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木森林木林

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贖罪

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「自然に感謝して、いただきます」

 今、僕たちは、食べられる命に感謝して、自分たちのクラスで育てた豚をさばいて食べました。

「・・アレ?●●くん?どうしたの?いただきますしないの?」

 隣の●●ちゃんが、僕に話しかけてきました。

 彼女の言う通り、僕は、いただきますを言う気に慣れませんでした。

 彼女のその言葉は、僕を責め立てるような口調であり、実際彼女は、『いただきます』を言わずに感謝しないで食べるという僕を非難しているのでしょう。

 ですが、僕はこう思うのでした。

「うん、だって、感謝って、よくないよ」

「?どういうこと? 感謝して食べないと、命に失礼じゃない?
 ●●くんは、●●(豚の名前)にかわいそうじゃないの?」」

 彼女は、強い口調でそう言いますが、しかし、僕は違うと思います。

 周囲のクラスメイトの感情を見ればわかります。

 彼らに見られるのは悲しみです。

 そして、再三、命に感謝しよう。そうしようという大人と、それに同意するクラスメイトたち。

「でも、『感謝」って、『慰め』なんじゃないかって」

 これには彼女もきょとんとしました。

「慰め?どういうこと?誰を慰めているの?」

「それは、自分自身さ。ひどいことをする自分たちを慰めている。
 また、スケールを大きく取れば、家畜を殺して食べている人類に、かな」

 そう、悲しみを手当てするような形で、彼らは『感謝』という文化を利用しているように思えたのでした。

「感謝すれば、許されると思っているんだよ。
 自分たちで育てた可愛いペットなのに、それを殺すということが、罪だと実感しているのに。

 ただ、最後に『感謝』さえすれば、それが良いことのように思えるんだ。

 それは自らの罪に対する逃避であり、現状を変えることからの逃避でもある。

 だから・・さ」

 僕はこう思うんだ。

 あんなにも可愛いペットを自分たちの手で殺して自己満足するこの罪を、

 感謝せずに、逃避せずに、傲慢に受け止めることが、本当の『贖罪」なんじゃないかって。

「『食材」なだけに・・ね」

「最後のは要らないと思う」

「あっはい」






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