虚構の愛は、蕾のオメガに届かない

カシナシ

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第二章 二回目の学園生活

50 ノエル/アルバート side

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「あ……」

「アルバート……やり過ぎですよ」


 リスティアは気をやっていた。真っ白な肌をどこもかしこも桃色にほてらせて、快感の余韻でピクピクと震えながら、二人の腕の中でくたりと力を失っていた。


「…………くっ、はぁ、はぁ、すまない……っ」


 アルバートは奥歯を噛み締めているようだった。ノエルには分かる。恐らく、リスティアの精液に含まれた魔力が、アルバートを暴走させたのだ。
 同情はするが自業自得である。自分だってしたかったが、それでは止める役ストッパーがいなくなってしまう。


「オイタをした黒犬は、今晩は洗面室で抜いて下さい。私はリスティアに脚を貸してもらいます」

「くっ…………」


 アルバートは悔しそうにしながらも、すごすごと出て行った。早く腰に溜まった熱を放出したいのだろう。

 それはノエルも同様。
 すっかり硬く張り詰めて、痛いほどの愚息を取り出すと、力なく投げ出されたリスティアのももの間に挟む。


「柔らかっ…………」

「んん……」


 起こさないように。

 ゆっくりと、優しく。

 部屋の中には未だリスティアの、可愛らしい果実を思わせるフェロモンが漂っている。それを肺の奥まで染み込ませるように吸い込んで、ノエルは動き出した。
 リスティアの内股はしっとりとした筋肉に覆われつつも、オメガらしく柔らかな肉も同時に付いている。
 脚を閉じさせて、揺さぶった。やわやわとした餅のような芯と、ノエルの凶悪な矛が擦れる。くったりと腕を投げ出し目を瞑っているリスティアからは、悩ましいため息が漏れ、ノエルの五感へ暴力を振るった。

 耐えられる訳がない。ノエルは声を出さないよう堪えて、夥しい量の白濁を放つ。


「えっっろ……」


 自分の白濁でまみれたリスティアに、征服欲が満たされていく。しばらく眺め回して恍惚とし、ハッと自分を取り戻したノエル。

(風邪を引かせてしまう……いつかは看病もしたいけれど)


 そんなよこしまな思いを放って、いそいそと汚れを拭っていく。

 あえて魔術を使わずに手拭いで清めてやるのは、ノエルのフェロモンをしっかりと付けておくため。これまでは我慢をしていたが、もういいだろう。


 それにしても相当可愛かった。リスティアの恥ずかしがりながらも快楽に従順な様子は、思い出しても興奮してしまう。

(普段理性的な人ほど、快楽には弱いらしい……可愛いすぎて困る……)

 これは日中に思い出さないように気をつけないといけない。












 寝る前に、一つやることがあった。


 リスティアにようやく心を開いてもらった。
 その記念に、贈り物をしたい。ノエルとアルバートは以前から秘密裏にネックガードを作らせていた。

 愛するオメガに贈るネックガードは、特別な意味がある。

『私以外に噛ませないで』。

 独占欲の塊を、二人は一つのネックガードへ落とし込んだ。
 恐らくリスティアは、長いこと付けることになる。二人のうちどちらとも番になれないのだから、このネックガードは『歯形』にも匹敵する。

 透き通るミスリルで作られた、軽くて硬い、最高級のもの。脱着は本人やノエル、アルバートしか出来ないのは当然のこと、登録したアルファのフェロモンを内蔵できるようになっている。長期でリスティアから離れる場合の安全策だ。もちろんそんな機会は全力で回避するが、あるに越したことはない。


 ノエルの萌黄色に、アルバートの濃銀のライン。
 きっとリスティアの真珠肌へよく似合うに、違いなかった。


 ノエルは枕元にネックガードの箱を置くと、リスティアを裸のまま寝台に寝かせて、その隣に潜り込んだ。自分も裸になって。

 なめらかで吸い付くような肌と肌が重なり、気持ちいい。またむくむくと起き始める息子をたしなめながら、リスティアを胸に抱いて、眠る。

 愛しさがいくらでも溢れ出て、ノエルの胸を充足させたのだった。












 アルバートが帰ってくると、リスティアとノエルが同じ寝台に寝ていた。じぃっ、と見ていると、ノエルが薄目を開けてドヤ顔をしている。

 しかし寝ている寝台はノエルのもので、もう三人目が入る余地は……ギリギリ、あるといえばある。

 アルバートは少し距離のあったソファをよいせと抱えると、リスティア側にくっつけた。これで落ちても問題ない、と。


「……」

「……」


 ノエルから『お前はまた……』という呆れたような視線を貰っても構わない。アルバートもまた服を脱いでリスティアの隣に潜り込み、肌の温かさを堪能するのだった。




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