184 / 197
ベクトル
しおりを挟むその異世界は、魔法の力がない。
魔法、それは精神の力。
欲望を具現化する力。
だが、、この世界には魔法がない。
その理由は、何も意地悪だからではない。
この世界にいるもの、物質世界に存在する知的生命は、魔法を使えないのである。
物質とは、魔法の力でできている。
魔法は、あらゆるプログラムを埋め込むことも可能。
そのプログラムとはこうだ。
「物質の中に魔法を閉じ込めよ」
物質の中に魔法があるので、取り出すことにはエネルギーが必要。
魔法世界、あるいは精神的生命体にはそんなエネルギーは必要ない。
それらの周りは魔法を使う素が漂っており、彼らはそれを好きなだけ使い、世界を構築することができるのだ。
だが、物質の中に魔法が組み込まれていることによって、物質世界の生命は、物質を介してのみしか魔法を扱うことができない。また、無理に魔法を使うことはできるが、それには精神力が必要になってくる。
普通、知的生命というものは、魔法をつかえることが必須条件とも言っていいほど常識だ。
魔法を使えない知的生命は、異世界の中でも異端とも言っていいだろう。
何故そういった存在が生まれてしまったのか・・・
物質ではない知的生命は、あるベクトルを持っている。それは欲望だったり、ルーティーンだったりと色々だが、一言でいえば、自身の行動の基準である。
自分がどうしたいのか。
想像してほしい。何でもできる力を手に入れて、何をしたいだろうか?
それをすぐに答えられる者は、そう多くはないだろう。
しかし知的精神生命は「行動基準」、それが必須なのだ。
前述の通り、それらは魔法を使えることが普通なのである。
魔法とは、世界を構築する力であり、それを扱うにはエネルギーは必要ない。代償は必要ない。
ならば何が必要なのかというと、選択だ。
何をするのか。それが無ければ魔法は発動しない。
そして、昔々あるところに、魔法を扱えない知的生命、つまり、自らの行動基準がない、知的生命がいた。
それらは魔法を使うことができない。別の言い方をすれば、自身が進むべき道を迷っていた。
それらは願った。自らの進むべき道を考えたいと。じっくりと考えたいと。
矛盾しているようではあるが、魔法を使えないそれらは、魔法を使い、物質、物質世界を生み出した。
その世界の中でならば、魔法は発動せず、彼らは自ら進むべき道を考えることができた。
そして、科学という形で、物質を媒介して魔法を扱えることができるようになったのである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる