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文化祭編
21話「有栖ちゃんのセーラー服」
しおりを挟む新川優希何度目かの人生やり直し‥そこで出会ったのは過去のトラウマ有栖桃花克服なるか‥
「あ、有栖さん。文化祭って?」
「あなたも記憶ない感じ?」
「え?」
「なんかおかしいのよね、なんか知ってる人がいてでもなんか知らない人が居るのよ。」
「それに、あの時あった優君は私と話す前に逃げたのよ。はっきり覚えてる。」
「それって俺が今悩んでるパラレルワールドに迷い込んだってのと同じなのかな?」
「ここはパラレルワールドって程ミステリー的なもんじゃないと思ってるんだけど?」
「でも、俺もなんか記憶が曖昧なんだよね。ごめん」
「とりあえず私は2年の時のあんたの文化祭に行ったのよ。そこで朝比奈風夏って人と早乙女萌って人と喧嘩したのよそれは覚えてる。でも、その後の、なんならミスコンの記憶とかが一切ないの。」
「その時って俺は有栖さんと一緒に居たのかな?」
「そこが曖昧なのよ。でも逆に言えば優君が思い出す事で何か扉が開く気がするのよね。」
「そ、そっか。」
「後何となく卑怯な気がするから全部は言わないけど、あんた勘違いしてるわよ。」
「え、勘違い?」
「あの日の事。」
「有栖さんの誕生日?」
「そう。あの日あんた私の言った言葉とかあの黒板の文字を見た後、私と話そうともしなかったでしょ。」
「ごめん、でも、」
「でもじゃないのよ、私は今でも大事にしてるのよ、これ」
そう言って彼女は俺に胸元の四つ葉のクローバーのネックレスを見せてきた。
「それって‥」
「まあ、そういう事だから、私だってあの時辛かったのよ‥」
そう言って有栖さんは俺の元を去っていった。
「でも、確かに萌って人と風夏先輩は初めましてって気がしなかったんだ、そこに答えがあるはず。」
そうして俺は矛盾する点をまとめていったのだ。
「まず、俺と風夏先輩の関係性、俺と萌の関係性、そしてまだまだなのに何となく思い出せる文化祭‥なにより、俺はその時皆んなと一緒に居なかった気がする‥俺はどこかで巻き戻されたのか、この人生を‥」
とりあえず今日は学校に行きずらいからまた、明日学校に行こう。
.
.
.
翌日、朝早く目覚めた俺は誰よりも早く学校へ向かった。
「流石にこの時間は誰も居ないな‥」
探したが俺の携帯は出てこなかった。
「おはよう、優希なんで昨日あの後居なくなったんだよ。」
「おう、翼ごめんな。なんか昨日からおかしい事だらけでよ!」
「確かにな、お前夢の話して自分から振ったのにその後何の話したいか忘れてたし‥」
夢‥そうだ何であの時夢の話をしたかったんだろうか
あれ、俺前に、良い夢ほど起きた時に儚いって思ったような‥
新川君‥
これだ‥俺が見た夢、中学の時に俺を助けてくれた人、そしてその人に実際会ったんだ文化祭で。
間違いない、この人に会えば思い出せるはず‥
「大丈夫か?優希?」
「翼、俺の中学時代のトラウマの事知ってるだろ?あの時に助けてくれた人が居るって話したよな?」
「またその人の話か‥だから何度も聞いたけどポニーテールでメガネの人なんて見た事ないぞ」
「そうだ、ポニーテールにメガネじゃなかった‥」
名前だ、名前それさえ思い出せれば‥
眠りから覚めるんだ
‥‥さん
「なんか夢に関わるような‥名前」
「バクとかか?」
「いや違う。もっと可愛い」
「眠り姫的な事か?白雪姫とか?」
完全に思い出したのだ
白雪、確かそう名乗っていたはず
その時何故かキスをした感触を思い出していた。
「そうだよ、翼!!白雪だ。わかった、ありがとう」
こうして俺は学校の色々な人に聞き回ったのだ。
もう少しで俺の謎が解けるはずだ。
.
.
.
コンコン
「失礼します。」
「誰?」
「俺ですよ、分かってるくせに新川優希ですよ。」
「知らない。」
「やめてくださいよ。白雪先輩‥いや、白雪雫。」
「どうやら思い出したようね。」
「話してください、俺は何で何度も何度も人生をやり直してるんですか?」
「それはちょっと違う。やり直しではないよ
私の場合完全にリセットしてるのよ。でも意外、なんで前の記憶がある訳?」
「それは俺にも分からないんです。でもこれだけは言えます。」
「なに?」
「もうこのリセットはやめます。」
「なんで?」
「俺の人生はゲームじゃないんですよ。」
「そうね。」
「だから、セーブもロードもいらないです。もちろん初期化も。」
「でもそれじゃダメなのよ。」
「何でですか?」
「だって!!!‥だって新川君が傷つく姿を私もう見たくないの、その気持ちがある時このリセットする力をくれたのよ。私が初めて新川君に文化祭でキスした時、私の記憶だけが残って何度もリセットしてきたの。でもこの力のせいであなたは私の事を忘れてしまうの。
でも新川君はもう頑張らないで良いって思うの。」
「それじゃダメなんですよ。雫のおかげで俺本当に助けられました。あのどん底から一回助けて貰った。それだけで良いんですよ、確かに辛い時は逃げたくなるし、俺が人付き合いを諦めてればきっともう悲しまなくてすむはずです。
それでも、それでも俺は前を向きたいんです。
お願いします、雫、元の世界に戻してください。」
「そんな事言ったって私の力はリセットするだけよ?」
「俺は変わるんだ、ごめんなさい先輩でも!!」
こうして俺は半強制的に雫にキスをした。
多分こういう気持ちで雫はいつもいつも助けてくれてたんだろう。
本当に頭が上がらないよな
ー続くー
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