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地球助けるボタン
しおりを挟むむかーしむかーしあるところに、強欲な男がおったそうな。
そやつは、金や権力を手に入れるためならば、何もかもを犠牲にする人間だった。
女、子供、夫婦、優しい心を持った友人さえ、いとも簡単に手にかけていた。いや、それは複雑な契約の元、回りくどく行われており、その罪で彼を捕まえることはできなかったが、しかし、意図的にやっていたことは確かだった。
そうして命を犠牲に金を集めていた。そしてその金でキャバクラに言ったり、高級車を買いあさったりとやりたい放題。
そんな誰がどう見ても悪ともいえる彼に、一人の不思議な男がやってきた。
「誰だお前は!?」
ある日、朝、豪邸のリビングに一人がくつろいでいたのだ。
「っ!」
日ごろからいままで貶めてきた者に怯えていた彼は、当然襲撃者を想定して銃を用意していた。
バンバンっ!!
「・・!!」
確かに当たった。なのに、彼は平気そうにしていた。ヒットしたと思ったところが、謎の光に包まれて再生したのだ。
彼は銃などが利かない。そのことを認識した強欲な男。逃げ出そうとしても背中に攻撃を受けそうで恐怖していたが、相手はそんなことを意にも介さず提案したのだ。
「この世界は、数十年後に破壊されます」
「は・・?」
続けて言った。
「そこでここに一つのスイッチがある。こいつを押せば、君は死に、地球は破壊されずに済む。押さなければ地球は破壊される。さて、どうする?」
「な・・・?」
よくわからない提案。咀嚼してよく考え、そのファンタジーじみた言葉の意味を理解しようとした。
普通ならばそんなことはたわごとだと一周するところだが、目の前の非現実的光景に信じ切っていた。
「しっ、しかし押さなければ俺も死ぬのだろう?!」
「ああ」
「それでは意味がない!!押しても押さなくても意味がない!!」
「しかし、押せば、今までの悪行を無にできるほどの善行を積むことができるぞ?」
「俺が・・善行だと・・?
そんなことをして何になる?!天国に行けるってか?!」
「それは、、分かりません。天国や地獄ってやつが、あるかもしれないし、ないかもしれいれない。
しかし、、確実に天国に行けるくらいの徳、善行を積むことができるのですよ」
「・・・」
「同じ死ぬならば、押したほうが得だと思いますがね。クックックック」
そう言ってその謎の者は消えていった。数十年後までのカウンターがあるスイッチだけを残して。
そいつが何者なのか、金を使って情報を集めたがわからなかった。
すると残るのは、選択だけだった。
カウンターがゼロになるまで、彼は悩み続けた。ずっと、ずっと。
そして・・数十年後、カウントがあと数分でゼロになるときに、決断したのだ。
「よし」
彼は・・押そうとしたのかしなかったのかはここでは問題ではない。
その前に彼は悩み続け、衰弱していたのだ。
そしてたとえスイッチに手を伸ばそうとしても、もう遅い。
指を動かす体力さえ彼には残っていなかったのだ。
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