「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。」

はっけよいのこっ太郎

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文化祭編

11話 「親友ポジはリア充ライフの夢を見る」

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ついに文化祭当日になった。

俺は今日まで悩みに悩んだ。
まず、朝比奈あさひな先輩、もえ、どっちを見に行くかだ。
文化祭は2日もやるのでどうにか回れないかと思ったが先輩も萌も2日目が出番らしい。
そして逆に言えば1日目は2人とも割と空いていてどっちにも一緒に回ろうと誘われた。

俺はいつから、こんなに贅沢な悩みを手にしていたのだろうか
まずは今日のことを考えよう。
自分の喫茶店の仕事もあるからなんとかしたいが、つばさ栞菜かんなに協力して貰ってなんとかしよう。
足取りは重くもしっかりと学校へ向かうのであった。

「おはよう栞菜!」

「おはよ~ゆうくん!」

「ついに今日だね~文化祭」

「初日は学校内だけだからそこまで忙しくないと思うけど、適度に頑張ろ~ね~」

「そうだな!部活の方は大丈夫なのか?」

「うん~部活は上手いこと回すけど割とお菓子研究茶道部も忙しいんだよね~」

「あんま、無理すんなよ!」

なんだか栞菜に頼むのは躊躇ちゅうちょしてしまった‥

「おはよう翼、今日さ朝比奈先輩と萌、2人にまわろうって誘われちゃったんだけど、どうするべきだと思う?」

「おはよ!優希、明日のことだけじゃなくて今日も一大事って感じだな‥ってかそれ俺に聞く事か?」

「そうだよな‥影分身の術ってどうやるんだ?」

「お前、ボケなのかマジなのか分からないけど相当参ってるな!それならいっそ3人でまわれば良いじゃん!な~んて!」

「そっか!その手があったか!!お前さては、天才だな?」

「いや、冗談だぞ?それに2人がそれ許す訳ない‥」

「ちょっと2人に言ってくるわ!」

流石、翼だ!別に友達なんだからコソコソする必要もないしな!

.
.
.

「すいません2人とも来てもらって!」

「今日の事決まった??」

「優希はどうするんですか?」

「あの、3人でまわりませんか?」

「え??」

「優希‥それ本気ですか?」

「萌だって友達欲しいって言ってたし、先輩だって俺の妹みて後輩ってやっぱ可愛い!って言ってたじゃないですか??!!」

いや、正直俺だって中々の暴論だと思ってる。
でもこの大嵐きんしカードにはこんぐらいの突破口がなきゃダメなんだ!

「2人ともダメですかね?」

「はぁ‥もう優希くんの意見に賛成する以外なさそね‥」

「まあ私は先輩とまわれるならそれで良いです!」

こうして午後から俺、朝比奈先輩、萌の3人で文化祭を回る事が決定した。

.
.
.

日向ひなた先輩お久しぶりです!」

「あら、今井いまい君じゃない?」

「朝比奈先輩大丈夫でした?優希が相当すげぇ事言ったみたいで‥」

「そうね、まあでも後輩ちゃんなんて眼中にないって言ってたわよ。」

「なら、良かった?んですかね、先輩あの、暇だったら喫茶店遊び来て下さいね!」

「今日は午後から私がジュリエットやるから午前中空いてたから行くわ!」

「是非、お願いします!」 


《ピンポンパンポーン!!》

「それではこれから、第53回裏原高等学校の文化祭を開催します!!」


ついに、各々おのおのの文化祭が始まる‥
今思えば、これが無かったら今の俺は何も変わらなかっただろう‥

.
.
.

午前中はクラスの喫茶店をやる事になってる。

翼も栞菜も午前中は休みなので俺1人だ
あんまりクラスに友達いないんだよなぁ‥

新川しんかわ君、その服似合ってるね!」

クラスの女子だ確か、衣装担当をしてた子だったような。

「あ、ありがとう。」

「意外と新川君って身長高いし、今井君ともよく一緒に居るから、よくお世話になってるよ。」

お世話ってなんだ

「どっちが攻めでどっちが受けなの?」

なんの話をしてるんだ‥

「ちょっと、あんた新川君に迷惑かけないの」

「ごめんよ~こっちの話だから!今日頑張ろうね!」

クラスの女子の話にはついていけないな。

「でも新川っていつも今井とか小山田おやまださんと一緒に居るからそんなに話す事ないよな。」

そう話しかけてきたのは我がクラスのキングオブリア充オブヒエラルキー最上位男の櫻井さくらい君だ。

「まあなんとなくクラスで浮いてる訳じゃないんだけど、つい仲良い人と話しがちだよね。」

「まあこれを機に仲良くなろうぜ!」

この男は本当に優男やさおだ。

「まあでも噂だと朝比奈先輩とか軽音部の後輩とかにちょっかいかけてるって話だけどな!」

「別にちょっかいかけてる訳じゃないんだけど‥」

「お前案外面白いやつなのかもな!」

正直俺がこの手の人と話さないのか過去のトラウマが関係していると思う。

「さあ文化祭盛り上げてこうぜ!!喫茶店、みんなで良い思い出にしよう!」

櫻井君の掛け声でクラスのみんなの士気は上がった

「兄貴~遊びきてやったぞ!」

「こんにちはお兄さん」

いきなりやってきたのは妹のまいと友達の小沢美羽おざわみうさんだった。

「いらっしゃい、好きな席座って良いぞ」

「えーと翼君は?」

「あいつは午後の担当だから今は居ないぞ‥」

「え、うそぉ、帰ろっかな‥」

「おいおい、せっかく来たんだから少しはもてなすぜ。」

「美羽どうしよっか!」

「せっかくだし入ってこうか。」

「なら良かった、とりあえず飲み物出すから好きなの選んで!舞はミルクティーか?」

「よくわかってんじゃん!」

「あ、じゃ、私も同じので」

「了解、作ってくるから待ってて」

ミルクティーを持ってくる間に俺の妹という事で人だかりができていた。

「家だとお兄さんってどんな感じなの?」

「新川って妹居たんだな。」

「お兄ちゃんに似てなくて可愛いね!」

おいおい好き放題みんな言いやがって。

「みんな、とりあえず妹絡むのやめろ~」

「なーんだもう少し色々聞きたかったのに!」などとクラスみんなが愚痴をこぼしながら散らばっていった。

「兄貴ってクラスだとどんな立ち位置な訳?」

「うーん、別に目立ちもしない普通の奴じゃねぇのかな?」

「だとしたら、午後気をつけなさいよ、萌ちゃんと朝比奈先輩と回るんでしょ?最悪殺されるぐらい覚悟持ちなよ?」

「まあ確かにそうかもな‥」

こうしてミルクティーを飲み干した2人は足早に喫茶店から出て行った。

「明日も午後に翼居るから間違えるなよ~」

「わかった!絶対行く!」

「あ、あのありがとうございました。」

その後もちらほら客が来て少し忙しさもあったがついにこの時を迎えたのであった。

「優希、お疲れ!じゃ、午後から交代なんであとは任せて!」

「優ちゃん別にクラスに遊びきて良いんだからね~」

「わかったよ、ありがとう、じゃ午後よろしく」

こうして1日目の午後を迎えるのであった。

続く
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