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死ねない
しおりを挟む戦闘ヒトガタ兵器がこの世界での標準兵器だった。
明らかに非効率化と思われるが、人が操作する以上、兵器もヒトガタのほうがやりやすい。
また、戦争の士気を上げるためなどと言った理由から、こういう人型兵器が採用されて一般的だった。
そして、その人型兵器は、基本的に二体がコンビを組む。
ベテランと新人。新人がベテランに学ぶためにできた制度だ。
そして私のコンビ相手は、老練の兵士だった。
「準備完了しました!!出発します!!」
「・・・・」
「あの・・?」
「行っていいよぉ」
ニコぉと、通信先から笑う彼は、正直不気味だった。
だが、その腕は本物だった。
「くそっ!!敵は三体!!支援を!!」
迫りくる敵機。追い詰められる。
「うわああああああ!!!」
だが、その背後から、ベテランのソードが光った。
バーンっ!
首を切断し、三体同時に無力化する。
「・・・・」
「あ。ありがとうございます」
「チッ」
「!!??」
よく分からない。
この危機的事態は、いわば彼が招いた事態だった。せっかく不意打ちを行えるチャンスに、わざわざ空砲を撃ったのである。
まるでマッチポンプ。だが、、まさか、私に実践をふませるために・・?
また、彼は時折やる気がないかのように、手を抜いているのである。当時はそれが、よくないことだと思っていたが、違う。
大事なのはメリハリだ。手を抜く時は抜き、本気を出すときは出す。これが生き残るコツだということを彼は教えてくれたのだ。
そのベテランは、私がベテランになるころには既に引退し、故郷で悠々自適に過ごしているらしい。
今では私が新人を育成している。私も彼のようになれればいいのだが・・。
平和な惑星での、元パイロットの家。
彼は機嫌が悪そうに老人が安楽椅子に座って新聞を読んでいる。そこへ伴侶が隣に座ってきた。彼女は彼に問う。
「何をつまらなそうな顔をしているのかしら」
「つまらないに決まっている。こんなに長生きしちまってよ。潰す時間が面倒くさい。」
「いいじゃあないですか。長生きできて」
「良いものか。だいたい、パイロットが弱すぎるんだよ。つまらなすぎる。
だから、何度も新人を巻き込んで死のうと思ったんだがな。そうすればお前に保険金も降りただろうに」
「そんなこと言いなさんな」
「でもできなかった、わざと負けるのもそれはそれでつまらないから・・いや、死ぬのが怖かったかもしれんがな」
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