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因果応報
しおりを挟む科学が発達する未来。
それは、競争が意味をなさなくなった世界。
コストほぼゼロで生み出せるリソースがあまりにも多く、
取り合いをしなくとも生きていけるようになる世界。
それはいずれ来るもの。
しかし、その未来が来る前に、人生を悲観するものは多い。
だが、来てしまった。
それによって、今現在の競争は意味を成さなくなった。
働かなくてもいくらでも本物とまったく変わらない合成食料を食べることができる。
科学の発達もAIが代わりに行ってくれる。
国家間の紛争なども同様だ。常に厳しい管理がなされている。
それによって、確かに今現在は、現実に理想的な楽園を実現できたと言えるだろう。
そう、今現在は、、
問題は過去の話だった。
過去、競争が激しかった時代、どんな手を使ってでも他人から奪うことをしてきた犯罪者たちがいる。
その加害者は、多くの被害者たちに訴えられていた。
科学は万能ゆえに、加害者が行ってきた違法なことも、次々に明るみに出たのだ。
次々に刑務所に入れられていく。
だが、あるものは言った。
時代が悪かったのだと。
生きていくためには他人を騙すしかなかったのだと。
それについて、長々と議論に議論が重ねられ、ある時決着がついた。
それは、ダイアモンドにはダイアモンド式の解決方法。
今まで他人に行ってきたストレスを、今度は本人が受けるというものだ。
完全なVRによって、それが可能。現実の時間を引き延ばすことによって、短期間で何億人分の人生を体験することも可能だった。
まさに因果応報、自分がやってきた悪事がそのまま自身に返ってきたのである。
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