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木森林木林

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助けるときたすけないとき

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助けるときと助けない時。


「くらえっ!!」

 鋼鉄の腕、そう文字通り鋼鉄でできた腕が化物の頭を吹っ飛ばした。

 しかしそれで喜んでいるほど余裕はない。すぐさま別の化物が襲い掛かってくるのを紙一重でかわす。

 もしこのからだでなければ感じ取れなかっただろうし、もし感じ取れたとしても回避できない。そう、今俺は変身していた。

 俺が今置かれているこの状況は、よくある日曜ヒーローものだと思ってもらえば9割がた、いや100%同じと言ってもいいだろう。敵の組織に追い詰められているのだ。

 よく特撮では、毎回怪人と一対一ずつ戦う。これまでは現実でもそうだった。

 だが、相手は特撮とは違う。きちんと作戦を立てる程度の知能があるのだ。

 つまり、俺は脅威度が高いと認定され、彼らに集中攻撃されている。

 結果がこのざまだ。

 今のところ戦えて入る。しかし怪人はまだまだ尽きないようだった。

「せいっ!!」

 一匹の怪人を爆発させた先に、また別の怪人をぶっ飛ばす。だが、そうしている間にどうしても集中力が切れてしまう。最新の注意を払っていたとはいえ、連戦は初めてと言ってもいいのだ。むしろよく戦えたと言っていいくらいだ。

 だが、そこに狙いを定めたのか、彼らの遠隔攻撃が次々とやってくる。

「・・・これまでか・・」

 その時だった。

「・・・?」

 一向に着弾の音が聞こえない。

「大丈夫か?」

 それが師匠との出会いだった。

 弟子入り後、師匠は言った。

「お前は正々堂々がすぎる。今時のヒーローは、もっとこそこそと怪人を倒すものだ。
 お前みたいな奴が通用するのは、才能がある一部のヒーローだけだ」

 最初に月謝を渡したとき、師匠はまず初めに教えてくれた。この師弟制度は、ヒーローの間で習慣となっているものである。

 収入が限定されるヒーロー活動において相互的に助かる習慣故、広まっているのだろう。悪質な師匠もいるらしいがその点彼はとても実践的なことを教えてもらったと思う。

「そう、お前もしってのとおり、ヒーローっていうのは、突然変異した人のことを言う。そしてその中から理性が無くなった奴が怪人だ。怪人は同じく突然変異で怪人を洗脳する能力が目覚めた者が作った組織によって統括されている。」

「はい!1だから僕はヒーローになろうとしたんです。だって政府からも入金されますし」

「だが、逆に言えば、それしか仕事が無いともいえる。怪人とヒーローは同じ存在。怪人に家族や知り合いを殺されたものによって、今やヒーローでさえ社会的な信用が皆無なんだ。一部の有名なヒーロー以外はな」

「うっ」

「だから、心に刻んでおけ。これはビジネスなんだ。お前の言うような輝かしいものではない」

 
 
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