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四章 家族編

九十七 セレナの不満だよね

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 「ロニエ、ヒムートには話そう」
 「悲しむだけだと思いますが?」

 ああ、その通り悲しむだろう。あれだけ欲しがったんだ。
 でもさ。

 「ロニエは俺に隠し事されたらいやでしょ?」
 「嫌じゃないですよ」

 あれ?
 嫌じゃないんだ。そんなものかな?

 「セレナは?」
 「ダーリンの隠し事を聞いてどうするのよ。別に構わないわ」

 ん? んん? おかしいな.......構うと思うんだけど。
 
 「じゃあ昔俺が妹の雫を犯そうとしたって聞いたら?」
 「ダーリンの妹もダーリンの相手なら喜んでいたわね。狡いわ私もダーリンの妹なのに妹が良かったわ」
 「!! ヒカル様の始めてはロニエでは無かったのですか!? ショックです」

 ん? あれ? 違うよ。犯そうとしてないよ。嘘だよ。何でロニエが騙されちゃってるの?

 「ロニエ間違いなく俺の始めてはロニエだよ。信じてよ。ロニエに始めて入れたときが俺の初めてだよ」
 「ならヒカル様。ロニエをもっと犯してください。腰が止まってます」
 「ん? ああごめん」

 確かにいつの間にか挿入していた.......気持ちい.......ロニエの腰を持って

 「って駄目だよ!!」
 「はぁ~、やはりですか」

 ため息.......ロニエがガックリしている。

 「そうですね、ヒムートさんの事はこれ以上何も出来ないので、二つ目です。セレナの不満を解決しましょう」
 「セレナの不満? セレナ何か不満なの?」

 セレナに不満があるようには見えないけれど。

 「ダーリンが抱いてくれない事よ.......もう二ヶ月近くも私を抱いて無いわ! 触ってもくれないわ! ダーリンが私の事を愛していることは分かるわよ.......でも、私はダーリンにもっと抱かれたいのよ」
 「..............いやそれはセレナが妊娠してるから.......妊娠してるのにエッチは出来ないよ」
 
 流石に妊娠中は出来ないだろう。セレナに触らないのも触るとついつい抱きたくなるからだ。セレナ=エッチしたい、の方程式が成り立っている。まあロニエ=エッチの方程式と変わり無いけど。

 「そうよ.......だから少し後悔していたわ、ダーリンはこのまま私を抱いてくれなくなると思ったからね。でも、ダーリンの子は産みたいから我慢することにしたのよ」
 「いや産んだらするよ、いっぱいするよ」
 「いえ。しませんよ。生まれたら生まれたで色々ありますから」

 まあ子育ては大変だからね。

 「じゃあ子育てが終わったらいっぱいしようよ」
 「子育てが終わるのに15年と言われています。15年間エッチしない気ですか? ロニエともエッチしない気ですか? ロニエは正気を失いますよ」
 「私はダーリンが触ってくれるのならなんとかなるわよ。触らないのは嫌よ」
 「.......15年間.......ロニエとエッチしない.......そんなのは無理だよ。そもそも呪いの衰弱が始まるよ」
 「はい。ロニエの場合。妊娠中にまぐわらないだけで危険です。.......が今はセレナの話です。ロニエは何があってもヒカル様とエッチするので構いません」

 何があってもエッチするんだ。まあ良いけど。

 「良いですか? 確かに妊娠中は激しいエッチは禁物です。快感増幅は絶対に駄目です。イクのも避けた方が良いでしょう.......膣内射精も.......いえ何でもありません」

 うん。中出しもやめた方が良いらしいな。絶対に出さないようにしよう。

 「それだけです。別にエッチしても良いのです。むしろした方がこの子にとっても良い刺激になります」
 
 ロニエがまだ膨らんでいないお腹をさすりながら。

 「ヒカル様、今回は誓ってくださいとも約束してくださいとも言いませんが、ヒカル様がエッチしたい時にはしてください! したい子とはしてください! そうしてください」
 「ロニエ.......」

 エッチか、俺とロニエの始まりはエッチだった.......? まあエッチだった。

 「分かったよ。ロニエ、子育て程度でエッチしない何て事は無いよ。子供がいても関係なくエッチするよ。でも、妊娠中は.......危なくない?」
 「激しくなければ大丈夫です。体調が悪い時はちゃんと言います。だから大丈夫です」
 「ん、分かった。大丈夫ならロニエを沢山犯すよ」

 だって俺もロニエを犯したいもん。ロニエを犯さないなんてもったいない。時間は有限だ。いや不老だけども何時まで不老かは分からない.......

 「ヒカル様、やけに聞き分けが良いですね。ロニエの身体の事なのに珍しいです」
 「いやさ、ロニエを15年間も犯せないなんて聞いたらね、多少危険でもエッチしないといけないよ。ロニエと俺はエッチするのが大好きなんだから、この世界で幸せに生きるためにはエッチを我慢するわけにはいかないよ。それにロニエが大丈夫なら俺はどんな時でもロニエとエッチしたい」

 そう、ロニエとエッチしたい。ただの欲望だ。ロニエが隣にいて何時でもエッチしてくれる状態じゃないともう悲しい。ロニエに拒まれたら悲しい。そこにどんな理由があろうとも.......

 「私ともするのよね!」
 「セレナとすると自省効かなくなるか駄目」
 「ひどいわ!」 
 「それはセレナの特権では無いですか! ヒカル様に乱暴に扱われるなんて.......羨ましすぎます。ですが.......ロニエの友達の為に人肌脱ぎましょう」

 お? ロニエは既に殆ど薄着なのだが?

 「そうですね、まぐわらなくてもエッチ出来れば良いですか?」
 「そうね.......とにかく今みたいに触ってもくれないのは嫌よ。それとダーリン.......動き回らせてくれないかしら? 寝ているのはつまらないわ」
 「無茶しないなら動いていいよ。というか誰もずっと寝てて何て言ってないよ」
 「わたしが動こうとすると怒るじゃない!」

 セレナが心配で心配でもうね。鍵かけてしまっておきたくなる。

 「わかりました。そこでロニエは提案します。口でするだけなら良いのでは無いですか?」
 「セレナの口? おお! セレナがやってくれるなら良いよ」
 「本当!? やるわよ! 久しぶりのダーリンのダーリンよ! ロニエ変わりなさい.......あ!」
 「はい」

 ロニエが機械のように従ったてヌポッとぺニスから離れた。
 
 「..............セレナ」
 「どうぞセレナさん」
 「いや!! やめて! 違うのよ! 『ロニエ元に戻りなさい!』」

 ピクリとロニエが瞬きして俺を見ると飛びついた。

 「ひ、ひ、ひど過ぎます! ロニエに何て事をさせるんですか!」
 「わざとじゃないのよ! 許して! つい」
 「ついでも何でもロニエをヒカル様から離すのはやり過ぎです! 普通に離れてしまったでは無いですか!」
 「..............悪かったわ.......自分が魔女だという事を忘れていたわ.......の友達でいる資格なんて無いわね」

 セレナが明らかに落ち込んでいる。力の暴走.......

 「セレナおいで」

 セレナを転移させて抱く。

 「ダーリン..............ごめんなさい。ダーリンの大切な物を私は」
 「セレナもう良いや。エッチしようか、大丈夫だからね。俺はセレナの事が大好きだよ」
 「ダーリン.......私はやっぱり魔女なのよ.......私はどうして魔女なのかしら」

 セレナのおっぱいを揉む。セレナの話は聞かない。でも、セレナが濡れない。エッチ出来ない.......

 「ダーリン.......離して欲しいわ。ダーリンが汚れてしまうわ」
 「嫌だ。嫌だよ。嫌だ! セレナ嫌だ」
 「私は.......」
 「嫌だ! セレナといたいよ。離れないでよ。嫌だよ! お願いいかないで」

 セレナがどこかに行ってしまう気がした.......それが悲しくて涙か出た。
 セレナのおっぱいをいくらもんでもセレナは表情一つ変えない。キスをしようとしても.......

 「ダーリン.......駄目よ! 私はダーリンの.......」
 「何でよ!! 嫌だって!! ロニエ!! 謝って! セレナが! ロニエ!!」
 「.....................セレナ..............失言でした.......ごめんなさい.......」
 「良いのよ.......貴女は悪く無いわ、私が甘かったのよ。笑っちゃうわ」

 ロニエが酷くやつれている。相当落ち込んでいる。

 「セレナが居なくなるなら俺死ぬからね」
 「!? はい。ロニエも死にます。 許してくれなくても構いません。ただヒカル様から離れるのならロニエの責任です。ロニエも死にます」 
 「.......ダーリン...................................貴女も..............私は..............」
 「まだ足りないなら、セレナがいますぐ俺とエッチしてくれないなら死ぬからね。それぐらいセレナが好きだから問題ない。ロニエもそれで良いよね」
 「はい。構いません。セレナとはもう一蓮托生です。ロニエの唯一の友達ですから.......ロニエは今でもそう思っています」
 「でも、私は.......」

 プツリと何かが切れる音がした。

 「魔女だからなんなんだよ! 俺が愛してるだからそれで良いじゃんか! 俺がセレナを愛しているんだよ! 世界がセレナを受け入れなくても! 俺がセレナを受け入れるセレナは俺が幸せにする。それで! それだけで! 良いだろう!」
  
 セレナは泣いていた。そして俺にキスをした。

 「ダーリン!! ダーリン!! .......嬉しいわ」
 「そもそもセレナは俺の女なんだからどこかに勝手に行くのは駄目なんだよ! 例えロニエに言われても俺の近く居ていいんだよ! セレナの居場所はどこだよ!」
 「ダーリンよ」
 「セレナを愛している男は誰だよ!」
 「ダーリンよ」
 「セレナを心から求めている男は誰だよ!」
 「ダーリンよ、全部ダーリンよ、私はダーリンの物よ、愛してるわ.......」
 
 そこでようやく怒りが猛りが鎮まった。セレナの背中に手を当てながら。

 「良い? 絶対に何があってもロニエに何を言われてもセレナは俺の妻だし。セレナの居場所は俺の手の中だよ。どこにも言っちゃ駄目なんだよ」
 「ダーリン.......そうね。私の居場所はここよね。どうかしてたわ。離さないでダーリン」
 「離さない。もうしばらく離さない。ロニエもしばらく反省するから許してげて。悪気は無かったんだよ。ただ驚いただけだから」
 「もういいのよ。こうしてダーリンの腕の中にいる.......それだけで良いのよ」
 
 ロニエの事は許してくれないか.......

 「ほらセレナ濡らしてよ。大丈夫だから、安心して俺はセレナに入れたいな?」
 「少し待ってくれるかしら、落ち着くは動悸がおさまるまで待って.......そうね。入れていいわよ! 入れてる間に濡れるわよ。私も早くダーリンとつながりたいのよ! 身体を待つ必要は無いわ! ダーリン抱いて、いますぐ抱いて、それが1番落ち着くわ」
 「うん抱く。ちょっと待ってて」

 セレナのまたにすりすりして大きくしながらセレナの穴に無理矢理入れた。入りずらいけど入れた。濡れてない分強烈に締まるから気持ちい。
 あ! セレナは入れたら濡れてきた.......良かった。

 「もうずっとこうしててあげる.......しばらく抜かないよ」
 「ダーリンの愛を感じるわ.......でも、ダーリン何時もみたいに激しくして欲しいわ、色々考えたくないのよ」
 「でも、子供が」
 「ふふん。私は魔女よ! 子供くらい護れるわ! それよりダーリン」
 「その魔女なら俺の大好きな魔女だよ。良いよ。記憶が飛ぶくらいエッチしてあげる。そうしたら.......」
 「そうね.......でも、今はダーリンに抱かれるのが先よ」
 「うん」

 それから本当に何ヶ月も犯した。セレナのお腹が完全に膨れる位は犯していた。というか入れていると赤ちゃんが大きくなっていくのをもろで感じる。

 「!? ダーリン.......もう良いわよ」
 「嫌だよまだ離さないよ」
 「そう、それでも良いわよ。..............ロニエ.......私の大好きな友人のロニエ」

 ずっと黙っていたロニエにセレナが話しかける。

 「ごめんなさい.......私が悪かったわ。私の友達でいてくれるかしら?」
 「違います。ロニエが悪いのです! いくら何でも言いすぎました。ヒカル様から離れてて驚いたロニエを許してください」
 「.......ラチが開かないわ。だからもう仲直りにしましょう.......今仲直りしないと私は後悔するわ、ロニエもでしょう?」
 「良いんですか?」
 「友達でしょう? このままじゃ私が先に産んじゃうわよ.......二人で同時に生むのでしょう?」
 「はい。セレナが許してくれるのならそうしたいです」
 「ふふん。なら決まりね。ダーリン.......もう大丈夫よ。私はロニエと産みたいわ抜け駆け見たいで嫌だったのよ。それにあの子の様子も見てくるわ」
 「うん。分かったよ。居なくなっちゃ駄目だからね」
 「ふふん。分かっているわよ、そうね.......4時間.......ぐらいしたら一度来るわあの子を連れてね」
 
 4時間といえば四ヶ月か、まあちょうどロニエがお腹が大きくなる頃かな? セレナしか見てないから分からないけど。

 「それで良いかしら?」
 「はい。完璧です。イレギュラーがあれば教えてください」
 「ふふん。分かってるわよ、多少なら魔法でなんとかなるわ」
 「ありがとうございます」
 「あら。良いのよ、私だってダーリンに抱かれることが出来たのだものロニエのおかげよ。もう抱かれないかと思っていたのよ、いくわねダーリン.......何かあれば呼ぶのよ」
 「うん。ヒムートには俺から話すから」
 「分かったわ」

 珍しくカチャリとドアからセレナが出て行った服も着ずに。

 「セレナ服も着ないで言っちゃったね」
 「ヒカル様.......最近のロニエは失敗ばっかりです」
 「ほら。ロニエこっちおいで」
 「ヒカル様はそれでもロニエを1番に愛してくれています.......でも、ロニエにはその資格が無いような気がしてきました。ヒカル様愛を1番受け取るべきなのは」
 「ロニエだよ!」
 
 ロニエの言葉を遮る。言わせない。絶対に言わせない。

 「でも、ロニエは失敗ばっかりです。何時もヒカル様守り支えるのは」
 「ロニエだよ! ロニエがいたから俺がいるんだよ。忘れたの? 俺とロニエが歩んだ時間を、二人から始まった全てが今だよ。そのロニエが1番愛されないでどうするんだよ」
 「.......ヒカル様.......ロニエは試して見たいことがあります」
 「何するの?」
 「その時まで内緒です。その時までロニエがヒカル様の1番です。そしてその時もヒカル様の1番だったらロニエはこれ以上無い幸せを受け取れます。とにかく今はしませんよ。子供を産まなくてはいけませんから。ヒカル様は名前を考えなくても良いですよ。ロニエが決めましたから」
 
 ロニエの言っている事の半分も理解は出来なかったけれど、一つだけ確かな事がある。
 それだけはここで宣言する。

 「俺は、天野ロニエ生涯愛すると誓った。天野ロニエとどんな困難も共に乗り越えると誓った。そして天野ロニエと輪廻の果てまで一緒になると誓った。その俺がロニエを1番愛さないわけ無いよ」
 
 ロニエの目が見開き俺に抱き着く

 「ヒカル様! ロニエは!」
 「良いんだよ。俺は天野ロニエの全てが好きだ。その不安も大好きだよ。愛してる。ロニエを1番愛してる」
 「はい。ロニエもヒカル様を愛しています。ロニエがヒカル様を幸せにします。それを誰かに譲るわけには行きません。そうですね」
 「うん。大好きだよ」

 何よりも大好きなロニエを抱く。お腹を少しだけ膨らませたロニエを抱く。
 それが俺とロニエが幸せになれる方法だから。
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