達観した紫の上と、年上旦那様

天高く陰謀巡る秋

帰宅した旦那様

　翌日、げっそりとした旦那様が夕方に帰宅いたしました。

　あまりにものやつれっぷりに、どうしたのかと思ったら、代わる代わる丸っと一晩説教された上に、そのまま仕事をしたのだとか。

　そんな状況にハイタッチをする千夏と花音。そのあとサムズアップが何とも言えず。
「昨日の麻帆佳よりやつれていないけど、これ以上だと麻帆佳が心配するからちょうどいいかも」
　……意味が分かりませんがな。
「麻帆佳ちゃんの辛さを分かれってことだね」
　あっさりとのたまうのは風吹さんで。
「毎日さ、昼近くまで寝ているのに全然疲れ取れていないし。あれで獣じゃないってのたまうあたりで色々終わってるのさ」
　なんて続けてきたからには、風吹さんも相当腹に据えかねていたようです。

　起き上がれなくなる、ということがなくなるのは大変にありがたいことです。はい。
「あらぁ、別にそのままでもいいのよ？」
　恵美香さん、微笑んでいますが、目が笑っていませんよ？
「あまり酷いときには去勢すればいいだけですもの。そうすれば性欲だっておさまるでしょう？　そのあと引き離せばいいだけですわ」
　旦那様もですが、旦那様についてきた男性陣まで内またになりました。

　……多分、本当にやりますね。

　で、どんな説教をしたのか気になったので明日さんに聞くと。
「うっふふ～～。楽しかった」
　というお答えが。
「麻帆佳、気にすることない。親父が母さんの恐ろしさを滾々と説いた」
　少しばかり遠い目をしながらそんなことを言う東輝さん。
その言葉から察するに、ロードリックさんも絶倫さんのようです。で、それに対して恵美香さんがブチ切れた、そういうことですね。
「といういうか、お義父さんがお義母さんに言われたことと似たようなことを、龍雅君に言っただけよ」
　それが終わったあと、今度は明日さんの説教が。そのあと東輝さんからの説教、そして小母さん方の説教、延々ループだったそうです。
「まぁ、自業自得だね」
　花音があっさりのたまい、千夏が頷いていました。

　ついでに言うなら「そこまで盛る前に、どうして家族を抑えられない」と全員に言われ、撃沈したそうです。そこだけは概ね同意できますので、私からのフォローはなしです。