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文化祭編
15話「とらうま おかえり」
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これは
新川優希と有栖桃花の過去。
「ちょっと、何よこれ。」
少し遅れて登校してきた桃花がやってきた。
「おはよう、桃花!昨日の話ほんとウケたわ~」
「ちょっと、優くん、これは‥」
「桃花‥いや、有栖さん気持ちわかったよ。今までありがとう。」
「違うの!」
「もういいよ!!俺が間違ってたよ、浮かれてただけだから、もう話しかけないでくれよ‥」
これは悲恋と呼ぶにも情けない俺が1人浮かれただけの話である。
その日からおしゃれをする事もギターも全部、全部捨ててしまったのである。
残りの中学生活はあまり俺の記憶にもない。
しかし覚えている事もある。
自分から突き放してしまったのに翼と舞は相変わらず優しくしてくれた。
あれが無かったら俺は高校にも行かない最低な人間になっていただろう。
そしてその中でも人間関係に絶望してた俺を救ってくれた人はもう1人いる。
だが、不思議な事に名前すら思い出せないのだ。
確か、ポニーテールにメガネだったような‥
彼女は多分クラスも違かったのに俺に優しくしれた。
「新川くんは背伸びしすぎただけなんじゃないかな?」
そんな事を言われた気もする。
同い年だったのか、先輩、後輩なのかも覚えてない。
今もし会えるのらば感謝したい、その程度じゃ済まないぐらい彼女には感謝している
こうして俺は翼や舞、その人のおかげでなんとか少しずつ頑張ってみようと思って今に至るのだ。
.
.
.
「まあ、それが俺の過去のトラウマです。すいません、長話してしまって。」
すっかり過去の話を長々と話してしまった。
「あの、その、話してくれてありがとうございます。」
「優希くんにそんな過去があったのね‥」
分かってはいたが、すごく暗い雰囲気になってしまった。
「あ、あのでも今は2人に出会えたおかげで、少しずつ前を向けるようになりました。本当、風夏先輩も萌もありがとう。」
少し泣きそうになった。
いや、嘘だ。本当は大泣きしていた
こんな出会って間もない俺の気持ちをぶちまけて泣くなんて情けない。
「大丈夫だよ。優希くん、みんな優希くんの事好きだから、大切だからそばに居るんだよ。」
「そうですよ!!朝比奈先輩も優しいし、その、私たちめちゃくちゃ仲良いですもんね!」
相変わらず困ると訳がわからなくなる萌に今は素直に救われた。
「あの、2人とも、本当にありがとうございます。」
「こちらこそありがとう。ちゃんと話してくれて。」
「ありがとうございます。」
そう言って2人は俺の事を抱きしめた。
もう過去は捨てよう。俺は変わるんだ。
もう昔みたいにはならない
そう言って俺はついに過去のトラウマと決別する一歩を踏み出したのであった。
「それで、あのわがままってわかってるんですけど、明日の文化祭は萌の演奏見に行った後すぐ風夏先輩の劇見に行くんで、それで許してください!」
「仕方ないな~優希くんって本当いつもそうなんだから。」
「嫌ですけど、最悪1番だけ聴いて劇見に行っても良いんですからね??」
2人の優しさが痛いほど胸に刺さる。
「ほんとすいません。」
「優希くん、謝るのはナシだよ。それよりありがとうって言われる方が嬉しいんだからね?」
「そうですよ~朝比奈先輩でも良い事言えるんですね!」
「あのねぇ~」
俺が出会ったのがこの2人で良かった。
過去の自分よ、未来の俺は笑えてるぞ
良かったな、本当に。
こうして波乱ありまくりの文化祭1日目が終了した。
.
.
.
「ただいま~」
「おかえり兄貴!」
「文化祭、お前のクラスはそういえば何やってるんだ?」
「私のクラスはメイド、執事喫茶だよ!兄貴は絶対来んなよ?」
「そっか、それなら萌もメイド服を‥」
いかん、ついつい変な事を考えてしまった。
「兄貴やっぱキモい??」
「今のは流石にな!」
「キモ~、でもなんかさ‥」
「ん?」
「兄貴なんか最近笑顔増えたよね?朝比奈先輩と出会った辺りからさ?」
「そうかもな‥」
「なんかやっぱ兄貴が鼻の下伸ばしてるところ考えただけでキモいわ‥」
「あのなぁ~」
「ちなみに、兄貴は萌ちゃんと朝比奈先輩、どっちの事が好きなの?」
「え??」
「いや、え?じゃなくてさ!もしかして兄貴高2にもなってどっちも友達だからおててつないで仲良くいきましょうとか考えてる訳じゃないよね??」
「いや、そんな事ないけど」
「仮に、どっちにも告白されたらあんたはどっちかと付き合う訳?それとも今みたいにこれからもずっと中途半端にたぶらかせる生活する気?兄貴たまにそういうヤバいところあるからな~」
「お前!そこまで言わなくてもいいだろ~」
だが、翼の親友ポジションになりたかったり過去のトラウマの事ばかり考えたからな。自分が彼女を作るなんて事は考えてなかったな‥
俺は今誰かのことを好きなのだろうか
「女としては中途半端にされる事が1番辛いからね~じゃ、私明日も早いから寝る~おやすみ~」
まさか妹からこんな考えさせられる事を言われるとはな。
また明日の文化祭もなんだか落ち着かなそうだなぁ
そんなとを考えながら眠る事にした。
.
.
.
「‥かわ君?」
「んかわ君?」
「新川君?」
「あ、すいません寝てしまってました!」
「あなたは本当に素直ね、」
「あの‥さん」
頭では名前は覚えてるはずなのに出てこない。
目の前には中学時代に絶望から救ってくれた女の子がいた。
「どうしたの?新川君?」
「いや何でもないです‥さん」
「最近あなたは無理しすぎよ。また昔みたいに心を閉ざしてしまう時が来てしまうかもしれないのに。」
聖母のような優しさで、包み込まれるように抱きしめられた。
「‥さん!」
「そんな時はまた、私が助けてあげるわね。」
「‥さん!‥さん!‥さん!!!!」
「ハッ!夢か、良い夢ほど起きた時に儚いものだ‥」
朝か、何だか不吉な夢も気がするけどこうして
俺の文化祭2日目が始まる。
ー続くー
新川優希と有栖桃花の過去。
「ちょっと、何よこれ。」
少し遅れて登校してきた桃花がやってきた。
「おはよう、桃花!昨日の話ほんとウケたわ~」
「ちょっと、優くん、これは‥」
「桃花‥いや、有栖さん気持ちわかったよ。今までありがとう。」
「違うの!」
「もういいよ!!俺が間違ってたよ、浮かれてただけだから、もう話しかけないでくれよ‥」
これは悲恋と呼ぶにも情けない俺が1人浮かれただけの話である。
その日からおしゃれをする事もギターも全部、全部捨ててしまったのである。
残りの中学生活はあまり俺の記憶にもない。
しかし覚えている事もある。
自分から突き放してしまったのに翼と舞は相変わらず優しくしてくれた。
あれが無かったら俺は高校にも行かない最低な人間になっていただろう。
そしてその中でも人間関係に絶望してた俺を救ってくれた人はもう1人いる。
だが、不思議な事に名前すら思い出せないのだ。
確か、ポニーテールにメガネだったような‥
彼女は多分クラスも違かったのに俺に優しくしれた。
「新川くんは背伸びしすぎただけなんじゃないかな?」
そんな事を言われた気もする。
同い年だったのか、先輩、後輩なのかも覚えてない。
今もし会えるのらば感謝したい、その程度じゃ済まないぐらい彼女には感謝している
こうして俺は翼や舞、その人のおかげでなんとか少しずつ頑張ってみようと思って今に至るのだ。
.
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「まあ、それが俺の過去のトラウマです。すいません、長話してしまって。」
すっかり過去の話を長々と話してしまった。
「あの、その、話してくれてありがとうございます。」
「優希くんにそんな過去があったのね‥」
分かってはいたが、すごく暗い雰囲気になってしまった。
「あ、あのでも今は2人に出会えたおかげで、少しずつ前を向けるようになりました。本当、風夏先輩も萌もありがとう。」
少し泣きそうになった。
いや、嘘だ。本当は大泣きしていた
こんな出会って間もない俺の気持ちをぶちまけて泣くなんて情けない。
「大丈夫だよ。優希くん、みんな優希くんの事好きだから、大切だからそばに居るんだよ。」
「そうですよ!!朝比奈先輩も優しいし、その、私たちめちゃくちゃ仲良いですもんね!」
相変わらず困ると訳がわからなくなる萌に今は素直に救われた。
「あの、2人とも、本当にありがとうございます。」
「こちらこそありがとう。ちゃんと話してくれて。」
「ありがとうございます。」
そう言って2人は俺の事を抱きしめた。
もう過去は捨てよう。俺は変わるんだ。
もう昔みたいにはならない
そう言って俺はついに過去のトラウマと決別する一歩を踏み出したのであった。
「それで、あのわがままってわかってるんですけど、明日の文化祭は萌の演奏見に行った後すぐ風夏先輩の劇見に行くんで、それで許してください!」
「仕方ないな~優希くんって本当いつもそうなんだから。」
「嫌ですけど、最悪1番だけ聴いて劇見に行っても良いんですからね??」
2人の優しさが痛いほど胸に刺さる。
「ほんとすいません。」
「優希くん、謝るのはナシだよ。それよりありがとうって言われる方が嬉しいんだからね?」
「そうですよ~朝比奈先輩でも良い事言えるんですね!」
「あのねぇ~」
俺が出会ったのがこの2人で良かった。
過去の自分よ、未来の俺は笑えてるぞ
良かったな、本当に。
こうして波乱ありまくりの文化祭1日目が終了した。
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「ただいま~」
「おかえり兄貴!」
「文化祭、お前のクラスはそういえば何やってるんだ?」
「私のクラスはメイド、執事喫茶だよ!兄貴は絶対来んなよ?」
「そっか、それなら萌もメイド服を‥」
いかん、ついつい変な事を考えてしまった。
「兄貴やっぱキモい??」
「今のは流石にな!」
「キモ~、でもなんかさ‥」
「ん?」
「兄貴なんか最近笑顔増えたよね?朝比奈先輩と出会った辺りからさ?」
「そうかもな‥」
「なんかやっぱ兄貴が鼻の下伸ばしてるところ考えただけでキモいわ‥」
「あのなぁ~」
「ちなみに、兄貴は萌ちゃんと朝比奈先輩、どっちの事が好きなの?」
「え??」
「いや、え?じゃなくてさ!もしかして兄貴高2にもなってどっちも友達だからおててつないで仲良くいきましょうとか考えてる訳じゃないよね??」
「いや、そんな事ないけど」
「仮に、どっちにも告白されたらあんたはどっちかと付き合う訳?それとも今みたいにこれからもずっと中途半端にたぶらかせる生活する気?兄貴たまにそういうヤバいところあるからな~」
「お前!そこまで言わなくてもいいだろ~」
だが、翼の親友ポジションになりたかったり過去のトラウマの事ばかり考えたからな。自分が彼女を作るなんて事は考えてなかったな‥
俺は今誰かのことを好きなのだろうか
「女としては中途半端にされる事が1番辛いからね~じゃ、私明日も早いから寝る~おやすみ~」
まさか妹からこんな考えさせられる事を言われるとはな。
また明日の文化祭もなんだか落ち着かなそうだなぁ
そんなとを考えながら眠る事にした。
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「‥かわ君?」
「んかわ君?」
「新川君?」
「あ、すいません寝てしまってました!」
「あなたは本当に素直ね、」
「あの‥さん」
頭では名前は覚えてるはずなのに出てこない。
目の前には中学時代に絶望から救ってくれた女の子がいた。
「どうしたの?新川君?」
「いや何でもないです‥さん」
「最近あなたは無理しすぎよ。また昔みたいに心を閉ざしてしまう時が来てしまうかもしれないのに。」
聖母のような優しさで、包み込まれるように抱きしめられた。
「‥さん!」
「そんな時はまた、私が助けてあげるわね。」
「‥さん!‥さん!‥さん!!!!」
「ハッ!夢か、良い夢ほど起きた時に儚いものだ‥」
朝か、何だか不吉な夢も気がするけどこうして
俺の文化祭2日目が始まる。
ー続くー
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