した。手を繋ぎたいという意味だ。修平も手袋を外し、左手で姫華の右手を握った。姫華にとって初の男性との手繋ぎだった。
「あのね、今日は竹内さんと行きたい喫茶店があるんだ。ここから歩いて10分ぐらいの所なんだけど。」
「はい。あ、でも…」
「でも?どうしたの?」
「あのー、呼び方…」
「あぁ、そうか。何て呼んだらいい?」
「姫華とか姫華ちゃんとか…」
「じゃあ、姫華ちゃんでいいかな?」
「はい!あ、私も… 修平さんって呼んでもいいですか?」
また姫華は顔を紅くした。
「いいよ。そうしよう。」
2人は手を繋ぎ、ゆっくりと歩き始めた。
「姫華ちゃんはハンバーグ好き?」
「はい。好きです。」
「あ、そうだ。姫華ちゃん、話し方…。2人の時だけ敬語やめようよ。」
「はい。あ、うん。じゃ、遠慮なく。慣れなくて出ちゃったらごめんなさい。」
「気楽にね!」
と修平は笑顔で答えた。
修平と姫華は駅から徒歩約10分の喫茶店に到着した。洋館と思えるような作りの喫茶店だった。看板には『SAINT-GERMAIN(サンジェルマン)』と書いてある。なかなかお洒落な建物だ。
修平は扉を開け先に入り、姫華もそれに続いた。ウェイターがすぐに声をかけてきた。
「御二人様ですか?お好きな席へどうぞ」
と。
2人は2人掛けの席に座った。店内は昭和レトロを思わせる雰囲気だった。
「姫華ちゃん、ここはね特別美味しいというより、僕の母親が作ったハンバーグと似ていてね、ハンバーグにはピーマンとニンジンも入っているんだ。苦手じゃなければ試してみて。」
「あ、そういうの食べたことない。うん、食べてみる。」
2人は同じハンバーグ定食を頼んだ。程なく熱々の鉄板に盛られたハンバーグが運ばれた。ジューと音を立てている。美味しそうだ。
2人はナイフとフォークを手に取り、ハンバーグを口にした。姫華は驚いた。
「んー、美味しい!」
予想していたよりも美味しかったのだ。
あっという間に食事を平らげ、食後のコーヒーが運ばれた。
「喜んでもらえたみたいだね。」
と修平が言うと、姫華は
「うんっ!とっても。修平さんが好きなこと、もっと色々知りたいのです!」
と目をキラキラさせて答えた。
その後も修平と姫華の昼のデートは何度か続いた。カレーライスが美味しい店、ココアが美味しい店へと一緒に行った。
3月の初め、仕事の終わりに修平は姫華に言った。
「今度の休みはホワイトデーの代わりにフレンチのディナーをご馳走しようと思ってる。いいかなぁ?」
姫華は
「えっ?何か高級そうですけど、いいんですか?」
「そんな特別高級な所ではないから期待されても困るんだけど、まぁ普通の所で良ければね。」
「はいっ!喜んで!」
と満面の笑みで答えた。
大きな駅の改札を出た横の所で待ち合わせをした。約束の15分前に会い、2人はタクシーに乗った。高層ビルの下でタクシーを降りた。
姫華は初めてのことで何だか期待が高まった。
2人は高速エレベーターで目的階である最上階に着いた。エレベーターを降りるとすぐにフレンチレストランの入口があった。黒い服の店員がそこには立っていて、修平がすぐに
「すみません。7時に予約をしているネモトです。」と伝えるとすぐに窓際の席を案内してくれた。
この日はとても天気が良かった。既に日は落ちていたが、街の灯りが煌びやかだった。
「わぁ、すごい。私こんなの初めて!」
と姫華は感激した。
修平は
「実は僕も初めてなんだよ。いつか来てみたいと思っていたお店なんだ」
と言った。それは特別な人が見つかったら一緒に来てみたかったという意味だった。
それを感じ取った姫華は
「初めてが私とで余計に嬉しくなっちゃう。」
と泣きそうな顔になった。
「そんな顔をしないで。喜んでくれたなら良かった。」
ウェイターが来てドリンクメニューを2人に渡した。修平はメニューを見ずに
「任せてもらっていいかな?」
と姫華に言った。
「もちろん。」
「モエシャンの白をグラスで2つお願いします。」
と注文した。
姫華は
「何か格好いいですね!」
と言った。
「ところでモエシャンってどんなのですか?」
「んーとね、ドンペリってシャンパンは聞いたことあるよね?その弟分と言われているシャンパンなんだ。あの有名なタイタニック号で飲まれていたと言われ、映画にも出てくるんだ。タイタニック号には乗ったことないけどね」
と修平は笑った。もちろんだ。タイタニック号は処女航海で沈没しているのだ。
その後、2人はフルコースを楽しんだ。食後のコーヒーを飲みながら、
「美味しかった?」
と聞くと、
「うん、とっても。」
と姫華は満足げに答えた。修平は腕時計を見た。夜9時だ。
「まだ時間大丈夫?」
と姫華に声をかけた。
「大丈夫ですよ。」
と。姫華はこの後何があっても大丈夫なように下着と心の準備は出来ていた。
「じゃあ、下に行こう」
と言い、支払いを済ませると1つ下の階に移動した。そこは夜景の見えるバーだった。姫華はバーという所は初めてだった。
2人はバーに入った。ウェイターに案内されたのは窓に向かって座るカップル席だ。高層ビルから眺める夜景を姫華は初めて見た。先程レストランでも夜景は見たが改めて見ると、近くのビル、遠くのマンション、走る車や電車のライト、道路照明灯やお店のネオン、全てが輝いて見えた。
「うわー、何これ!こんな風になってるなんて、すごい!」
と姫華はまた感激した。
「うん、すごいね。僕も来たかったんだよ。」
と修平が言うと2人は向き合って笑った。
2人は席に着くと、メニューを見た。
「修平さん、あのー、メニュー見てもよくわからないんですけど…」
「カクテルって難しいよね。好きなフルーツとかで考えるといいかもしれないよ。」
と修平はアドバイスした。ジンとかウォッカとか言っても分からない。
「私、柑橘系が好き。グレープフルーツとか、オレンジとか。」
「じゃあ、2人でグレープフルーツ頼んでみようか?」
と修平が提案して、それに賛成した。ソルティドッグとホワイトミモザを注文した。
ソルティドッグはグラスの縁に塩を付け、ウォッカをグレープフルーツ果汁で割ったものを注ぐもの。ホワイトミモザはグレープフルーツ果汁にシャンパンを注いだものだ。
2つ同時にテーブルに届いた。ウェイターが「ソルティドッグのお客様」と言うと修平が軽く手を挙げて答えた。続けてホワイトミモザが姫華の前に置かれた。
「修平さん、ありがとう。何かね、すごく嬉しくなっちゃった」
と姫華は言い、右目から一筋の涙が流れた。すぐに修平がポケットからハンカチを出し、姫華に渡すと軽く目の下を抑えた。
「感激屋さんなんだね。喜んでもらえて、嬉しいよ。」
と修平も喜んだ。
まずはソルティドッグのグラスに修平が口を付けた。そこだけグラスに付いた塩が取れる。そして、そのグラスを姫華の前に置き、
「これはね、塩が付いてる所に口を付けて、しょっぱいのと果汁の味を楽しむんだよ。塩の味と合わせて試してみて。」
と言われ、姫華がグラスに口を付けた。塩は甘塩を使っているため、塩辛くはなくグレープフルーツの甘さを際立たせていて、とても美味しい。
「うーん、美味しい!」
次は姫華の前にあったホワイトミモザを手に取り、修平がグラスに口を付けた。
「んー、いいね。」
と。それも姫華の前に置いた。
「これはどこで飲んでもいいよ。」
と言われ、姫華はカーッと熱くなるのを憶えた。
それは修平が口を付けた所でもいいと言われてるようなもので間接キスを意識したからだった。しかも、修平は自分が口を付けた所を姫華の真ん前に置いたのだ。姫華はそこを避ける理由はない。
姫華は意識してないふりをして、間接キスをした。
「…」
頬を赤らめた。
修平は
「間接キスしちゃったね」
と言った。姫華は恥ずかしくなってうつ向いた。更に顔を紅くした。体が熱くなった。
「あ、ごめん。そんな恥ずかしがらなくても…」
と言いながら、そんな姫華を見て愛おしいと思った。
修平が
「どっちが美味しい?」
と聞くと
「両方。でももっと色々試したい」
と答えた。
「色々ね。わかった。」
と修平が答えた。
その2つを飲み終え、
「今日は次で最後にしよう」
と言い、修平は追加注文をした。
「XYZとシンデレラをお願いします。」
とバーテンに告げた。
姫華は初めて聞くシンデレラというカクテルに興味を持った。
「シンデレラっていうお酒があるんですか?」
「えっとね、シンデレラはカクテルだけどお酒ではないんだ。ノンアルコールカクテル。今日はシャンパンも赤ワインも飲んだし、結構アルコール摂取してると思ってね。姫華ちゃんに似合うシンデレラを飲んでもらおうと思ってね。オレンジ、パイン、レモン果汁を混ぜたカクテルなんだ。」
「へぇ…。私に似合うかしら?」
「僕にとって君はお姫様だよ。」
姫華はまた顔を紅くして、うつ向いた。目の前には夜景が広がっているのに、姫華は修平を見ているかうつ向いているかのどちらかで、途中からあまり夜景を見ていなかった。
修平と姫華は最後のカクテルを飲み終え、支払いを済ませると店を出た。すぐにエレベーターホールがあり、下に行くボタンを押した。高速エレベーターを待つ間、2人は何となくだが見つめあい、間があった。
修平は
「今夜はこれで帰ろうね。シンデレラを深夜0時には帰さないとね」
と言った。姫華としては残念ではあったが、
「はい」
と答えた。姫華は純粋でとても素直だ。
姫華は素直なだけに思ったことが表情にも出てしまうことがあるのだ。残念がっていることが表情に出てしまっていたのを修平は気づいた。エレベーターが到着したので、2人は乗って1階に向かった。
エレベーターに乗るとそこは無人で、モニターで監視はされているとしても気にならなかった。修平は姫華を抱き締めた。姫華はふいをつかれ驚いたが、修平の胸に顔を埋めた。修平のコートを姫華の涙で濡らした。
1階までノンストップで到着した。そして大通りに出て、流しのタクシーを拾った。駅までと運転手に告げるとまた2人は見つめあい、手を握り、どちらからともなく唇を重ねた。もちろん、運転手は気づかぬふりをしてくれた。
姫華にとっては初めてのキスだった。甘酸っぱい味がした。そして、姫華のおまんこは潤い始めたのだった。
姫華は店の隅で
「店長、何か良いことあったんですか?」
と直接本人に訊いてみた。
「いや、別にないけど、どうして?」
と修平はとぼけた。姫華は
「何となく嬉しそうに見えたからですよ。」
「そんなことないよ。いつも通りだけどな。」
(気を引き締めないとな)
と修平は思った。
姫華は女の直感というやつで、店長はきっと女性関係で何かあったのだと内心嫉妬した。そこで考えたのが、店長の視線を自分に向けることだった。いつもよりやや胸を張り、巨乳を強調した。Fカップの胸が更に大きく感じた。
その姿を見たのは店長だけでなく、男性客もだった。レストランとはいえ高級レストランではなく、手頃な価格での提供をしているために普段からひとりでランチやディナーを楽しむ男性客も多くいたのだ。
その中には竹内姫華ファンとも言える客が数人いたのだ。
「姫華ちゃん、今日も可愛いね!」
と気さくに声をかけてくる客もいれば、内気な客もいる。
内気な姫華ファンにとって店長は邪魔な存在とも言える。あんなに仲良く話しているのが気に入らない、となってしまうのだ。
姫華が大学2年のバレンタインデーもレストランで仕事をしていた。店長も若手男性店員もだ。調理担当の若手男性アルバイトから
「竹内さんはチョコレート渡す人いるんですか?」
と聞かれ、
「あー、それセクハラだよ。店長、うちにセクハラ店員がいますよー。」とおどけて言った。
結局その日はラストの23時まで仕事をした。更衣室で着替え、その日はすぐに帰った。店長以外にもアルバイト店員がいたので、チョコレートを渡す日を違う日にずらそうと考えていた。
翌日の仕事が終わると2人の調理担当の男性店員はすぐに帰った。そして姫華が店長と2人きりになると、着替え終わった姫華が控え室で店長に声をかけた。
「店長、昨日は誰かにチョコレートもらいましたか?」
と。
「いや、もらってないよ。女性には縁がなくてね。」
と答えると、
「これ、1日遅れのバレンタインチョコレートです。受け取ってもらえますか?」
と後ろに隠していた小さいがとてもお洒落な紙袋を胸の前に出した。
「えっ、いいのかい?」
「もちろんです。そのために用意したんですから。ただ…」
「ん?どうした?」
「これは義理ではありません。」
「どういうことだい?」
店長は少し戸惑った表情をした。言葉通りに受け取れば『本命』ということぐらいは解るのだが、年齢が38歳と20歳と歳が大きく離れているのだ。お互いに独身とは言え、店長から見れば姫華は歳の離れた妹のように感じていたのだ。
姫華は
「店長のこと、前から好きでした。恋人がいなそうだったから、私にもチャンスあるのかなぁ、と思ってて…」
と思いきって告白した。
店長は少し前の別の女性とのワンナイトを思い出した。交際してる訳ではないが、頭の中には素敵だと思ってる女性がいたのだ。そして、またバーで会えばその様な行為をする可能性があることを…。
姫華のことは嫌いではない。むしろ好きだ。ただ、この好きはラブではない。しかし、ただの女性店員とは思っていなかった。美人であり、気立てもいい。性格の相性も良いと感じていて仕事も出来る子なので、すごく大事にしたい存在だと思っていた。
ただ修平からすると告白というのが想定外だった。姫華からすれば1日ずらしたバレンタインデーは作戦成功と言えるだろう。2人の調理担当はノーマークだった。
修平は竹内姫華に対し、こう答えた。
「えっとね、どう答えたらいいかな。好きでいてくれたことはとても嬉しい。僕も君のことは前からとても素敵な女性だと思っていた。ただ、今現在君のことを好きだと言えるかと言うと、はっきりは言えない。ただ、今のところ僕はフリーだ。そういう意味で僕は君と付き合うことが可能だ。まわりくどい言い方をして、ごめんね。これからお互いを知るという意味で2人きりでデートをするのはありだと思う。それでもいい?」
姫華はすぐに
「はいっ!」
と答えた。姫華の目から涙がこぼれた。
そして、姫華は店長にチョコレートが入った紙袋を渡した。
「ありがとう。大事に食べるよ。」
と修平は受け取った。その日はそれで2人は帰り、翌日以降もいつも通り仕事をした。
次の休みの前日の仕事の日のこと…
修平から姫華にデートの誘いをした。
「竹内さん、明日は空いてる?もし良かったらランチでもどう?」
「えっ、喜んで!」
と姫華はその誘いを受けた。
デートの当日は知り合いに会わないように店の最寄駅から3駅離れた駅前で待ち合わせをした。そこは大きな駅とは言えない所だ。待ち合わせは午前11時30分。修平は15分前に待ち合わせ場所の駅前交番の横に向かった。
(予定通り着いたな。)
と思ったら既に姫華の姿があった。
姫華は落ち着かず30分前には着いていたのだ。修平は
「ごめん、お待たせしちゃったね。おはよう。」
と声をかけた。
「おはようございます。つい落ち着かなくて早く着いちゃって。」
と姫華はやや緊張気味の笑顔で答えた。
向かい合っていた2人だが修平は左手を姫華に差し出した。
(手を繋ぐ?)という意味だった。姫華は意図を察し、顔を紅くした。修平は
「それとも…」
と言いながら腕を組むように肘を出す仕草をして見せた。
姫華は手袋を外し、右手を差し出した。手を繋ぎたいという意味だ。修平も手袋を外し、左手で姫華の右手を握った。姫華にとって初の男性との手繋ぎだった。
「あのね、今日は竹内さんと行きたい喫茶店があるんだ。ここから歩いて10分ぐらいの所なんだけど。」
「はい。あ、でも…」
「でも?どうしたの?」
「あのー、呼び方…」
「あぁ、そうか。何て呼んだらいい?」
「姫華とか姫華ちゃんとか…」
「じゃあ、姫華ちゃんでいいかな?」
「はい!あ、私も… 修平さんって呼んでもいいですか?」
また姫華は顔を紅くした。
「いいよ。そうしよう。」
2人は手を繋ぎ、ゆっくりと歩き始めた。
「姫華ちゃんはハンバーグ好き?」
「はい。好きです。」
「あ、そうだ。姫華ちゃん、話し方…。2人の時だけ敬語やめようよ。」
「はい。あ、うん。じゃ、遠慮なく。慣れなくて出ちゃったらごめんなさい。」
「気楽にね!」
と修平は笑顔で答えた。
修平と姫華は駅から徒歩約10分の喫茶店に到着した。洋館と思えるような作りの喫茶店だった。看板には『SAINT-GERMAIN(サンジェルマン)』と書いてある。なかなかお洒落な建物だ。
修平は扉を開け先に入り、姫華もそれに続いた。ウェイターがすぐに声をかけてきた。
「御二人様ですか?お好きな席へどうぞ」
と。
2人は2人掛けの席に座った。店内は昭和レトロを思わせる雰囲気だった。
「姫華ちゃん、ここはね特別美味しいというより、僕の母親が作ったハンバーグと似ていてね、ハンバーグにはピーマンとニンジンも入っているんだ。苦手じゃなければ試してみて。」
「あ、そういうの食べたことない。うん、食べてみる。」
2人は同じハンバーグ定食を頼んだ。程なく熱々の鉄板に盛られたハンバーグが運ばれた。ジューと音を立てている。美味しそうだ。
2人はナイフとフォークを手に取り、ハンバーグを口にした。姫華は驚いた。
「んー、美味しい!」
予想していたよりも美味しかったのだ。
あっという間に食事を平らげ、食後のコーヒーが運ばれた。
「喜んでもらえたみたいだね。」
と修平が言うと、姫華は
「うんっ!とっても。修平さんが好きなこと、もっと色々知りたいのです!」
と目をキラキラさせて答えた。
その後も修平と姫華の昼のデートは何度か続いた。カレーライスが美味しい店、ココアが美味しい店へと一緒に行った。
3月の初め、仕事の終わりに修平は姫華に言った。
「今度の休みはホワイトデーの代わりにフレンチのディナーをご馳走しようと思ってる。いいかなぁ?」
姫華は
「えっ?何か高級そうですけど、いいんですか?」
「そんな特別高級な所ではないから期待されても困るんだけど、まぁ普通の所で良ければね。」
「はいっ!喜んで!」
と満面の笑みで答えた。
大きな駅の改札を出た横の所で待ち合わせをした。約束の15分前に会い、2人はタクシーに乗った。高層ビルの下でタクシーを降りた。
姫華は初めてのことで何だか期待が高まった。
2人は高速エレベーターで目的階である最上階に着いた。エレベーターを降りるとすぐにフレンチレストランの入口があった。黒い服の店員がそこには立っていて、修平がすぐに
「すみません。7時に予約をしているネモトです。」と伝えるとすぐに窓際の席を案内してくれた。
この日はとても天気が良かった。既に日は落ちていたが、街の灯りが煌びやかだった。
「わぁ、すごい。私こんなの初めて!」
と姫華は感激した。
修平は
「実は僕も初めてなんだよ。いつか来てみたいと思っていたお店なんだ」
と言った。それは特別な人が見つかったら一緒に来てみたかったという意味だった。
それを感じ取った姫華は
「初めてが私とで余計に嬉しくなっちゃう。」
と泣きそうな顔になった。
「そんな顔をしないで。喜んでくれたなら良かった。」
ウェイターが来てドリンクメニューを2人に渡した。修平はメニューを見ずに
「任せてもらっていいかな?」
と姫華に言った。
「もちろん。」
「モエシャンの白をグラスで2つお願いします。」
と注文した。
姫華は
「何か格好いいですね!」
と言った。
「ところでモエシャンってどんなのですか?」
「んーとね、ドンペリってシャンパンは聞いたことあるよね?その弟分と言われているシャンパンなんだ。あの有名なタイタニック号で飲まれていたと言われ、映画にも出てくるんだ。タイタニック号には乗ったことないけどね」
と修平は笑った。もちろんだ。タイタニック号は処女航海で沈没しているのだ。
その後、2人はフルコースを楽しんだ。食後のコーヒーを飲みながら、
「美味しかった?」
と聞くと、
「うん、とっても。」
と姫華は満足げに答えた。修平は腕時計を見た。夜9時だ。
「まだ時間大丈夫?」
と姫華に声をかけた。
「大丈夫ですよ。」
と。姫華はこの後何があっても大丈夫なように下着と心の準備は出来ていた。
「じゃあ、下に行こう」
と言い、支払いを済ませると1つ下の階に移動した。そこは夜景の見えるバーだった。姫華はバーという所は初めてだった。
2人はバーに入った。ウェイターに案内されたのは窓に向かって座るカップル席だ。高層ビルから眺める夜景を姫華は初めて見た。先程レストランでも夜景は見たが改めて見ると、近くのビル、遠くのマンション、走る車や電車のライト、道路照明灯やお店のネオン、全てが輝いて見えた。
「うわー、何これ!こんな風になってるなんて、すごい!」
と姫華はまた感激した。
「うん、すごいね。僕も来たかったんだよ。」
と修平が言うと2人は向き合って笑った。
2人は席に着くと、メニューを見た。
「修平さん、あのー、メニュー見てもよくわからないんですけど…」
「カクテルって難しいよね。好きなフルーツとかで考えるといいかもしれないよ。」
と修平はアドバイスした。ジンとかウォッカとか言っても分からない。
「私、柑橘系が好き。グレープフルーツとか、オレンジとか。」
「じゃあ、2人でグレープフルーツ頼んでみようか?」
と修平が提案して、それに賛成した。ソルティドッグとホワイトミモザを注文した。
ソルティドッグはグラスの縁に塩を付け、ウォッカをグレープフルーツ果汁で割ったものを注ぐもの。ホワイトミモザはグレープフルーツ果汁にシャンパンを注いだものだ。
2つ同時にテーブルに届いた。ウェイターが「ソルティドッグのお客様」と言うと修平が軽く手を挙げて答えた。続けてホワイトミモザが姫華の前に置かれた。
「修平さん、ありがとう。何かね、すごく嬉しくなっちゃった」
と姫華は言い、右目から一筋の涙が流れた。すぐに修平がポケットからハンカチを出し、姫華に渡すと軽く目の下を抑えた。
「感激屋さんなんだね。喜んでもらえて、嬉しいよ。」
と修平も喜んだ。
まずはソルティドッグのグラスに修平が口を付けた。そこだけグラスに付いた塩が取れる。そして、そのグラスを姫華の前に置き、
「これはね、塩が付いてる所に口を付けて、しょっぱいのと果汁の味を楽しむんだよ。塩の味と合わせて試してみて。」
と言われ、姫華がグラスに口を付けた。塩は甘塩を使っているため、塩辛くはなくグレープフルーツの甘さを際立たせていて、とても美味しい。
「うーん、美味しい!」
次は姫華の前にあったホワイトミモザを手に取り、修平がグラスに口を付けた。
「んー、いいね。」
と。それも姫華の前に置いた。
「これはどこで飲んでもいいよ。」
と言われ、姫華はカーッと熱くなるのを憶えた。
それは修平が口を付けた所でもいいと言われてるようなもので間接キスを意識したからだった。しかも、修平は自分が口を付けた所を姫華の真ん前に置いたのだ。姫華はそこを避ける理由はない。
姫華は意識してないふりをして、間接キスをした。
「…」
頬を赤らめた。
修平は
「間接キスしちゃったね」
と言った。姫華は恥ずかしくなってうつ向いた。更に顔を紅くした。体が熱くなった。
「あ、ごめん。そんな恥ずかしがらなくても…」
と言いながら、そんな姫華を見て愛おしいと思った。
修平が
「どっちが美味しい?」
と聞くと
「両方。でももっと色々試したい」
と答えた。
「色々ね。わかった。」
と修平が答えた。
その2つを飲み終え、
「今日は次で最後にしよう」
と言い、修平は追加注文をした。
「XYZとシンデレラをお願いします。」
とバーテンに告げた。
姫華は初めて聞くシンデレラというカクテルに興味を持った。
「シンデレラっていうお酒があるんですか?」
「えっとね、シンデレラはカクテルだけどお酒ではないんだ。ノンアルコールカクテル。今日はシャンパンも赤ワインも飲んだし、結構アルコール摂取してると思ってね。姫華ちゃんに似合うシンデレラを飲んでもらおうと思ってね。オレンジ、パイン、レモン果汁を混ぜたカクテルなんだ。」
「へぇ…。私に似合うかしら?」
「僕にとって君はお姫様だよ。」
姫華はまた顔を紅くして、うつ向いた。目の前には夜景が広がっているのに、姫華は修平を見ているかうつ向いているかのどちらかで、途中からあまり夜景を見ていなかった。
修平と姫華は最後のカクテルを飲み終え、支払いを済ませると店を出た。すぐにエレベーターホールがあり、下に行くボタンを押した。高速エレベーターを待つ間、2人は何となくだが見つめあい、間があった。
修平は
「今夜はこれで帰ろうね。シンデレラを深夜0時には帰さないとね」
と言った。姫華としては残念ではあったが、
「はい」
と答えた。姫華は純粋でとても素直だ。
姫華は素直なだけに思ったことが表情にも出てしまうことがあるのだ。残念がっていることが表情に出てしまっていたのを修平は気づいた。エレベーターが到着したので、2人は乗って1階に向かった。
エレベーターに乗るとそこは無人で、モニターで監視はされているとしても気にならなかった。修平は姫華を抱き締めた。姫華はふいをつかれ驚いたが、修平の胸に顔を埋めた。修平のコートを姫華の涙で濡らした。
1階までノンストップで到着した。そして大通りに出て、流しのタクシーを拾った。駅までと運転手に告げるとまた2人は見つめあい、手を握り、どちらからともなく唇を重ねた。もちろん、運転手は気づかぬふりをしてくれた。
姫華にとっては初めてのキスだった。甘酸っぱい味がした。そして、姫華のおまんこは潤い始めたのだった。
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真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
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