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幸せな妄想
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ルディウス……ディルクは前世では皇帝となった。
俺やアシュリーはディルクと呼んでいたが、本当はリドディルクという名前で、今や伝説の人物とさえ言われている。
皇帝に即位してから、近隣国を争うことなく次々と属国にしていくその手腕は、独裁政権でやり手だった前皇帝を凌ぐとも言われていた。
人望も厚く、誰もが皇帝の力になりたいと懇願してしまう程だった。
だが、ディルクは27歳という若さでこの世を去った。
早すぎる死に、帝国のみならず属国である国々も長く喪に服した。それ程に慕われていたということだ。
その皇帝リドディルクがルディウスだ。ロヴァダ国を建て直すのにルディウスが選ばれた理由は分かる。すっげぇ分かる。これで安心してロヴァダ国を任せておける。アイツなら一番に国民の事を考えて、不正を正し、悪い膿を取り除き、崩れかけたこの国を立派に建て直してくれる筈だ。
俺はアイツとは恋敵みてぇなもんだった。
ディルクとアシュリーは赤子の頃に生き別れ、大人になってからそうと知らずに出会い恋に落ちた。それを俺が横恋慕したって訳だ。
二人は自分達が双子であった事、そして元は一つの魂であった事を知り、ディルクはアシュリーを守る為に自分の正妃とした。そして俺はアシュリーを守るSランク冒険者として一緒にいた。
形式上はそうだ。が、俺はアシュリーと結婚して、二人で各地を巡りながら情勢を確認し、魔物を倒し盗賊を倒し裏組織を撲滅させ、各地の平和を担っていったんだ。それはディルクから与えられた仕事としてそうしたが、元から冒険者だった俺に適切な仕事を振ってくれていたって訳だ。
ディルクは良い奴だ。俺はアイツを友人だと思っている。俺がアシュリーに出会わなければ、例え双子だ魂が一緒だとは言え、あの二人は愛し合ったままだった筈なんだ。
だから生まれ変わった今も、ディルクがアシュリーを想うのは当然とも言える。
アシュリーもディルクを想うのは……仕方のねぇ事なのかもな……
つい昔の事を思い出して、染々と思ってしまう。あの二人は俺さえいなければ、前世でもお互いを想い合い支え合い愛し合い……リュカ宿すことなくもう少し長く生きられた筈で……
いや、そんな事を言ってしまうと、リュカの存在が無かった事になっちまう! それはダメだ! それを認めちゃいけねぇ!
だけどつい考えてしまう。それがアシュリーには一番幸せだったのかも知れない。
そう考えてたら、アシュリーが気になって仕方がなくなったのでゴーレム越しで見てみる。
うん、やっぱ今日も可愛いな。なんでそんなに可愛いんだ? 全部が俺にとっちゃあ完璧過ぎて、見てるだけで癒されるし幸せな気持ちになる。
アシュリーがメイドと話をしながら、美味しそうに飯を食ってる。やっぱりそこは帝城なんだな。いっぱい食えな? 痩せすぎだぞ? ほら、また口の横にパンくずつけてる。そういうところがまた可愛いとか思っちまうんだよなぁ。
アシュリーの食事に合わせて、俺も晩飯を食う。一人だけど、一人じゃねぇみたいに感じる。良いよな、こういうの。
食事が終わってお茶を飲んでる。うん、俺も一緒にお茶飲むぞ。そのメイドと仲が良いんだな。楽しそうにしてる。いつもそうやって笑っていて欲しい。苦労とか嫌な事とかはもう経験して欲しくねぇ。きっと今まで大変だったんだろ? 母親と一緒に前世でも同じように逃げるように旅をして、やっとディルクに会えて今こうやって笑えてるんだろ?
俺と一緒にいたら? アシュリーはあんな風に笑えるか? 幸せそうにしてくれるか?
いや、俺はアシュリーを幸せにする。そのつもりだ。当然だ。
そんな事を考えてると堂々巡りになっちまう。一人で考えててもどうしようもねぇってのにな。
今日は早く寝ることにしよう。明日もやることは多い。寝る前にもう一度アシュリーを見てみよう。そう思って、ベッドに横たわった状態でアシュリーを垣間見る。
え? ディルク? なんでそんな所にいるんだ? って事は、ディルクは空間移動が使えるって事なんだな。空間を操るディナと契約したか紫の石を持ってるか……だな。そうか……
やっぱりそうだった。ルディウスはディルクだ。アシュリーが嬉しそうに話してる。すげぇ幸せそうに笑う。悔しいけど、その笑顔に安心する。あ、抱き合った。それからディルクがアシュリーの頬にキスをした。
良いなぁー! 俺もしてぇなー!
こんな所でウジウジしてる奴が何言ってんだって話だよな。
けどディルクと一緒の時のアシュリーはすげぇ可愛い。幸せそうな笑顔がたまんねぇ。こんなふうに他の男と一緒にいるアシュリーを見るハメになるなんてな。それでもアシュリーが幸せであれば良い、のか……?
一人悶々と考えて、一人で眠りにつく。誰かと眠ったのは遠い昔だ。あれから俺はずっと一人だ。それは自分がそうして来たから仕方がない。そして、リュカと過ごしたこの家には誰も立ち入る事が出来ない。ニレの木の魔力にあてられるからだ。
俺はこの家にあれからずっと一人で住み続けている。なんか、リュカがここにいるような、帰って来るような気がするからだ。そんな事が起こる訳はないのにな。
俺がここにいる以上誰かと共にいる、なんて事はない。だけどここを離れるつもりもない。だから一人だ。これからも。
いや、違うな。アシュリーならここにいられる。だからアシュリーだけだな。あ、ディルクも来れるんだな。3人かぁー。部屋は空いてるから問題はねぇな。寝る時はどうする? 誰とどう寝る? 俺とアシュリーだろ? ディルクは一人で寝てもらうか。けどそれをディルクは許すのか? 許さねぇだろうなぁ。じゃあここで3人で寝るか? それは嫌だ! って、そんな事あり得ねぇって!
有り得る事のない妄想を一頻りする。有り得ねぇけど、ここで誰かと住めるんなら、きっと楽しいんだろうな。朝飯は俺が担当しても良いな。昼間は前みたいにアシュリーと一緒に各地へ回って、ディルクはその間帝城とかで仕事だろ? で、夜また皆で一緒に飯を食う。晩飯はアシュリーに作って貰おう。もちろん俺も手伝うぞ。3人で食卓を囲んで、また酒盛りとかもしてぇよな。
そんな、絶対に叶わない妄想をしながら眠りにつく。たとえ妄想であっても、それはなんて幸せを感じるんだろうか……
次の日も俺は昨日と同じように、ロヴァダ国の様子を見に行って、ゴーレムで出向者達の様子も確認する。それから各地へ行って貴族共を支配下に置きつつ、たまに魔物に襲われそうな人達も助けたりして、それからアスターとして行商にも行く。
アクシタス国の村にも行って、バルタザールのとこにいた奴隷だった女の子のレニーの様子も見ておく。レニーは笑えるようにもなってきていて、食事もちゃんと摂れてるからか、少しふっくらしていた。うん、もっと食って大きくなれよ。
俺を見つけると嬉しそうにして駆け付けてきて、しがみつくように抱きついてくれる。それがすげぇ可愛い。
持ってきたお菓子と勉強道具と服を渡してやると、涙を流して喜んでくれた。
村人に最近の様子も聞いたりして、問題がないかを確認している時だった。
「リュカ……」
不意に感じた情報に戸惑う。
リュカが……いや、魔物を統べるように作ったゴーレムが……
倒された……
俺やアシュリーはディルクと呼んでいたが、本当はリドディルクという名前で、今や伝説の人物とさえ言われている。
皇帝に即位してから、近隣国を争うことなく次々と属国にしていくその手腕は、独裁政権でやり手だった前皇帝を凌ぐとも言われていた。
人望も厚く、誰もが皇帝の力になりたいと懇願してしまう程だった。
だが、ディルクは27歳という若さでこの世を去った。
早すぎる死に、帝国のみならず属国である国々も長く喪に服した。それ程に慕われていたということだ。
その皇帝リドディルクがルディウスだ。ロヴァダ国を建て直すのにルディウスが選ばれた理由は分かる。すっげぇ分かる。これで安心してロヴァダ国を任せておける。アイツなら一番に国民の事を考えて、不正を正し、悪い膿を取り除き、崩れかけたこの国を立派に建て直してくれる筈だ。
俺はアイツとは恋敵みてぇなもんだった。
ディルクとアシュリーは赤子の頃に生き別れ、大人になってからそうと知らずに出会い恋に落ちた。それを俺が横恋慕したって訳だ。
二人は自分達が双子であった事、そして元は一つの魂であった事を知り、ディルクはアシュリーを守る為に自分の正妃とした。そして俺はアシュリーを守るSランク冒険者として一緒にいた。
形式上はそうだ。が、俺はアシュリーと結婚して、二人で各地を巡りながら情勢を確認し、魔物を倒し盗賊を倒し裏組織を撲滅させ、各地の平和を担っていったんだ。それはディルクから与えられた仕事としてそうしたが、元から冒険者だった俺に適切な仕事を振ってくれていたって訳だ。
ディルクは良い奴だ。俺はアイツを友人だと思っている。俺がアシュリーに出会わなければ、例え双子だ魂が一緒だとは言え、あの二人は愛し合ったままだった筈なんだ。
だから生まれ変わった今も、ディルクがアシュリーを想うのは当然とも言える。
アシュリーもディルクを想うのは……仕方のねぇ事なのかもな……
つい昔の事を思い出して、染々と思ってしまう。あの二人は俺さえいなければ、前世でもお互いを想い合い支え合い愛し合い……リュカ宿すことなくもう少し長く生きられた筈で……
いや、そんな事を言ってしまうと、リュカの存在が無かった事になっちまう! それはダメだ! それを認めちゃいけねぇ!
だけどつい考えてしまう。それがアシュリーには一番幸せだったのかも知れない。
そう考えてたら、アシュリーが気になって仕方がなくなったのでゴーレム越しで見てみる。
うん、やっぱ今日も可愛いな。なんでそんなに可愛いんだ? 全部が俺にとっちゃあ完璧過ぎて、見てるだけで癒されるし幸せな気持ちになる。
アシュリーがメイドと話をしながら、美味しそうに飯を食ってる。やっぱりそこは帝城なんだな。いっぱい食えな? 痩せすぎだぞ? ほら、また口の横にパンくずつけてる。そういうところがまた可愛いとか思っちまうんだよなぁ。
アシュリーの食事に合わせて、俺も晩飯を食う。一人だけど、一人じゃねぇみたいに感じる。良いよな、こういうの。
食事が終わってお茶を飲んでる。うん、俺も一緒にお茶飲むぞ。そのメイドと仲が良いんだな。楽しそうにしてる。いつもそうやって笑っていて欲しい。苦労とか嫌な事とかはもう経験して欲しくねぇ。きっと今まで大変だったんだろ? 母親と一緒に前世でも同じように逃げるように旅をして、やっとディルクに会えて今こうやって笑えてるんだろ?
俺と一緒にいたら? アシュリーはあんな風に笑えるか? 幸せそうにしてくれるか?
いや、俺はアシュリーを幸せにする。そのつもりだ。当然だ。
そんな事を考えてると堂々巡りになっちまう。一人で考えててもどうしようもねぇってのにな。
今日は早く寝ることにしよう。明日もやることは多い。寝る前にもう一度アシュリーを見てみよう。そう思って、ベッドに横たわった状態でアシュリーを垣間見る。
え? ディルク? なんでそんな所にいるんだ? って事は、ディルクは空間移動が使えるって事なんだな。空間を操るディナと契約したか紫の石を持ってるか……だな。そうか……
やっぱりそうだった。ルディウスはディルクだ。アシュリーが嬉しそうに話してる。すげぇ幸せそうに笑う。悔しいけど、その笑顔に安心する。あ、抱き合った。それからディルクがアシュリーの頬にキスをした。
良いなぁー! 俺もしてぇなー!
こんな所でウジウジしてる奴が何言ってんだって話だよな。
けどディルクと一緒の時のアシュリーはすげぇ可愛い。幸せそうな笑顔がたまんねぇ。こんなふうに他の男と一緒にいるアシュリーを見るハメになるなんてな。それでもアシュリーが幸せであれば良い、のか……?
一人悶々と考えて、一人で眠りにつく。誰かと眠ったのは遠い昔だ。あれから俺はずっと一人だ。それは自分がそうして来たから仕方がない。そして、リュカと過ごしたこの家には誰も立ち入る事が出来ない。ニレの木の魔力にあてられるからだ。
俺はこの家にあれからずっと一人で住み続けている。なんか、リュカがここにいるような、帰って来るような気がするからだ。そんな事が起こる訳はないのにな。
俺がここにいる以上誰かと共にいる、なんて事はない。だけどここを離れるつもりもない。だから一人だ。これからも。
いや、違うな。アシュリーならここにいられる。だからアシュリーだけだな。あ、ディルクも来れるんだな。3人かぁー。部屋は空いてるから問題はねぇな。寝る時はどうする? 誰とどう寝る? 俺とアシュリーだろ? ディルクは一人で寝てもらうか。けどそれをディルクは許すのか? 許さねぇだろうなぁ。じゃあここで3人で寝るか? それは嫌だ! って、そんな事あり得ねぇって!
有り得る事のない妄想を一頻りする。有り得ねぇけど、ここで誰かと住めるんなら、きっと楽しいんだろうな。朝飯は俺が担当しても良いな。昼間は前みたいにアシュリーと一緒に各地へ回って、ディルクはその間帝城とかで仕事だろ? で、夜また皆で一緒に飯を食う。晩飯はアシュリーに作って貰おう。もちろん俺も手伝うぞ。3人で食卓を囲んで、また酒盛りとかもしてぇよな。
そんな、絶対に叶わない妄想をしながら眠りにつく。たとえ妄想であっても、それはなんて幸せを感じるんだろうか……
次の日も俺は昨日と同じように、ロヴァダ国の様子を見に行って、ゴーレムで出向者達の様子も確認する。それから各地へ行って貴族共を支配下に置きつつ、たまに魔物に襲われそうな人達も助けたりして、それからアスターとして行商にも行く。
アクシタス国の村にも行って、バルタザールのとこにいた奴隷だった女の子のレニーの様子も見ておく。レニーは笑えるようにもなってきていて、食事もちゃんと摂れてるからか、少しふっくらしていた。うん、もっと食って大きくなれよ。
俺を見つけると嬉しそうにして駆け付けてきて、しがみつくように抱きついてくれる。それがすげぇ可愛い。
持ってきたお菓子と勉強道具と服を渡してやると、涙を流して喜んでくれた。
村人に最近の様子も聞いたりして、問題がないかを確認している時だった。
「リュカ……」
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倒された……
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