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ドルイドも一枚岩ではない

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「皆の者!攻めろ!!」

 ドルイドの統領が先陣を切った。

 周囲の者たちは一斉に歩を進める。その手に持つのはツリーフォークの種。それにマナを送り込んで蔓を射出させる。それがドルイドの伝統的な遠距離攻撃方法だった。


 それに対し、新しいドルイドの族長は、手を前に向けて号令した。

「やれ!!RYOKU-3dR!!」

 それに合わせ一斉に部下たちはビーカーの中に種を置いた。そしてそこから急速に成長した木の蔓が前へと延びていく。

 蔓と蔓のぶつかり合い。それによって壁が両者の間にできる。硬直状態。

 本来ならそれでなあなあになるのが、元来の彼らの戦争だった。

 だが、、新しい派閥は違った。

「うて!!HONOO-AK」

 次に彼らは、赤い液体の入ったビーカーに種を入れた。

 すると、そこから炎に包まれた火炎弾が飛び出す。

「なにぃ?!」

 古ドルイドたちは突然の光に驚いた。

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