婚約者は愛を見つけたらしいので、不要になった僕は君にあげる

カシナシ

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本編

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「は……っ、あ……っ!、う、あ……っ」


唇が腫れそうなほどに口付けされていた。互いの身体をまさぐって、線をなぞって、その形を覚えようとしている。ルイのあっつい身体がぴとりと覆い被さっていた。

僕の想像以上に、素晴らしい肉体で。

やはり遺伝子的に優位なアルファ。僕では絶対にこうはならないだろってくらいに盛り上がった胸や、に、し、……六!?にも割れた腹筋に、期待が止まらない。そしてその下のものもすごくって……!

ルイのその象徴も、ギラギラした目も、荒い息づかいやぶわっと濃くなった花蜜の香りも、僕に夢中になっていることを如実に表していた。僕はルイの胸や腹を触りまくり、ルイは僕のお尻を撫で回している。それも、何度も何度も確かめるように。

もう、そんなに撫でられたら擦り切れて無くなってしまう。


「なぁ、ルイ、早く……っ、」


後孔はまだ指一本触れられていないのに、シーツが冷たくなるほどビシャビシャに濡れていた。オメガは興奮すると、後孔から愛液を分泌するとはいえ、自分でも驚くくらい、発情期並みに濡れている。

ルイの手は執拗に尻たぶを広げたり、もちっとつねったりさわさわと揺らしてみたり、かと思えば腰から足の付け根までつつ――っ、と指先で何度も往復する。曲線がどうだとか言っていたな。確認しすぎじゃないか?


「くっ、この弾力、ほわほわのぷりぷりのやわやわ……」

「もう!くそルイ!早く入れてくれ!」

「ああっ、そんな、勿体ない。しかしそろそろ対面させてもらおうか」

「は!?」


僕の懇願を無かったことにして、ルイは僕をひっくり返す。あっ、いい身体が視界から消えて寂しい。
でも入れてくれるなら我慢しよう。さぁ、いよいよだ。
枕を抱きしめてお尻を高く上げた。待ちくたびれた蕾が、ヒクヒクと催促している。


「はやく……っ」

「はぁっ……!ほんっとにいい尻してやがる……!」

「ヒッ!?」


パシンッ!
軽く叩かれてビックリする!


「ぷるぷる……っ!なんてこった……!」

「何なんだ君は!僕を生殺しにする気か!?」

「すまん、やはり俺の想像力は貧困だった、このお前ときたらどこまでも越えてくる……!」

「聞いているのか!?」


だめだこいつ。僕のお尻と会話している。
愛撫が優し過ぎてしつこ過ぎて、お預けがキツイ。
もうとうとう怒鳴りそうになった時、カプッと尻肉を齧られた……っ!?


「き、君!まさかそんな嗜虐趣味が……っ!?」

「はむ、はんむ……」


唇ではむはむと、柔い肉を挟まれている。
ちゅっ、と音を立てて吸い付き、また時には舌で押したり舐めたりとやりたい放題。

その間僕はというと、あんまりにもお尻ばかり愛撫されて、耐えきれずに自分で前のものを扱いていた。


「く、はぁ、あっ……」


ビュクッ!びゅっ……びゅっ……

あ――……、気持ち、いい。

若干満たされてしまい、少しだけ頭が冷えた次には、沸々と怒りが込み上げてきた。

こいつ、全然いれてくれないんだもの!


「ルイ、離れろ。おしまいだ、お終い」

「はっ!?嘘だろ、これからがいい所で……」

「この、童貞っ!自分ばかり好き放題やって、僕のお願いも聞き入れてくれないじゃないか!怒ったから寝る!さぁ、出て行ってくれ!」

「えっ、ま、待て、すまない!っ……!」


闇魔法:拘束。これ以上なく頭が冴えてしまった僕は、全裸のルイを黒い繭で覆い、廊下へと放り出す。

僕だって悲しい。立派な逸物を貰えなかったんだもの、あれだけ期待させておいて……!


「しばらく反省して!」


絶望した顔の巨大芋虫を放置して、僕はふて寝を決め込んだ。




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