「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。」

はっけよいのこっ太郎

文字の大きさ
19 / 69
文化祭編

15話「とらうま おかえり」

しおりを挟む
これは
新川優希しんかわゆうき有栖桃花ありすももかの過去。

「ちょっと、何よこれ。」

少し遅れて登校してきた桃花がやってきた。

「おはよう、桃花!昨日の話ほんとウケたわ~」

「ちょっと、優くん、これは‥」

「桃花‥いや、有栖さん気持ちわかったよ。今までありがとう。」

「違うの!」

「もういいよ!!俺が間違ってたよ、浮かれてただけだから、もう話しかけないでくれよ‥」

これは悲恋と呼ぶにも情けない俺が1人浮かれただけの話である。

その日からおしゃれをする事もギターも全部、全部捨ててしまったのである。

残りの中学生活はあまり俺の記憶にもない。

しかし覚えている事もある。

自分から突き放してしまったのにつばさまいは相変わらず優しくしてくれた。
あれが無かったら俺は高校にも行かない最低な人間になっていただろう。

そしてその中でも人間関係に絶望してた俺を救ってくれた人はもう1人いる。
だが、不思議な事に名前すら思い出せないのだ。

確か、ポニーテールにメガネだったような‥
彼女は多分クラスも違かったのに俺に優しくしれた。

「新川くんは背伸びしすぎただけなんじゃないかな?」

そんな事を言われた気もする。
同い年だったのか、先輩、後輩なのかも覚えてない。
今もし会えるのらば感謝したい、その程度じゃ済まないぐらい彼女には感謝している

こうして俺は翼や舞、その人のおかげでなんとか少しずつ頑張ってみようと思って今に至るのだ。

.
.
.

「まあ、それが俺の過去のトラウマです。すいません、長話してしまって。」

すっかり過去の話を長々と話してしまった。

「あの、その、話してくれてありがとうございます。」

「優希くんにそんな過去があったのね‥」

分かってはいたが、すごく暗い雰囲気になってしまった。

「あ、あのでも今は2人に出会えたおかげで、少しずつ前を向けるようになりました。本当、風夏ふうか先輩も萌もありがとう。」

少し泣きそうになった。
いや、嘘だ。本当は大泣きしていた
こんな出会って間もない俺の気持ちをぶちまけて泣くなんて情けない。

「大丈夫だよ。優希くん、みんな優希くんの事好きだから、大切だからそばに居るんだよ。」

「そうですよ!!朝比奈あさひな先輩も優しいし、その、私たちめちゃくちゃ仲良いですもんね!」

相変わらず困ると訳がわからなくなる萌に今は素直に救われた。

「あの、2人とも、本当にありがとうございます。」

「こちらこそありがとう。ちゃんと話してくれて。」

「ありがとうございます。」

そう言って2人は俺の事を抱きしめた。

もう過去は捨てよう。俺は変わるんだ。
もう昔みたいにはならない

そう言って俺はついに過去のトラウマと決別する一歩を踏み出したのであった。

「それで、あのわがままってわかってるんですけど、明日の文化祭は萌の演奏見に行った後すぐ風夏先輩の劇見に行くんで、それで許してください!」

「仕方ないな~優希くんって本当いつもそうなんだから。」

「嫌ですけど、最悪1番だけ聴いて劇見に行っても良いんですからね??」

2人の優しさが痛いほど胸に刺さる。

「ほんとすいません。」

「優希くん、謝るのはナシだよ。それよりありがとうって言われる方が嬉しいんだからね?」

「そうですよ~朝比奈先輩でも良い事言えるんですね!」

「あのねぇ~」

俺が出会ったのがこの2人で良かった。

過去の自分よ、未来の俺は笑えてるぞ
良かったな、本当に。

こうして波乱ありまくりの文化祭1日目が終了した。

.
.
.

「ただいま~」

「おかえり兄貴!」

「文化祭、お前のクラスはそういえば何やってるんだ?」

「私のクラスはメイド、執事喫茶だよ!兄貴は絶対来んなよ?」

「そっか、それなら萌もメイド服を‥」

いかん、ついつい変な事を考えてしまった。

「兄貴やっぱキモい??」

「今のは流石にな!」

「キモ~、でもなんかさ‥」

「ん?」

「兄貴なんか最近笑顔増えたよね?朝比奈先輩と出会った辺りからさ?」

「そうかもな‥」

「なんかやっぱ兄貴が鼻の下伸ばしてるところ考えただけでキモいわ‥」

「あのなぁ~」

「ちなみに、兄貴は萌ちゃんと朝比奈先輩、どっちの事が好きなの?」

「え??」

「いや、え?じゃなくてさ!もしかして兄貴高2にもなってどっちも友達だからおててつないで仲良くいきましょうとか考えてる訳じゃないよね??」

「いや、そんな事ないけど」

「仮に、どっちにも告白されたらあんたはどっちかと付き合う訳?それとも今みたいにこれからもずっと中途半端にたぶらかせる生活する気?兄貴たまにそういうヤバいところあるからな~」

「お前!そこまで言わなくてもいいだろ~」

だが、翼の親友ポジションになりたかったり過去のトラウマの事ばかり考えたからな。自分が彼女を作るなんて事は考えてなかったな‥
俺は今誰かのことを好きなのだろうか

「女としては中途半端にされる事が1番辛いからね~じゃ、私明日も早いから寝る~おやすみ~」

まさか妹からこんな考えさせられる事を言われるとはな。

また明日の文化祭もなんだか落ち着かなそうだなぁ

そんなとを考えながら眠る事にした。

.
.
.

「‥かわ君?」

「んかわ君?」

「新川君?」

「あ、すいません寝てしまってました!」

「あなたは本当に素直ね、」

「あの‥さん」

頭では名前は覚えてるはずなのに出てこない。

目の前には中学時代に絶望から救ってくれた女の子がいた。

「どうしたの?新川君?」

「いや何でもないです‥さん」

「最近あなたは無理しすぎよ。また昔みたいに心を閉ざしてしまう時が来てしまうかもしれないのに。」

聖母のような優しさで、包み込まれるように抱きしめられた。

「‥さん!」

「そんな時はまた、私が助けてあげるわね。」

「‥さん!‥さん!‥さん!!!!」


「ハッ!夢か、良い夢ほど起きた時に儚いものだ‥」
朝か、何だか不吉な夢も気がするけどこうして
俺の文化祭2日目が始まる。


ー続くー
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...