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公爵城の改造計画と、消えた聖獣
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カン、カン、カン! と、朝の静寂を切り裂く高い金属音がノースガル公爵城に鳴り響いた。
アデリーンが目を覚まし、窓の外を確認すると、そこには昨日まではなかったはずの光景が広がっていた。
「……嘘でしょう?」
城の広大な裏庭。そこには、黄金の刺繍が入った作業着に身を包んだ数百人の職人たちが、蟻の列のように忙しなく動き回っていた。彼らが手にしているのは、ノースガル特産の黒石ではなく、陽光を反射して輝くルミナリス産の白大理石だ。
「おはよう、アデリーン。よく眠れたかい?」
回廊を歩けば、設計図を広げた三男ファビアンが爽やかな笑顔で手を振ってくる。
「お兄様、これは一体……?」
「ああ、昨夜言っただろう? アデリーン専用の離宮だよ。この城は少し……いや、かなり無骨すぎて、君の繊細な肌には刺激が強すぎる。だから、王国最高の建築家を呼んで、最新の魔導床暖房を完備した離宮を建てることにしたんだ。庭には冬でも枯れない魔法のバラ園も作る予定だよ」
「……この地の耐雪強度を無視した設計をするなと言っているだろうが!」
そこへ、怒鳴り声を上げて現れたのはゼノスだった。彼はマクシミリアンと設計図の両端を掴み合い、今にも破り捨てんばかりの形相で睨み合っている。
「公爵、これは妹の健康を守るための聖域だ。君の質素な美学に付き合わせるつもりはない」
「私の城に勝手に他国の石を積み上げるな! 雪崩が起きたらどうするつもりだ!」
「その時は、僕が魔導障壁を張るから問題ないよ」
次男シルヴェスターが平然と割り込み、空中に複雑な数式を投影し始めた。
アデリーンは、こめかみを押さえて溜息をついた。隣でマリエッタが「もはや公爵城の乗っ取り計画ね……」と呆れたように呟いている。
だが、そんな騒がしい日常の中で、アデリーンはある異変に気づいた。
「……あれ? スノウ、どこにいるの?」
いつもなら真っ先に足元へ駆け寄ってくる仔狼のスノウと、昨日助けた銀狐の姿が見当たらないのだ。彼らは建設の騒音を嫌って温室に隠れているのかと思ったが、温室の中はもぬけの殻だった。
(……精霊たちのざわめきが、下の方から聞こえるわ)
アデリーンは『調律』の感覚を研ぎ澄ませた。彼女の魂に共鳴する小さな命の鼓動が、城の深部――普段は誰も立ち入らない地下倉庫のさらに奥から微かに響いてくる。
「マリエッタ、地下へ行きましょう。あの子たちが迷い込んだみたい」
公爵城の地下深層。
ひんやりとした空気の中、アデリーンとマリエッタが魔法の灯りを頼りに進むと、そこには驚くべき光景が広がっていた。
広大な地下空間を埋め尽くしていたのは、兄たちが昨日運び込んだ「目録に載っていない」大量の荷物だった。
「クゥン、クゥン!」
荷物の影からスノウが飛び出してきた。銀狐もその隣で、何やら高価そうな布に包まれた箱を必死に鼻先で小突いている。
「もう、こんなところで何を……っ?」
アデリーンは言葉を失った。
箱から溢れ出していたのは、ルミナリスの国宝級の聖遺物や、失われたはずの古代の魔導具の数々だった。それらはすべて、持ち主の魔力を安定させ、心身の負荷を和らげる「触媒」としての機能を持つものばかりだった。
「……これは、あいつらの仕業か」
闇の中から低い声が響いた。
驚いて振り返ると、そこにはゼノスが一人で立っていた。彼は兄たちとの喧嘩を一時休戦し、人知れず地下へ降りて、運び込まれた荷物を一点ずつ点検していたようだった。
「ゼノス様、お兄様たちはなぜこんなものを……」
「……お前の力が『黒の沈黙』だとわかった時、あいつらは真っ先に、お前の体がその負荷に耐えられるかを心配したんだろう。……見てみろ、この首飾り一つで、並の魔導師なら一生遊んで暮らせる価値がある。すべて、お前の魔力を保護するための特級品だ」
ゼノスは癪そうに鼻を鳴らしたが、その手つきは驚くほど丁寧だった。
彼は兄たちを毛嫌いしているように見えて、実はアデリーンのためになるものなら、プライドを捨ててその真価を見極めようとしていたのだ。
「……あいつらは、お前を連れ戻すためではなく、お前がどこにいても『生き残れる』ように準備していたんだな。……癪だが、そこだけは認めてやってもいい」
ゼノスの不器用な優しさに、アデリーンの胸が熱くなる。
そこへ、地下の騒ぎを聞きつけたのか、兄三人が揃って姿を現した。
「見つかっちゃったかな。……本当は、離宮が完成した時のサプライズにするつもりだったんだけど」
シルヴェスターが少し照れくさそうに頭を掻いた。
「アデリーン、君の力はあまりにも尊く、そして残酷だ。……僕たちは、君がその力のせいで、二度とあの日(鑑定式の日)のように倒れる姿を見たくなかった。だから、世界中から君を守る『盾』を買い集めたんだよ」
兄たちの愛は、確かに重く、時には滑稽なほど過剰だ。
けれど、その根底にあるのは、ただひたすらに「妹の幸せ」を願う純粋な祈りだった。
「お兄様たち、ゼノス様……。ありがとうございます。私は、本当に幸せものですわ」
アデリーンは、スノウと銀狐を両脇に抱え、心からの笑顔を見せた。
ゼノスと兄たちは、互いにそっぽを向きながらも、アデリーンの笑顔を前にしては毒気を抜かれたように溜息をついた。
束の間の、平穏な夜。
だが、その静寂は、マリエッタが青ざめた顔で駆け込んできたことで再び破られた。
「アデリーン! 大変よ! 国境に、カスティア商会とは別の……もっと恐ろしい軍勢が現れたわ!」
「……何ですって?」
「『聖教国レオス』の紋章を掲げた白銀の騎士団よ! 彼らは……『公国に隠された偽りの聖女を、異端として審問する』と宣言しているわ!」
アデリーンの力が生み出した「最高純度の魔石」と「氷晶花の奇跡」。
その噂が、ついに大陸最大の宗教勢力という、最も厄介な敵を呼び寄せてしまった。
アデリーンが目を覚まし、窓の外を確認すると、そこには昨日まではなかったはずの光景が広がっていた。
「……嘘でしょう?」
城の広大な裏庭。そこには、黄金の刺繍が入った作業着に身を包んだ数百人の職人たちが、蟻の列のように忙しなく動き回っていた。彼らが手にしているのは、ノースガル特産の黒石ではなく、陽光を反射して輝くルミナリス産の白大理石だ。
「おはよう、アデリーン。よく眠れたかい?」
回廊を歩けば、設計図を広げた三男ファビアンが爽やかな笑顔で手を振ってくる。
「お兄様、これは一体……?」
「ああ、昨夜言っただろう? アデリーン専用の離宮だよ。この城は少し……いや、かなり無骨すぎて、君の繊細な肌には刺激が強すぎる。だから、王国最高の建築家を呼んで、最新の魔導床暖房を完備した離宮を建てることにしたんだ。庭には冬でも枯れない魔法のバラ園も作る予定だよ」
「……この地の耐雪強度を無視した設計をするなと言っているだろうが!」
そこへ、怒鳴り声を上げて現れたのはゼノスだった。彼はマクシミリアンと設計図の両端を掴み合い、今にも破り捨てんばかりの形相で睨み合っている。
「公爵、これは妹の健康を守るための聖域だ。君の質素な美学に付き合わせるつもりはない」
「私の城に勝手に他国の石を積み上げるな! 雪崩が起きたらどうするつもりだ!」
「その時は、僕が魔導障壁を張るから問題ないよ」
次男シルヴェスターが平然と割り込み、空中に複雑な数式を投影し始めた。
アデリーンは、こめかみを押さえて溜息をついた。隣でマリエッタが「もはや公爵城の乗っ取り計画ね……」と呆れたように呟いている。
だが、そんな騒がしい日常の中で、アデリーンはある異変に気づいた。
「……あれ? スノウ、どこにいるの?」
いつもなら真っ先に足元へ駆け寄ってくる仔狼のスノウと、昨日助けた銀狐の姿が見当たらないのだ。彼らは建設の騒音を嫌って温室に隠れているのかと思ったが、温室の中はもぬけの殻だった。
(……精霊たちのざわめきが、下の方から聞こえるわ)
アデリーンは『調律』の感覚を研ぎ澄ませた。彼女の魂に共鳴する小さな命の鼓動が、城の深部――普段は誰も立ち入らない地下倉庫のさらに奥から微かに響いてくる。
「マリエッタ、地下へ行きましょう。あの子たちが迷い込んだみたい」
公爵城の地下深層。
ひんやりとした空気の中、アデリーンとマリエッタが魔法の灯りを頼りに進むと、そこには驚くべき光景が広がっていた。
広大な地下空間を埋め尽くしていたのは、兄たちが昨日運び込んだ「目録に載っていない」大量の荷物だった。
「クゥン、クゥン!」
荷物の影からスノウが飛び出してきた。銀狐もその隣で、何やら高価そうな布に包まれた箱を必死に鼻先で小突いている。
「もう、こんなところで何を……っ?」
アデリーンは言葉を失った。
箱から溢れ出していたのは、ルミナリスの国宝級の聖遺物や、失われたはずの古代の魔導具の数々だった。それらはすべて、持ち主の魔力を安定させ、心身の負荷を和らげる「触媒」としての機能を持つものばかりだった。
「……これは、あいつらの仕業か」
闇の中から低い声が響いた。
驚いて振り返ると、そこにはゼノスが一人で立っていた。彼は兄たちとの喧嘩を一時休戦し、人知れず地下へ降りて、運び込まれた荷物を一点ずつ点検していたようだった。
「ゼノス様、お兄様たちはなぜこんなものを……」
「……お前の力が『黒の沈黙』だとわかった時、あいつらは真っ先に、お前の体がその負荷に耐えられるかを心配したんだろう。……見てみろ、この首飾り一つで、並の魔導師なら一生遊んで暮らせる価値がある。すべて、お前の魔力を保護するための特級品だ」
ゼノスは癪そうに鼻を鳴らしたが、その手つきは驚くほど丁寧だった。
彼は兄たちを毛嫌いしているように見えて、実はアデリーンのためになるものなら、プライドを捨ててその真価を見極めようとしていたのだ。
「……あいつらは、お前を連れ戻すためではなく、お前がどこにいても『生き残れる』ように準備していたんだな。……癪だが、そこだけは認めてやってもいい」
ゼノスの不器用な優しさに、アデリーンの胸が熱くなる。
そこへ、地下の騒ぎを聞きつけたのか、兄三人が揃って姿を現した。
「見つかっちゃったかな。……本当は、離宮が完成した時のサプライズにするつもりだったんだけど」
シルヴェスターが少し照れくさそうに頭を掻いた。
「アデリーン、君の力はあまりにも尊く、そして残酷だ。……僕たちは、君がその力のせいで、二度とあの日(鑑定式の日)のように倒れる姿を見たくなかった。だから、世界中から君を守る『盾』を買い集めたんだよ」
兄たちの愛は、確かに重く、時には滑稽なほど過剰だ。
けれど、その根底にあるのは、ただひたすらに「妹の幸せ」を願う純粋な祈りだった。
「お兄様たち、ゼノス様……。ありがとうございます。私は、本当に幸せものですわ」
アデリーンは、スノウと銀狐を両脇に抱え、心からの笑顔を見せた。
ゼノスと兄たちは、互いにそっぽを向きながらも、アデリーンの笑顔を前にしては毒気を抜かれたように溜息をついた。
束の間の、平穏な夜。
だが、その静寂は、マリエッタが青ざめた顔で駆け込んできたことで再び破られた。
「アデリーン! 大変よ! 国境に、カスティア商会とは別の……もっと恐ろしい軍勢が現れたわ!」
「……何ですって?」
「『聖教国レオス』の紋章を掲げた白銀の騎士団よ! 彼らは……『公国に隠された偽りの聖女を、異端として審問する』と宣言しているわ!」
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