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18章
114.国宝
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3つの国にはそれぞれ「聖剣」「宝玉」「聖盾」が存在するらしい。
そしてその3つゲットして魔王に挑むのがこのゲームの目標のようだ。
一般的には王城に保管されているらしいが、スタート国はなぜか神殿に保管されていた可能性が高いと。
なぜそんな可能性があるのか、それはその3つ専用の保管箱をルーパルドが見つけたからだ。
ちなみに箱と中身はお祭りの時に大体目立つ場所に飾られているため、殆どの人は1度くらい見たことがあるらしい。
ただ、最近は魔物討伐に忙しく国全体の祭りは開催できていないため、若い世代は知らないという。
それにしても豪華でかなり目立つ箱。加えてガラス張りのため中身は丸見えだ。
私は箱を手に取り状況を確認しながら質問した。
「鍵とか結界とか張ってなかったの……?」
見たところ目立った傷は見当たらない。少々汚れているが、拭けば綺麗になるだろう。
「箱だけ置いていたフェイクだったのかもしれません」
イナトは私の隣で箱を眺めつつ言う。
どうやら絶対にその箱に入れなくても良いらしい。
ただ、箱は専用のもの。箱に入れれば結界が展開され、その場から動かせなくなる。また、普通の人間や魔族は触れることさえできなくなるらしい。
救世主や勇者など、限られた人物のみが開けられる仕様なのだとか。
ただ、これらは全てしっかりと宝玉を箱に入れていればの話。中身がなければただの豪華な箱なのだ。
「宝玉をどこに保管してるのか、あの王様に聞いてみます?」
ルーパルドは行きたくなさそうな表情をしつつ、イナトへと問いかける。イナトはルーパルドの表情を気にせず頷いた。
「それがいい。ただ、仮に国で保管されていたとして、受け取るのはやめておいたほうがいいだろう」
「なぜだ?」
「まだ魔王討伐のための準備がまだできていない。紛失なんてしたら大変だからな」
ロクの問いにイナトはすぐさま答えた。
魔王討伐前にダンジョン攻略があると聞いている。クリアすることで魔王の力を減退できるのだ。なお、ダンジョン攻略は強制ではないらしい。強いままの魔王と挑みたい場合はそのまま魔王城に行けばいいのだと。
これはこの世界を救済して帰った後のお楽しみになりそうだ。
エンドランス国のワープポイントの解放も残っていることから、奪われたり失くす可能性がないとは言えない。そうなると、貴重なものをずっと持っておくのは心配だ。
ゲームであれば設定されていない限り貴重品を落とすことなどないだろう。しかし、ここはあくまでも私が転移した世界。ゲームとは違うはずだ。
「伝書紙で聞いてみましょう。行く必要はありません」
それを聞いてルーパルドは安堵のため息。手紙を書き始めたイナトへ、ルーパルドはお構い無しに質問する。
「ゲムデースも粗方ワープポイントは終わりましたよね? 終わったらすぐエンドラスト国に行くんですか?」
「……何もなければそうしたいところだが」
手紙を書き終えてすぐ読み返して即送る。伝書紙が飛んでいったのを確認したあと、複雑そうな表情を浮かべ歯切れの悪い言い方をするイナト。
今までもこのまま一気にワープポイントを解放しようとか、目的地を定めた後でも急な依頼やアクシデントで遠回りをしてきた。だからこその返しだろう。
「魔族は追わないのか?」
「追うわけないだろ。そもそも、すでに騎士が派遣されてから数日は経っている。さすがにいないはずだ」
ロクは魔族と戦いたかったのだろう。否定されて「そうか……」と残念そうに神殿内をゆっくりとじっくりと何か探しながら歩いている。
「ロク、あまり歩き回るな。神殿には侵入者対策がされていることがほとんどなんだぞ」
「あ」
「……え? ちょ、ロク!?」
何か作動してしまったようで、ロクは光りに包まれ消えてしまった。
イナトがロクの消えた場所を調べて息を吐いた。
イナトが指差す床を見ると、うっすらと魔法陣が描かれているのがわかる。こんなに薄くても反応するのか。
「ロクは魔法陣を踏んだようですね。適当なところに飛ばされているかと」
場所はランダムでわからないそうだ。だが、まだロクだったことが救いだろう。私が主人の証を持っているのだから自力で帰って来られるのだから。
「"人間探知機能"でも使ってみようか」
「ああ、そんなのありましたね。俺忘れてましたよ」
「私も今思い出した」
ルーパルドと2人で顔を見合わせ笑う。その様子をイナトは静かに見ていた。それはそれで怖いな。
メニューウインドウを開き、救世主専用魔法という文字に触れる。すると覚えた魔法の一覧が表示される。
人間探知機能を押すとマップウインドウが開かれ一箇所点滅している場所があった。
「イナト、地図を開いてもらえる?」
私が今見ているのは私専用の地図。イナトとルーパルドに見えていない。そのため、2人に正確な場所を伝えるには私が指をさす必要があるのだ。
「ここは、無人島ですね」
海の真ん中にポツンとある島。地図で見るだけではさほど遠く見えないが、島に行くには海を渡る必要がある。残念ながら船は持っていない。
「ロク、帰って来られるのかなこれ」
「いや~、流石に渡者でも厳しそうですね」
救いだと言ったのは間違いだったかもしれない……。
そしてその3つゲットして魔王に挑むのがこのゲームの目標のようだ。
一般的には王城に保管されているらしいが、スタート国はなぜか神殿に保管されていた可能性が高いと。
なぜそんな可能性があるのか、それはその3つ専用の保管箱をルーパルドが見つけたからだ。
ちなみに箱と中身はお祭りの時に大体目立つ場所に飾られているため、殆どの人は1度くらい見たことがあるらしい。
ただ、最近は魔物討伐に忙しく国全体の祭りは開催できていないため、若い世代は知らないという。
それにしても豪華でかなり目立つ箱。加えてガラス張りのため中身は丸見えだ。
私は箱を手に取り状況を確認しながら質問した。
「鍵とか結界とか張ってなかったの……?」
見たところ目立った傷は見当たらない。少々汚れているが、拭けば綺麗になるだろう。
「箱だけ置いていたフェイクだったのかもしれません」
イナトは私の隣で箱を眺めつつ言う。
どうやら絶対にその箱に入れなくても良いらしい。
ただ、箱は専用のもの。箱に入れれば結界が展開され、その場から動かせなくなる。また、普通の人間や魔族は触れることさえできなくなるらしい。
救世主や勇者など、限られた人物のみが開けられる仕様なのだとか。
ただ、これらは全てしっかりと宝玉を箱に入れていればの話。中身がなければただの豪華な箱なのだ。
「宝玉をどこに保管してるのか、あの王様に聞いてみます?」
ルーパルドは行きたくなさそうな表情をしつつ、イナトへと問いかける。イナトはルーパルドの表情を気にせず頷いた。
「それがいい。ただ、仮に国で保管されていたとして、受け取るのはやめておいたほうがいいだろう」
「なぜだ?」
「まだ魔王討伐のための準備がまだできていない。紛失なんてしたら大変だからな」
ロクの問いにイナトはすぐさま答えた。
魔王討伐前にダンジョン攻略があると聞いている。クリアすることで魔王の力を減退できるのだ。なお、ダンジョン攻略は強制ではないらしい。強いままの魔王と挑みたい場合はそのまま魔王城に行けばいいのだと。
これはこの世界を救済して帰った後のお楽しみになりそうだ。
エンドランス国のワープポイントの解放も残っていることから、奪われたり失くす可能性がないとは言えない。そうなると、貴重なものをずっと持っておくのは心配だ。
ゲームであれば設定されていない限り貴重品を落とすことなどないだろう。しかし、ここはあくまでも私が転移した世界。ゲームとは違うはずだ。
「伝書紙で聞いてみましょう。行く必要はありません」
それを聞いてルーパルドは安堵のため息。手紙を書き始めたイナトへ、ルーパルドはお構い無しに質問する。
「ゲムデースも粗方ワープポイントは終わりましたよね? 終わったらすぐエンドラスト国に行くんですか?」
「……何もなければそうしたいところだが」
手紙を書き終えてすぐ読み返して即送る。伝書紙が飛んでいったのを確認したあと、複雑そうな表情を浮かべ歯切れの悪い言い方をするイナト。
今までもこのまま一気にワープポイントを解放しようとか、目的地を定めた後でも急な依頼やアクシデントで遠回りをしてきた。だからこその返しだろう。
「魔族は追わないのか?」
「追うわけないだろ。そもそも、すでに騎士が派遣されてから数日は経っている。さすがにいないはずだ」
ロクは魔族と戦いたかったのだろう。否定されて「そうか……」と残念そうに神殿内をゆっくりとじっくりと何か探しながら歩いている。
「ロク、あまり歩き回るな。神殿には侵入者対策がされていることがほとんどなんだぞ」
「あ」
「……え? ちょ、ロク!?」
何か作動してしまったようで、ロクは光りに包まれ消えてしまった。
イナトがロクの消えた場所を調べて息を吐いた。
イナトが指差す床を見ると、うっすらと魔法陣が描かれているのがわかる。こんなに薄くても反応するのか。
「ロクは魔法陣を踏んだようですね。適当なところに飛ばされているかと」
場所はランダムでわからないそうだ。だが、まだロクだったことが救いだろう。私が主人の証を持っているのだから自力で帰って来られるのだから。
「"人間探知機能"でも使ってみようか」
「ああ、そんなのありましたね。俺忘れてましたよ」
「私も今思い出した」
ルーパルドと2人で顔を見合わせ笑う。その様子をイナトは静かに見ていた。それはそれで怖いな。
メニューウインドウを開き、救世主専用魔法という文字に触れる。すると覚えた魔法の一覧が表示される。
人間探知機能を押すとマップウインドウが開かれ一箇所点滅している場所があった。
「イナト、地図を開いてもらえる?」
私が今見ているのは私専用の地図。イナトとルーパルドに見えていない。そのため、2人に正確な場所を伝えるには私が指をさす必要があるのだ。
「ここは、無人島ですね」
海の真ん中にポツンとある島。地図で見るだけではさほど遠く見えないが、島に行くには海を渡る必要がある。残念ながら船は持っていない。
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