「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。」

はっけよいのこっ太郎

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文化祭編

12話 「新川くんはコーラ瓶のなか」

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文化祭1日目の午後
俺は2人と待ち合わせをした。

「お待たせ優希ゆうきくん、早速いきましょうか!」

「優希、お待たせしました‥」

これから俺は朝比奈あさひな先輩ともえと2人で文化祭をまわるのだ
これは紛れもない現実である。

「では!早速行きましょう!」

もうどうにでもなれと言ったところか‥

「おいおい、誰だあいつ朝比奈さんと1年の子連れてる男がいるぞ?」

早乙女さおとめさんってやっぱ先輩狙ってたんだ~でもなぜか朝比奈先輩も隣にいるような‥」

「おいおい、新川しんかわの野郎が朝比奈先輩と早乙女って1年の子と文化祭まわってるぞ‥」


周りの視線が、噂話が、いや、もはや今日の文化祭をこの俺らの奇妙な3人組の話題でいっぱいになっている。

「ど、どっか行きたいところあります?」

「私は2-Cに行きたいです!!」

「早乙女さん??今、優希君は私に聞いてたのよ?」

「朝比奈先輩、あのですね、今のはぜっっったい私に聞いてましたよ?そうですよね?優希?」

うん。今にでも逃げ出したい。
いや贅沢な悩みだよな‥

「わ、わかりましたじゃまず、先輩が行きたい所行って、萌が行きたいところ行きましょうか!」

「てか、優希君さ!」

「は、はい!!」

「私の事、風夏って呼んでって言ったと思ったんだけどぉ??」

「あ、」

「朝比奈先輩って案外”大人げ”無いんですね~」

「言ってくれるじゃない‥生意気な後輩め‥」

ダメだ、まるで水と油だ
これはまいと萌の2人よりも相性悪いんじゃ‥

「とりあえず!風夏先輩も萌も落ち着いてくれ~!」

「そもそもね、優希君が優柔不断でどっちにも決められないから、今こうなってるのよ?」

「そうですよ!大人しく私とまわるからこんな先輩なんて無視しとけば良かったんですよ!!」

気がついたら怒りの矛先が俺に向かっていた‥

「わかった!今日これから早乙女さんと2人で行ってきて明日の午後は私の劇見に来れば良いじゃない!」

「いや、だったらこれからの優希は譲りますので明日の午後はライブ見にきてください!」

「とりあえず、それはまだ考え中なのでとりあえず今は3人で周りましょうよ‥」

これじゃ、どのクラスにも入れない‥

「まあ明日の事を最後に決めるのは優希君だしね‥まずは今日楽しみましょうか、まずは私の行きたいところ行きましょう!」

こうして我々3人が向かったのは3-Dの”お化け屋敷だった。

「優希~私暗いところ苦手なんですけど‥」

「じゃ、あんたは外で待ってれば良いじゃない?優希君と2人で行ってくるから。」

「萌、怖いならあんま無理しなくて良いぞ?」

「何言ってるんですか!行くに決まってるじゃないですか!!!」

まあ、文化祭レベルのお化け屋敷なんて全く怖くないんだよな‥

「ちょっと、優希くん居るよね~??」

「ぷぷ、朝比奈先輩、怖いなら外で待ってて良いんですよ??」

「うるさいわね!!」

「ちょっと、お化け屋敷の中でも喧嘩しないでくださいよ!」

実際怖いのか分からないが風夏先輩も萌も俺の腕にしがみついている。

「う‥しい」

「うら‥しい」

「ん?お化けか?」

「羨ましいいいいいいい!!!!」

「ぎゃー!優希、走って!!!」

「優希君、お化けだよ~!!」

これはもうおばけでもなんでもないただ両手に花の俺を恨んだ男子高校の怨念だ。
なんだろう申し訳ない。
ごめんなさい3年の先輩

「とりあえず、落ち着いてゴール目指しますよ!」

無事に俺らはお化け屋敷から出る事ができた‥

「優希~怖かったですよ~!!」

「優希君怖かったね‥」

いや、そんな事はなかったぞ?
だが、今日のこの光景を見た男子達から何されるか分からないって点だけはかなりの恐怖を感じた。

「まあでもクオリティ高かったですね!」

「優希、次私の行きたいところ行きましょう!」

「萌は2-Cだっけ?」

「はい、唯一私が部活で仲良くしてる先輩がいるので挨拶行きたくて。」

「あんた、友達居たんだ。」

「朝比奈先輩、言って良いことと、悪いことありますよ~」

「萌は今頑張ってるもんな!」

「はい!」

俺らは2-Cに向かった。
2-Cは”ハイパー縁日”というとりあえずな名前の縁日をやってるらしい‥

「寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!ハイパー縁日だよ~」

菊池きくち先輩~会いにきました!!」

「お~萌ちゃん来てくれたのか!!」

「萌の知り合いって菊池なのか!」

この元気ハツラツで誰よりもショートヘアーが似合う彼女は菊池亜衣きくちあいこの学校では珍しく同じ中学の奴だ。

「まさか新川と萌が知り合いとはね!しかもマドンナ朝比奈先輩まで居るとは、萌、もしかしてレンタル友達とか利用したのかい??」

「違いますよ!優希は大切な友達で朝比奈先輩は付いてきてるだけです。」

「早乙女さん?あんた、さっきからね~」

「朝比奈先輩、萌ちゃんは素直じゃないだけで本当は仲良くなりたいと思ってるよ!」

「ちょっと、菊池先輩~」

「ふ~ん、全く素直じゃないんだから!」

それが本当なら喜ばしい事だ。

「てか、優希と菊池先輩は知り合いなんですか?」

「私達、中学同じだったのよ!まあそこまで仲良しって訳ではないけど中3の頃クラス同じでその時は結構話したよね?」

「そうだったね、2人ともどこの学校行くとか知らなかったから入学式で会った時はびっくりしたよ!」

「あんな事があってから新川暗くて、朝比奈先輩に可愛い後輩を連れて歩いてる2年が居るって噂聞こえてきたけどまさか新川だったとはね!意外だったよ~!」

「それは俺が1番びっくりしてるからな!」

菊池は過去のトラウマにはそのまで関わりが無いがきっと知ってるのだろう。それでも干渉して来ないのは彼女の優しさなのだろうか。

「まあ皆さんせっかく来たんだし、ハイパーヨーヨーすくい、ハイパー射的、ハイパーたこ焼きとか色々あるんで遊んでってくださいな!!」

結局ハイパーと名付けただけで基本は普通の縁日だったが2-Cの生徒はみんな元気さが凄く2-Aとは違う雰囲気で楽しかった。

「なんだかんだで楽しんじゃいました。」

「いや~優希君ヨーヨー取りすぎだよ!!」

「なんか取るたびに”ハイパー”って言ってくれるのがツボで!」

もう少しで文化祭1日目が終わる。
その前に話しておこう

「2人に話があるんですけど、ちょっと良いですか?」

これから俺は2人に”過去のトラウマ”について話そうと思っていたのであった。

続く
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