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大切な物
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彼の顔も分からない。声も聞こえない。名前も知らない。
彼と接する日々の中、段々優しい彼の事が知りたくなってきた。
だから街へ行く事を提案する。私以外の誰かが彼の情報を教えてくれるかも知れないからだ。
彼は承諾してくれた。良かった。
彼に連れられて街へ行く。
そこで分かった事は、彼がアスターって名前だったと言うことだ。
この街でアスターは、色んな人から声を掛けられていた。皆気さくに嬉しそうに楽しそうにアスターに話し掛けていた。
アスターはきっと誰からも好かれる、良い人なんだろうな。
それは分かる。私もそう感じるから。
まるで私とは正反対……
近しい間柄ではなかったけれど、いきなりアスターが遠い存在に思えてきた。
私が傍にいていい人じゃないかも知れない。アスターには他にもっと良い人が似合う筈だ。私がいたら、きっと彼の邪魔になってしまう。
話し掛けられる内容から、アスターは行商人と言うことが分かった。だけど私がいるから、アスターはその仕事が出来ていないようだった。
あぁ、やっぱり私は誰かの足を引っ張る事しかできていないんだ。
私の存在は迷惑でしかない。やっぱりそうだった。
優しいアスターは、きっとその事を言い出せなかったんだ。怪我人を放っておくことが出来なかったんだ。
だから自分から離れないと。離れてあげないと……
そう伝えた時、アスターは私を抱きしめた。
それには驚いて戸惑ってしまったけれど……
嫌じゃなかった。アスターの腕の中は思った通り暖かくて、思わずそのままその胸に顔を埋めてしまいそうになる。
でもダメだ。そんな事は許されない。
私を抱き寄せて何かを言っているような感じが頬に当たった彼の喉から震えて感じられる。
なに? 何が言いたいの? 何を言っているの?
アスターの伝えようとしている事も気になったけれど、それよりも……
この感じを……知っている……気がする……
抱きしめられたこの感触はもしかして……
いや、そんな筈はない。そんな訳はない。エリアスには私以外の愛する人がいる。だからそんな事はあり得ない。
これは私がそうあって欲しいと望んでしまったからで、だからそんな錯覚を起こしてしまっているだけなんだ。
どこまで求めようとしてしまうの? こうされる事が嬉しいだなんて、なんて事を思ってしまうの?
こんな簡単に心を許してしまうなんて。こんな簡単な自分が情けなくて。
気づいたらまた暗闇の中で佇んでいる。
なんて弱いんだろう。アスターにもエリアスを重ねてしまうなんて、失礼にも程がある。情けなくて涙も出ない。こんな自分がどうしようもなく嫌いで仕方がない。
また何も見ないように聞かないように、一人で踞って呪文のように言葉にする。
私は許されない。許されてはいけない。求めてはいけない。望んではいけない。
繰り返し自分に言い聞かせるように言い続けていたけれど。
また優しい感情が流れてくる……
それは私を労るように感じて、おいでって両手を広げて受け入れられているような感じがして……
その優しい手を払いのける事は出来なくて
堪えてた涙も溢れそうで
また私はその暖かさを求めて、この暗闇から抜け出そうとしてしまう……
柔らかな感触がした。
頬に何かが当たっている。
これはアスターの髪? サラサラで心地よく感じる。
私の右手を握ってる……暖かくて優しいアスターの手……
ゆっくり体を起こす。アスターは私が寝ているベッドの脇の椅子に座って、そのまま寝てしまっている……?
いつもそうやってくれていたの? 自分のベッドで眠らずに、私の傍にいてくれてたの?こんな私の為にここまでしてくれていたの?
胸が締め付けられるような感覚になって、思わずアスターの髪を撫でる。こんな寝方をしたら疲れも取れないだろうに。握っている手をそっと離して、その右手に残った暖かさを確かめるように手で撫でて……気づく……
「あれ……なんで……? え……?」
右手の薬指にあった指輪が無くなっている。どうして? いつ? どこで?
あれはエリアスが私に贈ってくれた指輪で、魔法と物理攻撃防御の付与がかかってある指輪で……
どうしたんだろう?! いつ無くしたんだろう?! 眠ってる間に? それとも外で? 街に行った時? とにかく探さないと!
ベッドの上を手探りで探してみる。布団に紛れてないかな? 前に魔石も無くしちゃったけど、あの時は空間収納に何故か片付けられていた。だからまたそこにあるのかも知れない。
そう思って空間収納の中も確認するけどそこにも無くて、ベッドも探したけれど見つからなくて……
もしかしたら外にあるのかも知れない。
眠ってるアスターを起こさないようにゆっくりそうっとベッドから抜け出して外へ出る。
少しずつゆっくりと歩いて外に出る。
探しに来たけれど、見えないから探しようがない。こんな状態じゃ探したくても探せない。
仕方なく包帯を外す。
このまま見えなくても良いと思ってた。嫌な事は何も見たくはなかった。だけど、それはただの逃げでしかなかった。だからバチが当たったの?!
ボンヤリと景色が見える……眩しくてまたすぐに目を閉じてしまう。両手で目を覆って、それから少しずつ光に慣れさせていく。
ゆっくり目を開ける……まだズキズキと痛むけれど、何も見えない訳じゃない。ボンヤリだけど色や何となくの形は分かる。
ここは芝生で……あ、畑? がある……その辺りも探す。遠くは分からないけど、近くなら少し分かる。灰色っぽい何かがあったから手に取ってみるけれど、それらは殆どが石だった。
少しずつ少しずつ範囲を広げていって、地面に這いつくばるように探していく。
あれは前世でエリアスから貰った物だった。初めて乗った船の中にあったお店で、エリアスが私に選んで買ってくれた指輪だったんだ。
それを貰った時は本当に嬉しくて、でも少し恥ずかしくて……ずっと、ずっと大切にしようって思ってたんだ。思ってたのに……!
「エリアス……無くしちゃったよ……どうしよう……どうしよう……!」
もうエリアスは私の事なんて何とも思ってなくて、渡した指輪の事も気にもしてないかも知れないけれど……
こうやって一つ一つ、エリアスとの思い出が無くなっていってしまうようで、それが怖くて仕方がなくて……
「嫌だ……無くしたくない……どこに行ったの? お願い……出てきて……っ!」
そうやって手探りで探していたら、いきなり後ろから手を捕まれる。私の手を掴むのは……アスター?
知らずに出ていた涙で見えない。アスターの顔が見えないよ……
「アスター、指輪が無いんだ……何処かで無くしてしまって……大切な物で……エリアスに……っ!」
言い終わる前に抱きしめられる。
アスターが何か言ってる。喉が震えてる。なんて言ってるの? 分からない。分からないよ……!
「アスター、離して! 探さないと! あれはエリアスに貰った指輪で……! 大事な物なんだ! た、大切にしようって思ってて……思ってたのに……っ!」
まだ言おうとしたところで言えなくなった。
気づくと私の唇はアスターの唇に塞がれてしまっていた。
彼と接する日々の中、段々優しい彼の事が知りたくなってきた。
だから街へ行く事を提案する。私以外の誰かが彼の情報を教えてくれるかも知れないからだ。
彼は承諾してくれた。良かった。
彼に連れられて街へ行く。
そこで分かった事は、彼がアスターって名前だったと言うことだ。
この街でアスターは、色んな人から声を掛けられていた。皆気さくに嬉しそうに楽しそうにアスターに話し掛けていた。
アスターはきっと誰からも好かれる、良い人なんだろうな。
それは分かる。私もそう感じるから。
まるで私とは正反対……
近しい間柄ではなかったけれど、いきなりアスターが遠い存在に思えてきた。
私が傍にいていい人じゃないかも知れない。アスターには他にもっと良い人が似合う筈だ。私がいたら、きっと彼の邪魔になってしまう。
話し掛けられる内容から、アスターは行商人と言うことが分かった。だけど私がいるから、アスターはその仕事が出来ていないようだった。
あぁ、やっぱり私は誰かの足を引っ張る事しかできていないんだ。
私の存在は迷惑でしかない。やっぱりそうだった。
優しいアスターは、きっとその事を言い出せなかったんだ。怪我人を放っておくことが出来なかったんだ。
だから自分から離れないと。離れてあげないと……
そう伝えた時、アスターは私を抱きしめた。
それには驚いて戸惑ってしまったけれど……
嫌じゃなかった。アスターの腕の中は思った通り暖かくて、思わずそのままその胸に顔を埋めてしまいそうになる。
でもダメだ。そんな事は許されない。
私を抱き寄せて何かを言っているような感じが頬に当たった彼の喉から震えて感じられる。
なに? 何が言いたいの? 何を言っているの?
アスターの伝えようとしている事も気になったけれど、それよりも……
この感じを……知っている……気がする……
抱きしめられたこの感触はもしかして……
いや、そんな筈はない。そんな訳はない。エリアスには私以外の愛する人がいる。だからそんな事はあり得ない。
これは私がそうあって欲しいと望んでしまったからで、だからそんな錯覚を起こしてしまっているだけなんだ。
どこまで求めようとしてしまうの? こうされる事が嬉しいだなんて、なんて事を思ってしまうの?
こんな簡単に心を許してしまうなんて。こんな簡単な自分が情けなくて。
気づいたらまた暗闇の中で佇んでいる。
なんて弱いんだろう。アスターにもエリアスを重ねてしまうなんて、失礼にも程がある。情けなくて涙も出ない。こんな自分がどうしようもなく嫌いで仕方がない。
また何も見ないように聞かないように、一人で踞って呪文のように言葉にする。
私は許されない。許されてはいけない。求めてはいけない。望んではいけない。
繰り返し自分に言い聞かせるように言い続けていたけれど。
また優しい感情が流れてくる……
それは私を労るように感じて、おいでって両手を広げて受け入れられているような感じがして……
その優しい手を払いのける事は出来なくて
堪えてた涙も溢れそうで
また私はその暖かさを求めて、この暗闇から抜け出そうとしてしまう……
柔らかな感触がした。
頬に何かが当たっている。
これはアスターの髪? サラサラで心地よく感じる。
私の右手を握ってる……暖かくて優しいアスターの手……
ゆっくり体を起こす。アスターは私が寝ているベッドの脇の椅子に座って、そのまま寝てしまっている……?
いつもそうやってくれていたの? 自分のベッドで眠らずに、私の傍にいてくれてたの?こんな私の為にここまでしてくれていたの?
胸が締め付けられるような感覚になって、思わずアスターの髪を撫でる。こんな寝方をしたら疲れも取れないだろうに。握っている手をそっと離して、その右手に残った暖かさを確かめるように手で撫でて……気づく……
「あれ……なんで……? え……?」
右手の薬指にあった指輪が無くなっている。どうして? いつ? どこで?
あれはエリアスが私に贈ってくれた指輪で、魔法と物理攻撃防御の付与がかかってある指輪で……
どうしたんだろう?! いつ無くしたんだろう?! 眠ってる間に? それとも外で? 街に行った時? とにかく探さないと!
ベッドの上を手探りで探してみる。布団に紛れてないかな? 前に魔石も無くしちゃったけど、あの時は空間収納に何故か片付けられていた。だからまたそこにあるのかも知れない。
そう思って空間収納の中も確認するけどそこにも無くて、ベッドも探したけれど見つからなくて……
もしかしたら外にあるのかも知れない。
眠ってるアスターを起こさないようにゆっくりそうっとベッドから抜け出して外へ出る。
少しずつゆっくりと歩いて外に出る。
探しに来たけれど、見えないから探しようがない。こんな状態じゃ探したくても探せない。
仕方なく包帯を外す。
このまま見えなくても良いと思ってた。嫌な事は何も見たくはなかった。だけど、それはただの逃げでしかなかった。だからバチが当たったの?!
ボンヤリと景色が見える……眩しくてまたすぐに目を閉じてしまう。両手で目を覆って、それから少しずつ光に慣れさせていく。
ゆっくり目を開ける……まだズキズキと痛むけれど、何も見えない訳じゃない。ボンヤリだけど色や何となくの形は分かる。
ここは芝生で……あ、畑? がある……その辺りも探す。遠くは分からないけど、近くなら少し分かる。灰色っぽい何かがあったから手に取ってみるけれど、それらは殆どが石だった。
少しずつ少しずつ範囲を広げていって、地面に這いつくばるように探していく。
あれは前世でエリアスから貰った物だった。初めて乗った船の中にあったお店で、エリアスが私に選んで買ってくれた指輪だったんだ。
それを貰った時は本当に嬉しくて、でも少し恥ずかしくて……ずっと、ずっと大切にしようって思ってたんだ。思ってたのに……!
「エリアス……無くしちゃったよ……どうしよう……どうしよう……!」
もうエリアスは私の事なんて何とも思ってなくて、渡した指輪の事も気にもしてないかも知れないけれど……
こうやって一つ一つ、エリアスとの思い出が無くなっていってしまうようで、それが怖くて仕方がなくて……
「嫌だ……無くしたくない……どこに行ったの? お願い……出てきて……っ!」
そうやって手探りで探していたら、いきなり後ろから手を捕まれる。私の手を掴むのは……アスター?
知らずに出ていた涙で見えない。アスターの顔が見えないよ……
「アスター、指輪が無いんだ……何処かで無くしてしまって……大切な物で……エリアスに……っ!」
言い終わる前に抱きしめられる。
アスターが何か言ってる。喉が震えてる。なんて言ってるの? 分からない。分からないよ……!
「アスター、離して! 探さないと! あれはエリアスに貰った指輪で……! 大事な物なんだ! た、大切にしようって思ってて……思ってたのに……っ!」
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