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コピー能力
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コピーする系の能力。
「俺の能力は・・コピーする系の能力だぁああ!!」
「何?!」
あたりはシーンと静まり返った。
強盗たちがざわめきあう。
「コピーする系の能力と言えば、100年に一度出るかでないかの能力・・!!やべぇ奴だぞ!!」
「ああ・・能力の強さは、そいつのポテンシャルに相当する・・。あいつ、ああ見えて素の力も強いはずだ・・!!」
「だが・・こっちには銃もある・・!!人数もこっちのほうが優勢だ。恐れるこたぁねぇ!!」
ここは銀行。切手を懸賞のために買うためにわざわざ来たものの、銀行強盗に遭遇してしまったのだ。
俺はあまりこういう面倒ごとに首を突っ込みたくないのだが、しかし仕方がない。あと少しで俺の好きなアニメが始まる時間なのだ。早くここは解決していきたい。
そう、俺の能力でここを何とか切り抜けられれば・・!!
強盗たちの言う通り、能力は、その者の能力がポテンシャルとなる。
分かりやすく言うならば、例えば素の能力が普通なのに、能力がぶっ飛んでいるというのはあり得ないということだ。
ぶっ飛んだ能力持ちの奴は、大抵能力なしでもぶっ飛んだことができる。そしてコピー能力を持っていたとされる過去の偉人たちも同様だ。
ならば俺はどうか?
確かに俺はコピー能力を持っている。しかし俺はいたって普通の凡人だ。頭の回転が人より優れているというわけでもないし、運動もあまり得意なほうではない。
だが・・コピー能力というチートスキルを持っている。これは何故か?
(バレちゃいけねぇ・・!!俺のコピー能力の条件を・・!!)
そう、ポテンシャルというのは、能力のプラスとマイナスの合計によって求められる。例えばメリット能力が莫大にプラスだとしても、マイナスも莫大より少し下くらいとしたら、ポテンシャルが少ない俺でもコピー能力をもつことが可能というわけだ。
つまり、俺の場合、100の能力を使うために、99のコストを犠牲にしているということなのだ。もし天才ならば、100の能力を使うために、1とか、0の労力しか使わないだろう。
そう、分かってくれただろうか。俺の能力の条件は、それはもう達成しずらいと言っても過言ではな。
そう、それは・・食べるということ。
その動物を食べることによってその能力を使うことができるということなのだ。
それも、自分の胃を完全に満たすほどの量を食べなければ、その能力奥は使えない。
無論、能力者を食べれば、その能力は使える。だがしかし、それはかなりの異常性癖であるし、何より自分の精神が持たない。
だが・・ここは仕方がない。やるしかない。
強盗たちは、じりじりとこちらににじり寄ってくる。
「へへ・・動くなよ・・!能力を使った瞬間、この銃がどかんだぜ・・!!」
「使うなよ・・?!本当に使うなよ・・・?!」
真の能力者は銃を無効化することもたやすい。それを警戒しているのか、奴らの動きも低速だ。
ゆえに・・今、こいつを食べる余裕ができた!!
「ごくんっ!」
「なっ!!今何をした・・!」
俺は、いざというときのためにポケットに常に忍ばせているあるものを口に歩織り込んだのだ。
急いで飲み込むとともに、腹が急速に膨れる。
そう、それは髪の毛だった。
僕の友人に髪の毛を操る能力者がいる。
そう、能力によって操った髪は、質量さえ操ることも可能なのだ。そしてこの髪は、いざというときのために膨らむようにできている。そう、自分の胃の中に、彼女の体の一部が満たされていくのだ。
「力を借りるぜ・・!!神咲髪子・・!!」
彼女が一瞬脳裏に思い浮かぶが、奴は俺の幼馴染かつ変態だ。あまり思い出さないようにしたい。
そして、「髪の一撃(ヘアーストリーム)!!!」
彼女の得意技、周囲一帯を髪の毛で満たすこのスキルによって、無事強盗を確保することができたのだ。
後から、警察がやってきて無事事なきを得た。
だが、誤算があるとすれば・・
「髪の毛が絡まって・・アニメの時間に遅れたぁ~~!!」
やれやれ、こんな使い勝手の悪い能力はこりごりだぜ。
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