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決戦にて 魔石の変化と魔石の笑
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「うおおおお!!」
「ガアアアア!!」
「ブオオオオ!!」
僕の純粋なる緑の魔弾が飛び交っている中、兄さん・鬼熊・破壊猪が防御態勢になっている魔石のもとへ爆走する。僕がその迷いが一切ない様子を見ていると、僕の後ろで徐々に高まる魔力を感じて振り向いたらラカムタさんが兄さんを鋭い目で見ていた。
「ラカムタさんも魔石のところに行くなら、兄さんと二体に純粋なる緑の魔弾の弾幕の量を減らして威力重視に切り換えるって伝えて」
「わかった。任せろ。……この戦いが思ったら説教だけじゃ済まさんぞ」
ラカムタさんが兄さんに対してボソッと言ってる事が気になると言えば気になるけど、今は置いておこう。ラカムタさんの周りを見たら青のみんな・姉さん・リンリー・ディグリも戦う気満々の目をしてて、一気に総力戦に突入するみたいだからね。
「みんな、魔石に切り札がまだ残ってる可能性があるから十分に気をつけて。僕も同調で常に見張っておくけど、魔石の近くで何か気づいたら教えてほしい」
「ヤート殿、もちろんだ。お前達、無用なケガ人や死人を出さないように立ち回るのだぞ」
「「「「「おうっ!!」」」」」
「マイネ、リンリー、お前達もだ」
「わかってるわ。ラカムタさん」
「私も大丈夫です」
「確実二滅殺スルノデ安心シテクダサイ」
広場に残っていたみんなも魔石のもとへと走り出した。ディグリだけ僕の注意に対しての返事の方向性が違うのは、気合いの現れだって納得しよう。
「うおおおお、くらえ!! この野郎!!」
兄さんが気合を込めて強化魔法を発動しながら殴るところが見えた。
ゴボン。
……さっきとは魔石のまとってる黒い水が出す音が違う気がする。しかも本来なら兄さんの打撃を受けて消し飛ぶはずの部分が凹んだだけだ。
「ガアッ!!」
ゴブォン。
気のせいじゃないね。音からすると黒い水の粘度が上がってる? 鬼熊の一撃でも形が歪んだ後に元に戻ってる……。
「ブオッ!!」
ゴブン。
さらに粘度が上がってみたいで破壊猪の突撃でも少しの歪みもできない。僕は魔石の目的を確かめるため威力重視の純粋なる緑の魔弾を一発射ち込むと、純粋なる緑の魔弾が弾かれた。しかも、その弾かれた純粋なる緑の魔弾は、魔石に近づいていく青の方に向かっていく。……もし魔石が狙って青の方に弾いたのなら、むやみに射ち込まない方が良さそうだ。
「なんだ? 俺の打撃が効いてねえぞ」
「ガア……」
「ブ、ブオ……」
兄さんの打撃や二体の突撃も無効化されてる。どうやら今の魔石のまとってる黒い水は、ぶ厚いゴムのような状態になってるみたいだね。
「ガル、そこをどけ!! ハアッ!!」
「ギ……」
魔石は放たれたラカムタさんの竜人息をグニャッと形を変えて魔石本体に当たらないように避けた。……僕達の攻撃手段を学習したのか。魔石は僕の発動させた樹林緑地界降臨で黒い水を補給できなくなったから、今の状況・僕達の戦い方に合わせて戦闘方法を変えたみたいだ。
……魔石が僕を見て笑ってる。魔石の近くにいるラカムタさん達は魔石の笑いを止めようと攻撃を加えるが、ゴムのようになった黒い水がことごとく遮られ効かない。魔石の笑が深くなっていく。
「ギィッ!!」
魔石が奇声をあげるとまとっている黒い水がビュルンって震えて、前世でいうウニみたいに鋭い棘が何本も飛び出しみんなを突き刺そうとした。
「危ねえ!!」
「全員、回避重視で動け!!」
「ギィ……」
魔石はみんなに黒い水の刺が避けられたのを確認すると飛び出したままにして、触手のようにウネウネと動かし近くにいるものをからめ取ろうとする。
「……しまっ!!」
「ギィイイ」
青の一人が魔石の黒い水の触手に捕まる。魔石は黒い水の触手をさらに何重にもからませ青の竜人が動けなくなると、自分の前に青の竜人を運びニタァって笑った。
「く、この離せ!!」
魔石は自分の目の前でもがく青の竜人を少しの間見ると洞のような目をガバッと拡げて暗い紫色の光を放ち、間近で魔石の目が発する光を見た青の竜人は意識を失くしたのか動かなくなる。魔石は動かなくなった青の竜人を捨てて、次の獲物をからめ取ろうと黒い水の触手を動かす。
みんなはどうにか魔石の触手を避けつつ魔石から解放された青の竜人を安全地帯まで移動させてようとしたけど、魔石から解放された青の竜人が不自然な動きで起き上がり魔石ではなくみんなに襲いかかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「ガアアアア!!」
「ブオオオオ!!」
僕の純粋なる緑の魔弾が飛び交っている中、兄さん・鬼熊・破壊猪が防御態勢になっている魔石のもとへ爆走する。僕がその迷いが一切ない様子を見ていると、僕の後ろで徐々に高まる魔力を感じて振り向いたらラカムタさんが兄さんを鋭い目で見ていた。
「ラカムタさんも魔石のところに行くなら、兄さんと二体に純粋なる緑の魔弾の弾幕の量を減らして威力重視に切り換えるって伝えて」
「わかった。任せろ。……この戦いが思ったら説教だけじゃ済まさんぞ」
ラカムタさんが兄さんに対してボソッと言ってる事が気になると言えば気になるけど、今は置いておこう。ラカムタさんの周りを見たら青のみんな・姉さん・リンリー・ディグリも戦う気満々の目をしてて、一気に総力戦に突入するみたいだからね。
「みんな、魔石に切り札がまだ残ってる可能性があるから十分に気をつけて。僕も同調で常に見張っておくけど、魔石の近くで何か気づいたら教えてほしい」
「ヤート殿、もちろんだ。お前達、無用なケガ人や死人を出さないように立ち回るのだぞ」
「「「「「おうっ!!」」」」」
「マイネ、リンリー、お前達もだ」
「わかってるわ。ラカムタさん」
「私も大丈夫です」
「確実二滅殺スルノデ安心シテクダサイ」
広場に残っていたみんなも魔石のもとへと走り出した。ディグリだけ僕の注意に対しての返事の方向性が違うのは、気合いの現れだって納得しよう。
「うおおおお、くらえ!! この野郎!!」
兄さんが気合を込めて強化魔法を発動しながら殴るところが見えた。
ゴボン。
……さっきとは魔石のまとってる黒い水が出す音が違う気がする。しかも本来なら兄さんの打撃を受けて消し飛ぶはずの部分が凹んだだけだ。
「ガアッ!!」
ゴブォン。
気のせいじゃないね。音からすると黒い水の粘度が上がってる? 鬼熊の一撃でも形が歪んだ後に元に戻ってる……。
「ブオッ!!」
ゴブン。
さらに粘度が上がってみたいで破壊猪の突撃でも少しの歪みもできない。僕は魔石の目的を確かめるため威力重視の純粋なる緑の魔弾を一発射ち込むと、純粋なる緑の魔弾が弾かれた。しかも、その弾かれた純粋なる緑の魔弾は、魔石に近づいていく青の方に向かっていく。……もし魔石が狙って青の方に弾いたのなら、むやみに射ち込まない方が良さそうだ。
「なんだ? 俺の打撃が効いてねえぞ」
「ガア……」
「ブ、ブオ……」
兄さんの打撃や二体の突撃も無効化されてる。どうやら今の魔石のまとってる黒い水は、ぶ厚いゴムのような状態になってるみたいだね。
「ガル、そこをどけ!! ハアッ!!」
「ギ……」
魔石は放たれたラカムタさんの竜人息をグニャッと形を変えて魔石本体に当たらないように避けた。……僕達の攻撃手段を学習したのか。魔石は僕の発動させた樹林緑地界降臨で黒い水を補給できなくなったから、今の状況・僕達の戦い方に合わせて戦闘方法を変えたみたいだ。
……魔石が僕を見て笑ってる。魔石の近くにいるラカムタさん達は魔石の笑いを止めようと攻撃を加えるが、ゴムのようになった黒い水がことごとく遮られ効かない。魔石の笑が深くなっていく。
「ギィッ!!」
魔石が奇声をあげるとまとっている黒い水がビュルンって震えて、前世でいうウニみたいに鋭い棘が何本も飛び出しみんなを突き刺そうとした。
「危ねえ!!」
「全員、回避重視で動け!!」
「ギィ……」
魔石はみんなに黒い水の刺が避けられたのを確認すると飛び出したままにして、触手のようにウネウネと動かし近くにいるものをからめ取ろうとする。
「……しまっ!!」
「ギィイイ」
青の一人が魔石の黒い水の触手に捕まる。魔石は黒い水の触手をさらに何重にもからませ青の竜人が動けなくなると、自分の前に青の竜人を運びニタァって笑った。
「く、この離せ!!」
魔石は自分の目の前でもがく青の竜人を少しの間見ると洞のような目をガバッと拡げて暗い紫色の光を放ち、間近で魔石の目が発する光を見た青の竜人は意識を失くしたのか動かなくなる。魔石は動かなくなった青の竜人を捨てて、次の獲物をからめ取ろうと黒い水の触手を動かす。
みんなはどうにか魔石の触手を避けつつ魔石から解放された青の竜人を安全地帯まで移動させてようとしたけど、魔石から解放された青の竜人が不自然な動きで起き上がり魔石ではなくみんなに襲いかかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
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