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処刑

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 この世界は、一部の人によって法律を好きなように作ることができるディストピア。

 ある日、ある議題が上がった。

「一生懸命生きている人もいるのに・・!!」

「自殺者は悪人だ!!処刑すべきだ!!」

「そうだそうだ!!」

 自殺は悪とされ、法律で自殺者を処刑する法律が決定した。

「これで自殺者は減少するでしょうね」

「ええ、我が国は一層の発展をするでしょう」

 お偉いさんが話していると、そこに部下が急いだ様子で扉を開けた。

「大変です!!自殺者が大量に出たそうです!!昨年と比べ●倍!今年度最悪です!!」

「な、なんだって??!!」

 

 ここはディストピアゆえに、税金の数も、人がギリギリ生きていけるほど。

 生まれながら権力があるものか、悪いことをする奴がのさばり、善人は搾取される。

 ゆえに、あるサラリーマンも鬱であり、死にたいと口癖をしていた。

「ああ、死にたい・・でも・・」

 既に自殺用の道具はいくつもそろえている。

 痛いからやめようだとか、既にそういうラインは超えていた。全て終わらせるならば、多少の痛みも我慢できる。

 だが、怖いのは自殺が失敗した時だ。

 自殺が失敗して、中途半端に生き延び、自殺できなくなったらどうしよう。

 彼が思うのはそれだけだった。

 だが、ある日、彼の耳に福音が届いた。

 ニュースでこうキャスターが行っていたのだ。

「自殺者は処刑される法案が決定しました、自殺を成功したら無意味ですが、自殺を失敗した人は確実に処刑されます」

「!!」

 彼は、嬉々として自殺道具を取り出したのだ。




 これが、この法案が逆に自殺者志願者の背中を押した理由である。

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