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2. 転落
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しおりを挟む日付が変わり、深夜のシンとした静けさが包む狭いベッドの上で、結局何も着る事が許されなかった美玖は同じ裸の冴子と一枚の布団で眠っていた。
「…ンッ…」
股間を這う熱を帯びた肉の感触に美玖が薄目を開ける。背中を向け寝ていた筈の冴子が、美玖の背中を後ろから抱く態勢で密着して来ていた。
そして股の間には口内射精でようやく治った冴子の勃起が再び固さを取り戻し、先端をカウパー液の涎で濡らしながら太腿を掻き分けていた。
「ンッ…さえ、こ?」
美玖の耳元でははぁはぁと興奮した吐息が蠢き、冴子の手が美玖の胸へと迫っている。
「美玖、やっぱりおっぱい大きい…」
冴子の指がピアノタッチで美玖の胸を弄る。
「起きて、たの?」
初めはソフトだった冴子の触り方が徐々に情欲を孕んだタッチへと変わる。下から持ち上げる様に掌全体で鷲掴みにされ、モミモミと柔らかさを確かめられる。
「んっ…冴子…」
私が我慢すれば。
美玖は淫魔の言葉を思い出し、解釈していた。冴子が満足すれば元の身体に戻るだろうと。
しかし美玖は気付いていない。身体を許せば許す程、冴子の爛れた欲望が燃え上がる事に。
抵抗らしい素振りを見せない美玖に、気を良くしたのか冴子の爪が胸の頂を掠める。
「んっ…そこは…」
コリコリとした刺激が胸から身体全体へ緩やかに波及した。全身の快楽の伝線が既に開いてしまっている美玖の身体は易々と愛撫へ反応を返してしまう。
「乳首、弱いんだ」
「んぁっ❤︎爪、立てない…で…」
開発された美玖の身体はヒリつく刺激も甘美なものへと変換し、脳へ官能を運ぶ。
「ほらっ、勃ってきた。もう片方も触ってあげる」
「んっ…ふっ…」
ピンと張った乳首をカリカリと掻かれ美玖の口からは嬌声が漏れる。その声は抵抗が薄れ、冴子のタッチを許容する甘ったるさが含まれている。
「やっぱり敏感…。ねぇ、誰にこんなにエッチな身体にしてもらったの?」
冴子の低い声は明らかな嫉妬を含んでいる。
「違うの…は、初めて、だから…」
「何が?」
独占欲にまみれた冴子の意地の悪い質問。
「その…あんなこと、するの…あんっ…冴子が、初めてなの…きゃんっ!」
冴子の指が強く乳首を摘む。
「初めてであんなによがる訳ないじゃない。まだ嘘付くんだ…」
「ほんとなの…冴子、信じてよ…」
「じゃあ確かめてあげる」
冴子の指が胸の谷間、鳩尾、臍を通り美玖の下腹部へ這い寄る。
ーチュク
冴子に割れ目をなぞられてようやく美玖は自分がシーツへ滴る程に濡らしている事に気が付いた。
「こんなに濡らしておいてまだ清楚ぶるつもり?」
「いやっ…言わないで…」
「もうビショビショじゃん。太いの、挿れて欲しいんでしょ?」
「やっ…ぁっ❤︎クチュクチュしない、で…。違うの…冴子、また手でしてあげる、から…」
「してあげる?何、その上から目線」
欲望を逆撫でされた冴子の声が更に低くなる。
「ねぇ、ちゃんと言いなさいよ。"挿れてください"って」
「違うの…冴子、違うの…」
「まだキャラ作ってんだ。そんな美玖にはお仕置きしないとね」
ーーーーーーーーーー
「ぁ……くっ…イ…ク…」
暗がりの部屋に女の悦びの声が響く。冴子の責めが始まってから一時間が経っていた。
美玖は、うなじ、耳、首筋を冴子のウネウネと巧みに動く生温かい舌で責められ、乳首とクリトリスの三箇所を順番に指先で弄られていた。
「駄目だよ?ちゃんとお願いできるまでイカせてあげないって」
冴子の責めは的確で残忍だった。美玖の官能の風船が限界まで張ったところを察すれば手の動きを止め、少し萎んだところでまたゆっくりと愛撫が再開される。
女の官能を知り尽くしたギリギリの刺激を休みなく美玖に与え、美玖の身体は追い詰められていた。
「ぁ……ぅ……っ…はぁ、はぁ…なんで…」
美玖の全身からは粘ついた汗が噴き出し、冴子の指に文字通り踊らされていた。耳たぶを食まれれば頭が真っ白になり、クリトリスを撫でられれば腰を震わせた。
だが決して気を遣ることは出来なかった。
「いい加減認めたら?私はエッチなヤリマンですって」
「違うの…あんっ❤︎ちがうのぉ…」
「ふぅん。じゃあ中も責めたげる」
チュクリと冴子の中指が膣口に触れる。トロトロになっている入り口は抵抗無く冴子の指を自ら受け入れる。
「待って!冴子、そこはだめっ!」
美玖は両手で冴子の侵入を拒む。先程からずっと淫術による刺激がGスポットを襲っていたからだ。しかも冴子の意図を汲むかの如く、オルガスムスに達しない様に際どく物足りない刺激を絶えず与えられていた。
ーコリッ
弛緩した身体での美玖の抵抗は意味を成さず、冴子の指の腹は的確にGスポットを捉え、エレベーターのボタンを押す程度にソフトに前庭へ押し込んだ。
「ァ゛…くぅぅっ❤︎」
美玖の全身がしなる。腰が砕ける程の快楽刺激が一気に身体の前面を駆け抜け脳へと伝播した。
もう数秒でも押し込まれていれば簡単に達してしまっていたが、美玖の異常な反応を見た冴子が素早く指の力を抜いた。
「あっ、そうなんだ。ここが弱いんだぁ」
宝物を見つけた少年みたく冴子が歓声を上げた。
「あっ…くっ……やめっ…くぅ❤︎」
トントンと今度は二度、冴子の指が美玖の前庭へと触れた。
「おかしいよねぇ。こんな所さっきまで処女だった美玖が感じる訳ないよねぇ?」
「ちがっ!あぐっ❤︎」
冴子の指に込めた力とは比べ物にならない反応を美玖の身体が示す。Gスポットを押し込まれる度に身体が持ち上がり、腰から来る甘ったるい官能が脳をスパークさせた。
「ほらっ、ココ。くりくり❤︎」
本来なら何度も迎えているはずの絶頂は訪れず、限界まで高まった性感が引いていく度に冴子の指に力が注がれ、決して美玖は一線を超えられない。
「ああっ❤︎さえこっ!それやめっ…あぁぁ❤︎」
「ふふっ、すごい反応。ほらわかる?こうやって優しくサワサワして」
「ぁ…あっ…あっ❤︎」
「それでグッて押し上げてあげたら」
「あくっ!あ❤︎」
「ほらすぐイっちゃいそう。でもイカせてあげない」
「あっ、あっ…はっ…」
「ねぇ、美玖?想像してみて?」
冴子が甘ったるい声で美玖の耳元へ囁く。
「ココ、私ならおちんちんでイカせてあげる…」
「ほらわかる?ココ❤︎」
「もうさっきからヒクヒクしてる…」
「やぁ…」
「ちゃんとイメージして。そうね、寝そべったまま後ろから挿れてあげる、そうすれば一番良い所に刺さるから」
「こんな状態で何度もズンズン突かれるんだよ?すっごい気持ち良いよ?」
「あ、へぁ…❤︎きもひ、いい?」
「そう、ゴリゴリ突いてあげる。美玖がイっても許してあげない。何回も何回も突いてあげる❤︎」
錯乱し始めている美玖の背中へ冴子が後ろから寄り添う。美玖の股にはバキバキに起立した肉棒が添えられ、冴子の腰の動きに合わせ美玖の割れ目を往復する。
「やっ、だめぇ…そんな、おおきいの…擦り付けるられたら…あんっ」
既に挿入を心待ちにしている身体の本能に対して、美玖の理性はあまりにも無力だった。
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