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街中で
しおりを挟む土曜日の朝、悠斗との約束は午後からで凜は街の美容室に来ていた。
髪の毛を少しカットして軽くサイドに編み込みしてもらい柔らかい感じに仕上がった。美容室を出て大きなガラスに映った自分のヘアスタイルを見ていると後ろから「凜さん?」と声をかけられる。びっくりして振り向くとそこにはオーナーが立っていた。
「あっ!オーナーさん、この前はありがとうございました」
無邪気な顔を向ける凜にクスリと笑い「まぁ、オーナーだけど新堂って呼んでもらえると嬉しいかな?」
「新堂さん?」
「そう、下の名前の明良でも良いけど?」
「そ、そんな…新堂さんで良いですか?」
「うん、凜さんは何をしてたの?」
「美容室に来て午後から悠斗に会うので今から帰るところです」
新堂さんは時計を見ると「少し時間があるならお茶でもしない?」
凜は考えるように「この後も予定があるので…」
「悠斗と会うんでしょ?悠斗なら大丈夫だよ」目を細めて柔らかく笑う。
「でも…」
「そんなに時間はとらせないよ、行こうか?」
新堂さんは凜の背中にそっと手を添えてカフェのある道へと歩いて行く。
通りすがりの女性が新堂さんを振り向きざまに視線を向ける、カッコいいから注目されるのだろう。
連れてこられたカフェは店内が明るく落ち着いた雰囲気があるお店だった。
新堂さんはコーヒー凜はカフェオレを頼んだ。
温かいカフェオレを飲むと甘くて体が温まりほっこりする。
そんな凜の姿を見て新堂さんはクスッと笑って「美味しそうに飲むね」正面に座っていたのは新堂さんだったと凜は照れ笑いをする。
「そういえばピアノを弾くのは決めたのかな?」
あっ…、思い出したように凜の瞳は大きくまばたきをした。
「あの、やっぱり私では無理かなと思って…素敵なお話ですが、すみません」
「そうか~」
新堂さんは腕を組み手を顎に添えて考えているようだった。
凜は申し訳なさそうにうつむき加減で新堂さんの方を見ていた。
「悠斗にも気を使っているのかな?じゃあ、こういうのはどう?」
新堂さんはテーブルの真ん中の方に顔を寄せ、凜にある提案をした。
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