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決戦にて 死んだふりと空間の穴の使い方
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爆散花の爆発はいまだに続いてるけど、僕は急いであいつの様子を把握するために使っていた界気化した魔力を、僕が世界樹に乗る前にみんながいた方へ動かす。
「まずい……、みんなの事を全く考えてなかった」
『あのもの相手にあれほど魔法を使ってしまうのは仕方ないが、例え周りを囲んで衝撃が拡がらないようにしていたとしてもやりすぎなのは否めないぞ』
「……そうだよね」
『まあ、ヤートと付き合いの長いもの達なら大丈夫だろう。それで見つかったのか?』
「今、探してるけど…………、良かった。みんな無事だった」
みんなは初めに探した場所にはいなくて、探索範囲を広げた結果、僕と世界樹からかなり離れた後方にいるのを見つけた。みんなの身体を調べてみても異常はない。気になるのは今現在もそれなりに地面が揺れているのに、みんなが落ち着いてる事。もしかしてけっこう前から避難してたの?
『やはり無事だったか。…………ほう、あの落ち着きようは、どうやらヤートが周りに影響を与える魔法を使うと予想していたようだな』
『あの黒のもの達は、主人が何かしようとしたら止めるというのを度々していました。今回も主人が天災のような大規模魔法を使うと考え、あらかじめ移動してたと思われます』
『ハッハッハ』
世界樹の乾いた笑い方が少しイラッとするけど、今回に関しては僕に非があるから納得しておくのと、みんなに謝るのは後だ。
「シール、世界樹」
『心得ています』
『爆発はおさまった。さて、あのものはどうなっているか……』
流れていた和やかな雰囲気は収まり、僕達は硬金樹根隔壁へ視線を戻す。…………硬金樹根隔壁の中からは何の音もしないな。
「界気化した魔力で中の様子を探ってみたけど、あいつはズタボロになっていてピクリとも動いてないよ。ただし、あいつ自身に界気化した魔力を流して記憶、思考、生きてるかを確認したわけじゃないからトドメを刺せたかはわからない。今なら界気化した魔力をあいつ自身へ通してみるのも有りだと思う」
『やめてください。このまま跡形もなく消し飛ばすのを推奨します』
『我も同意見だ。死にかけていようが得体の知れない存在の内側に触れるのは賛成できん』
「……わかった。それじゃあシールの意見でいこう。このまま攻め続けるね。緑よ。緑よ。繋がりをここに。力をここに。実をここに。循環をここに。加速をここに。励起をここに。臨界をここに。緑盛魔法・純粋なる深緑を纏う大浄化」
僕は硬金樹根隔壁の周りに深緑色の実を数十個出現させ、そのまま地面に落とした。すぐに地面に沈んだ実を起点に浄化が始まり地面を深緑色に光らせていく。そして浄化の光は硬金樹根隔壁も染めていったので、これによりあいつは蒸し焼きのように内部へも浄化の光が浸透する事になる。
『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼︎』
『フン、やはり死んだふりだったか』
『汚らわしい。存在も言動も全てがだ』
身体を内外を浄化されていくあいつの叫び声と硬金樹根隔壁の中でのたうちまわってる音が聞こえてきた。…………うん? 硬金樹根隔壁の中の空気が変わった? って、まずい!
「緑盛魔法・純粋なる深緑を纏う加護」
『キサマラゴトキニハ、ヤラレヌゾォッ‼︎ オアアアアアアアーーーーーーーーーー‼︎』
僕が障壁を張った次の瞬間、あいつの魔力が爆発的に高まり硬金樹根隔壁の側面を突進でぶち破って出てきて、僕達へ極太の光線を放ってきた。光線は問題なく障壁で空へ弾けたの良いとして、あれだけの余力を残してるとは思わなかったな。僕の失策だ。もっと動けないように魔槍を撃ち込むべきだったし、二重三重にして硬金樹根隔壁の強度を上げておくべきだった。しかも浄化の力を硬金樹根隔壁とその付近に集中させたせいで、あいつの突進で簡単に浄化圏外へ逃げられてしまった。
『逃がさん‼︎』
世界樹はあいつの光線が吐き終わると、トドメを刺すために接近していく。……何か気になるな。確かにあいつは硬金樹根隔壁を突進でぶち破った後は地面に転がり飛ぶ力もないようで、羽はちぎれてて身体もボロボロだ。それなのに僕は何が気になってる? …………あ、そうか。
「世界樹、止まって‼︎」
『どうし、何っ⁉︎』
僕の制止で世界樹が止まると、世界樹のすぐ目の前、正確に言えば、世界樹の頭に乗っている僕の目の前に空間の穴が開いた。すぐに世界樹は退がり、あいつから距離を取る。
『ヤート、どういう事だ? まさか……?』
「あいつの思考を読み取ったわけじゃない。あいつがボロボロなのに笑った気がしたから呼び止めただけ」
『何が目的だ?』
「たぶん僕とシールと世界樹の分断だね」
『だが、空間の穴は開けられなくなったはずだぞ‼︎』
「僕ができなくしたのは、境界を壊して世界の外へ出る空間の穴の事だよ」
『この世界の中で別の場所につなげるのは可能というわけか……』
あんなボロボロでも世界樹の言った事を実行する力は残してたらしい。……いや、あいつの力の総量を考えたら、僕だけが通れるような小さな穴を開けるのはほんの少しの力で済むのかもしれない。
『チッ……』
『……往生際の悪い』
『しぶといな』
「緑盛魔法・純粋なる深緑を纏う魔弾、純粋なる深緑を纏う魔槍」
『ムダダ‼︎』
やっぱり不用意にあいつに近づくのは危険だと判断して魔弾と魔槍を撃ち込んだけど、あいつが無数の空間の穴を開けて全てをどこかに流してしまった。こうなるといろいろな攻撃を試して、確実にあいつへ当てる方法を考えないといけないから厄介だね。それにあいつはあいつでどうにか回復をしようするはずだから、しばらくの間は状況が動かない。僕は、そう思っていた。でも……。
『ヌウウウウウッ‼︎』
『何だ? あのものは何を始めた?』
「自分の上に空間の穴を開けた?」
『狙いがわかりません』
僕達が、あいつの意図を読めずに警戒していると、あいつの頭上に開いた空間の穴から何人もの普人族が叫びながら落ちてきた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「まずい……、みんなの事を全く考えてなかった」
『あのもの相手にあれほど魔法を使ってしまうのは仕方ないが、例え周りを囲んで衝撃が拡がらないようにしていたとしてもやりすぎなのは否めないぞ』
「……そうだよね」
『まあ、ヤートと付き合いの長いもの達なら大丈夫だろう。それで見つかったのか?』
「今、探してるけど…………、良かった。みんな無事だった」
みんなは初めに探した場所にはいなくて、探索範囲を広げた結果、僕と世界樹からかなり離れた後方にいるのを見つけた。みんなの身体を調べてみても異常はない。気になるのは今現在もそれなりに地面が揺れているのに、みんなが落ち着いてる事。もしかしてけっこう前から避難してたの?
『やはり無事だったか。…………ほう、あの落ち着きようは、どうやらヤートが周りに影響を与える魔法を使うと予想していたようだな』
『あの黒のもの達は、主人が何かしようとしたら止めるというのを度々していました。今回も主人が天災のような大規模魔法を使うと考え、あらかじめ移動してたと思われます』
『ハッハッハ』
世界樹の乾いた笑い方が少しイラッとするけど、今回に関しては僕に非があるから納得しておくのと、みんなに謝るのは後だ。
「シール、世界樹」
『心得ています』
『爆発はおさまった。さて、あのものはどうなっているか……』
流れていた和やかな雰囲気は収まり、僕達は硬金樹根隔壁へ視線を戻す。…………硬金樹根隔壁の中からは何の音もしないな。
「界気化した魔力で中の様子を探ってみたけど、あいつはズタボロになっていてピクリとも動いてないよ。ただし、あいつ自身に界気化した魔力を流して記憶、思考、生きてるかを確認したわけじゃないからトドメを刺せたかはわからない。今なら界気化した魔力をあいつ自身へ通してみるのも有りだと思う」
『やめてください。このまま跡形もなく消し飛ばすのを推奨します』
『我も同意見だ。死にかけていようが得体の知れない存在の内側に触れるのは賛成できん』
「……わかった。それじゃあシールの意見でいこう。このまま攻め続けるね。緑よ。緑よ。繋がりをここに。力をここに。実をここに。循環をここに。加速をここに。励起をここに。臨界をここに。緑盛魔法・純粋なる深緑を纏う大浄化」
僕は硬金樹根隔壁の周りに深緑色の実を数十個出現させ、そのまま地面に落とした。すぐに地面に沈んだ実を起点に浄化が始まり地面を深緑色に光らせていく。そして浄化の光は硬金樹根隔壁も染めていったので、これによりあいつは蒸し焼きのように内部へも浄化の光が浸透する事になる。
『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼︎』
『フン、やはり死んだふりだったか』
『汚らわしい。存在も言動も全てがだ』
身体を内外を浄化されていくあいつの叫び声と硬金樹根隔壁の中でのたうちまわってる音が聞こえてきた。…………うん? 硬金樹根隔壁の中の空気が変わった? って、まずい!
「緑盛魔法・純粋なる深緑を纏う加護」
『キサマラゴトキニハ、ヤラレヌゾォッ‼︎ オアアアアアアアーーーーーーーーーー‼︎』
僕が障壁を張った次の瞬間、あいつの魔力が爆発的に高まり硬金樹根隔壁の側面を突進でぶち破って出てきて、僕達へ極太の光線を放ってきた。光線は問題なく障壁で空へ弾けたの良いとして、あれだけの余力を残してるとは思わなかったな。僕の失策だ。もっと動けないように魔槍を撃ち込むべきだったし、二重三重にして硬金樹根隔壁の強度を上げておくべきだった。しかも浄化の力を硬金樹根隔壁とその付近に集中させたせいで、あいつの突進で簡単に浄化圏外へ逃げられてしまった。
『逃がさん‼︎』
世界樹はあいつの光線が吐き終わると、トドメを刺すために接近していく。……何か気になるな。確かにあいつは硬金樹根隔壁を突進でぶち破った後は地面に転がり飛ぶ力もないようで、羽はちぎれてて身体もボロボロだ。それなのに僕は何が気になってる? …………あ、そうか。
「世界樹、止まって‼︎」
『どうし、何っ⁉︎』
僕の制止で世界樹が止まると、世界樹のすぐ目の前、正確に言えば、世界樹の頭に乗っている僕の目の前に空間の穴が開いた。すぐに世界樹は退がり、あいつから距離を取る。
『ヤート、どういう事だ? まさか……?』
「あいつの思考を読み取ったわけじゃない。あいつがボロボロなのに笑った気がしたから呼び止めただけ」
『何が目的だ?』
「たぶん僕とシールと世界樹の分断だね」
『だが、空間の穴は開けられなくなったはずだぞ‼︎』
「僕ができなくしたのは、境界を壊して世界の外へ出る空間の穴の事だよ」
『この世界の中で別の場所につなげるのは可能というわけか……』
あんなボロボロでも世界樹の言った事を実行する力は残してたらしい。……いや、あいつの力の総量を考えたら、僕だけが通れるような小さな穴を開けるのはほんの少しの力で済むのかもしれない。
『チッ……』
『……往生際の悪い』
『しぶといな』
「緑盛魔法・純粋なる深緑を纏う魔弾、純粋なる深緑を纏う魔槍」
『ムダダ‼︎』
やっぱり不用意にあいつに近づくのは危険だと判断して魔弾と魔槍を撃ち込んだけど、あいつが無数の空間の穴を開けて全てをどこかに流してしまった。こうなるといろいろな攻撃を試して、確実にあいつへ当てる方法を考えないといけないから厄介だね。それにあいつはあいつでどうにか回復をしようするはずだから、しばらくの間は状況が動かない。僕は、そう思っていた。でも……。
『ヌウウウウウッ‼︎』
『何だ? あのものは何を始めた?』
「自分の上に空間の穴を開けた?」
『狙いがわかりません』
僕達が、あいつの意図を読めずに警戒していると、あいつの頭上に開いた空間の穴から何人もの普人族が叫びながら落ちてきた。
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