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水使い
しおりを挟む恵まれしもの
ある水使いがいた。
水使いは、砂漠に何らかの原因で放り出されたときにその力に気が付いた。
水をどこでも生み出せるのである。乾いた地域にでもいくらでも生み出せるのだ。
それによって、オアシスを作り出した。
それに多くの人が集まってきた。
みな命を救われた者もおり、一つの国が作られていった。
だが、それを聞きつけた政府がその国を乗っ取ろうとした。
水使いはそこから逃げ、そして、当然だがその国は水が枯れて滅亡した。
だが、再び水使いは国を興した。今度はそこから遠い遠い場所で。
しかし同じことだった。噂を聞きつけた者たちが奪おうとし、逃げるの繰り返し。
水使いはもはや堪忍袋の尾が切れてしまった。
多くの水を使い、洪水を起こして相手を滅ぼした。
そして、悟ったのである。
逃げることはなかったのだと。
簡単に自分は相手を殺せるだけの力があるのだと。
そして、水使いは、取られたものを取り返すために今まで歩いてきた道を戻っていった。
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