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木森林木林

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こういうのが好きだったんだろう?

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 ある国は戦争をした。

 私はその兵士として、精一杯戦った。

 幸運だったのか、多少のけがはしたが、五体満足だった。

 同僚の一人はほとんど死んでしまった。

 だが、それでも、戦争が終わって、私は何もできない日々が続いていた。

 何度も外に出ようとおもった。だが、何かするたびにあの日々のトラウマがよみがえるのだ。

 あの世界は、地獄だった。私は世界が憎かった。

 だが、貯蓄も尽きてきたころ、私は行動せざるを得なかった。なのになにもできない自分が嫌になった。

 そして、、私は何をすればいいのか、精一杯考えた。

「・・・そうか」

 私は小説を書くことにした。

 昔、夢中になって読んだ文学だ。

 思い返すと、あれは敵とヒーローが戦う、善と悪が衝突しあうものだった。

 子供の頃それは、わくわくするような話だったが、戦争のトラウマから、そんな話は作ることができない。


 ならば、、戦争なんてものはない世界を創ろう。

 そして、、自分が傷ついた分だけ、主人公には名いっぱい甘やかそう。

 強くて優しくて、食べ物も金も宝石も女も、努力しないで何もしなくても全て手に入るようにしよう。

 出版社に持ち込みをしたが、どこも断られた。

 だから、ある投稿サイトにアップして連載が数年続いた頃、書籍化の依頼が来て、アニメ化にまでこぎつけることができた。

 嬉しかった。まるで息子が成功したかのような感覚だった。

 だが、何故かコメントを読む限り、あまり評価が高くないようだ。

 その小説はのちになろう系と呼ばれ、嫌悪されることになっていった。

 罵詈雑言のコメントを見ると、徐々に怒りの心があるのに気が付いた。

 その小説は、私の分身、子供も同然だ。

 それを否定されて喜ぶ親がいるだろうか。無気力だったころには再びこんな気持ちになれる日が来るとは思わなかった。それほどまでに私は負のエネルギーに満ちていたのだ。

 私は復讐することにした。無論小説でだ。

 その小説は、どちらかと言えば群像劇だ。あらゆる人々が宇宙人が操る巨大な悪意、そして災害に潰されるという話である。

 人々は、むごい死に方をして苦しんでいく。

 そうだ。こういうのが好きだったんだろう?『苦労』が欲しかったんだろう?

 その悪意に対し、希望を少し与えて、そして潰す。戦争で得たトラウマを、この文章に生々しく描写した。

 正直、こんなものが面白いはずがないと思っていた。

 私はこの小説を、復讐もどきとして作って気を晴らそうとしているだけだった。

 それなのに、何故かこの小説は飛ぶように売れたのだ。

『面白いです!!』『最悪の展開を作れるとは!!』『作者は天才だ!』

「まだ、まだ足りないのか・・」

 地獄が足りない。

 私は、もっともっと、地獄を作らなければならない。
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