34 / 44
第34話
しおりを挟む
食事もとい、調査も終えたのでこれからは少しの自由時間だ。魔王様が買いたいものがあるらしいので、場所を移動して市場までやってきた。
相変わらず変装は続けているが、お忍びということなのだろうか。
「魔王様、何を買うんですか?」
「新作のコーヒー豆や書籍などだな」
「メイドとか、それこそ僕に頼めばいいのでは?」
「そ、それはよいのだ! 我のことはよいから、アッシュも楽しといい。自由時間だから好きなところへ行け。では1時間後にまた集合しよう」
「あ。……行っちゃったな」
これは、何か見られたくないものを買うのがど定番だな! どうせ魔力を探知すれば見つけられるし、別れて数分で買いに行くとは思えない。少し時間を置いてから行こうか。
ニマニマとほくそ笑みながら市場を練り歩いていた。
『雷の伝導率がえぐい金属いかぁっすかー』
「お嬢様に買っとくか」
『最高の包丁売ってるぜ~!』
「イアのために買おう」
『拷問器具売ってるよ』
「……シアン、楽しみにしとけよ……」
自分もそれなりに楽しんで買い物をした。
そろそろいい頃合いだと思い、魔力を探知して魔王様を探す。……しかしどこにも見つからない。代わりに、ぽっかりと穴が空いたように魔力が感じられない空間が見つかった。
「……逆にバレバレですよ魔王様……」
謎の空間に向かってみると、そこは本屋のようだった。中を少し探してみると、案の定魔王様を見つけられた。
どうやら手に取っているのは少女漫画らしく、手に入って嬉しそうな様子だ。
「嬉しそうですね魔王様」
「うむ! これの発売をどれほど待ち望んでいたか……。…………ぁ、え……? ナンデ、ココニ……っ?」
「本当にびっくりすると叫ばないんですねぇ」
サーッと顔がみるみる青くなり、僕の顔と恋愛漫画を交互に見合っている。しかし次第に青い顔は赤くなり、目がぐるぐると回り始めた。
「なぜここにいるっ!!!!」
「いやぁ……買い物は済んだし、いつまでも魔王様と離れているわけにもいかないかなぁと思って」
「だからと言って……! ゔ~~っ! 我はもう生きていけん……」
「ってか、もし僕が本格的に就職することになったら早かれ遅かれ絶対バレるでしょ。あとそれに、そういうのが好きでも別にいいじゃないですか」
魔界のトップがこういうのが好きだと世間が知れば、顔が立たなくなってしまうとか思って今まで内緒にしてきていたんだろう。
好きなものは隠さず好きでいたらいいのに。
「魔王様、恥ずかしいとか顔が立たんとか思ってるのかも知れませんが、僕は好きなものを好きでいる魔王様が好きですよ」
「え……? えっっ!?!?」
ボンッと何かが爆発する音が聞こえたが、気にしないでおこう。
事あるごとにいい反応をする魔王様は愛おしいが、もうそろそろ休憩時間も終わりなので連れて行くとにしよう。
「ほら魔王様、さっさと行きますよ」
「あ、ちょ、待てアッシュ! さ、さっきの言葉の意味は……」
「レッツゴー!」
「あ、おい待て!! も、もう、仕方ないやつだなっ」
後ろを追いかける魔王様を確認した後、調査が必要な絶景スポットとやらに向かった。
###
「ここがそのスポットの〝斜陽の崖〟ですか。確かに綺麗ですね」
「うむ、夕暮れ時にのみこの魔界の曇天から光が差す唯一の場所だ。柵の老朽化や崖崩れが起きそうで問題視されているのだ」
標高が高い崖の上で、曇天から斜陽が差し込んで僕らを照らしている。絶景スポットと言われる理由がわかったが、事故が起きたらたまったものではないな。
確かに柵はボロボロだし、今にも崩れそうな地面だ。
そう、崖先にいる魔王様が今にも……
――ピシッ、ピシッ……ガシャンッ!!!!
「むっ!?」
「魔王様! 【重力操作】!」
「わぷっ」
崩れて落ちかける魔王様をこちらに引き寄せ、なんとかキャッチした。彼女なら落ちてもたいした傷はつかないだろうが、目の前で傷つかれたら僕の気が障る。
「い、いやはや、助かったぞアッシュ。まぁ我には羽があるぞっ! 抱きつかんくても良いだろうがっ!!!」
「だからと言って油断してると、いつか寝首かかれること起きますよ。怒ってますからね」
「わ、わかったからぁ! 恥ずかしいから降ろすのだ!」
「……さて、無事に安全性を確保する必要がわかったので帰りましょうか」
「このままじゃ嫌だぞ! い、色々当たっておるから!!」
「魔界を観光したいので歩いて帰りましょうか」
「アッシュっ!!!」
あらゆるデバフを魔王様にかけ、抱っこされている状態から抜け出せないようにしている。
バクバクと直で心臓の音が聞こえてポカポカとした体。中々抱き心地も良いのだが、降ろせという意思表示で首筋をガジガジとされて痛い。
――しかし、この首筋の傷が、厄介な者に見つかるのは時間の問題だったらしい……。
相変わらず変装は続けているが、お忍びということなのだろうか。
「魔王様、何を買うんですか?」
「新作のコーヒー豆や書籍などだな」
「メイドとか、それこそ僕に頼めばいいのでは?」
「そ、それはよいのだ! 我のことはよいから、アッシュも楽しといい。自由時間だから好きなところへ行け。では1時間後にまた集合しよう」
「あ。……行っちゃったな」
これは、何か見られたくないものを買うのがど定番だな! どうせ魔力を探知すれば見つけられるし、別れて数分で買いに行くとは思えない。少し時間を置いてから行こうか。
ニマニマとほくそ笑みながら市場を練り歩いていた。
『雷の伝導率がえぐい金属いかぁっすかー』
「お嬢様に買っとくか」
『最高の包丁売ってるぜ~!』
「イアのために買おう」
『拷問器具売ってるよ』
「……シアン、楽しみにしとけよ……」
自分もそれなりに楽しんで買い物をした。
そろそろいい頃合いだと思い、魔力を探知して魔王様を探す。……しかしどこにも見つからない。代わりに、ぽっかりと穴が空いたように魔力が感じられない空間が見つかった。
「……逆にバレバレですよ魔王様……」
謎の空間に向かってみると、そこは本屋のようだった。中を少し探してみると、案の定魔王様を見つけられた。
どうやら手に取っているのは少女漫画らしく、手に入って嬉しそうな様子だ。
「嬉しそうですね魔王様」
「うむ! これの発売をどれほど待ち望んでいたか……。…………ぁ、え……? ナンデ、ココニ……っ?」
「本当にびっくりすると叫ばないんですねぇ」
サーッと顔がみるみる青くなり、僕の顔と恋愛漫画を交互に見合っている。しかし次第に青い顔は赤くなり、目がぐるぐると回り始めた。
「なぜここにいるっ!!!!」
「いやぁ……買い物は済んだし、いつまでも魔王様と離れているわけにもいかないかなぁと思って」
「だからと言って……! ゔ~~っ! 我はもう生きていけん……」
「ってか、もし僕が本格的に就職することになったら早かれ遅かれ絶対バレるでしょ。あとそれに、そういうのが好きでも別にいいじゃないですか」
魔界のトップがこういうのが好きだと世間が知れば、顔が立たなくなってしまうとか思って今まで内緒にしてきていたんだろう。
好きなものは隠さず好きでいたらいいのに。
「魔王様、恥ずかしいとか顔が立たんとか思ってるのかも知れませんが、僕は好きなものを好きでいる魔王様が好きですよ」
「え……? えっっ!?!?」
ボンッと何かが爆発する音が聞こえたが、気にしないでおこう。
事あるごとにいい反応をする魔王様は愛おしいが、もうそろそろ休憩時間も終わりなので連れて行くとにしよう。
「ほら魔王様、さっさと行きますよ」
「あ、ちょ、待てアッシュ! さ、さっきの言葉の意味は……」
「レッツゴー!」
「あ、おい待て!! も、もう、仕方ないやつだなっ」
後ろを追いかける魔王様を確認した後、調査が必要な絶景スポットとやらに向かった。
###
「ここがそのスポットの〝斜陽の崖〟ですか。確かに綺麗ですね」
「うむ、夕暮れ時にのみこの魔界の曇天から光が差す唯一の場所だ。柵の老朽化や崖崩れが起きそうで問題視されているのだ」
標高が高い崖の上で、曇天から斜陽が差し込んで僕らを照らしている。絶景スポットと言われる理由がわかったが、事故が起きたらたまったものではないな。
確かに柵はボロボロだし、今にも崩れそうな地面だ。
そう、崖先にいる魔王様が今にも……
――ピシッ、ピシッ……ガシャンッ!!!!
「むっ!?」
「魔王様! 【重力操作】!」
「わぷっ」
崩れて落ちかける魔王様をこちらに引き寄せ、なんとかキャッチした。彼女なら落ちてもたいした傷はつかないだろうが、目の前で傷つかれたら僕の気が障る。
「い、いやはや、助かったぞアッシュ。まぁ我には羽があるぞっ! 抱きつかんくても良いだろうがっ!!!」
「だからと言って油断してると、いつか寝首かかれること起きますよ。怒ってますからね」
「わ、わかったからぁ! 恥ずかしいから降ろすのだ!」
「……さて、無事に安全性を確保する必要がわかったので帰りましょうか」
「このままじゃ嫌だぞ! い、色々当たっておるから!!」
「魔界を観光したいので歩いて帰りましょうか」
「アッシュっ!!!」
あらゆるデバフを魔王様にかけ、抱っこされている状態から抜け出せないようにしている。
バクバクと直で心臓の音が聞こえてポカポカとした体。中々抱き心地も良いのだが、降ろせという意思表示で首筋をガジガジとされて痛い。
――しかし、この首筋の傷が、厄介な者に見つかるのは時間の問題だったらしい……。
応援ありがとうございます!
35
お気に入りに追加
836
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
裏切られた公爵令嬢は、冒険者として自由に生きる
小倉みち
ファンタジー
公爵令嬢のヴァイオレットは、自身の断罪の場で、この世界が乙女ゲームの世界であることを思い出す。
自分の前世と、自分が悪役令嬢に転生してしまったという事実に気づいてしまったものの、もう遅い。
ヴァイオレットはヒロインである庶民のデイジーと婚約者である第一王子に嵌められ、断罪されてしまった直後だったのだ。
彼女は弁明をする間もなく、学園を退学になり、家族からも見放されてしまう。
信じていた人々の裏切りにより、ヴァイオレットは絶望の淵に立ったーーわけではなかった。
「貴族じゃなくなったのなら、冒険者になればいいじゃない」
持ち前の能力を武器に、ヴァイオレットは冒険者として世界中を旅することにした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
夫に「好きな人が出来たので離縁してくれ」と言われました。
cyaru
恋愛
1年の交際期間を経て、結婚してもうすぐ5年目。
貧乏暇なしと共働きのタチアナとランスロット。
ランスロットの母親が怪我をしてしまい、タチアナはランスロットの姉妹と共に義母の介護も手伝い、金銭的な支援もしながら公爵家で侍女の仕事と、市場で簡単にできる内職も引き受け倹しく生活をしていた。
姑である義母の辛辣な言葉や小姑の義姉、義妹と全て丸投げの介助にたまの休日に体を休める事も出来ない日々。
そんなある日。仕事は休みだったが朝からランスロットの実家に行き、義母の介助を終えて家に帰るとランスロットが仕事から帰宅をしていた。
急いで食事の支度をするタチアナにランスロットが告げた。
「離縁をして欲しい」
突然の事に驚くタチアナだったが、ランスロットは構わず「好きな人が出来た。もう君なんか愛せない」と熱く語る。
目の前で「彼女」への胸の内を切々と語るランスロットを見て「なんでこの人と結婚したんだろう」とタチアナの熱はランスロットに反比例して冷え込んでいく。
「判りました。離縁しましょう」タチアナはもうランスロットの心の中に自分はいないのだと離縁を受け入れたのだが・・・・。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。アナタのリアルな世界の常識と混同されないよう【くれぐれも!】お願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想を交えているノンフィクションを感じるフィクションで、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
「異端者だ」と追放された三十路男、実は転生最強【魔術師】!〜魔術の廃れた千年後を、美少女教え子とともにやり直す〜
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
アデル・オルラド、30歳。
彼は、22歳の頃に、前世の記憶を取り戻した。
約1000年前、アデルは『魔術学』の権威ある教授だったのだ。
現代において『魔術』は完全に廃れていた。
『魔術』とは、魔術式や魔術サークルなどを駆使して発動する魔法の一種だ。
血筋が大きく影響する『属性魔法』とは違い、その構造式や紋様を正確に理解していれば、所持魔力がなくとも使うことができる。
そのため1000年前においては、日常生活から戦闘、ものづくりまで広く使われていたのだが……
どういうわけか現代では、学問として指導されることもなくなり、『劣化魔法』『雑用魔法』扱い。
『属性魔法』のみが隆盛を迎えていた。
そんななか、記憶を取り戻したアデルは1000年前の『喪失魔術』を活かして、一度は王立第一魔法学校の教授にまで上り詰める。
しかし、『魔術学』の隆盛を恐れた他の教授の陰謀により、地位を追われ、王都をも追放されてしまったのだ。
「今後、魔術を使えば、お前の知人にも危害が及ぶ」
と脅されて、魔術の使用も禁じられたアデル。
所持魔力は0。
属性魔法をいっさい使えない彼に、なかなか働き口は見つからず、田舎の学校でブラック労働に従事していたが……
低級ダンジョンに突如として現れた高ランクの魔物・ヒュドラを倒すため、久方ぶりに魔術を使ったところ、人生の歯車が再び動き出した。
かつて研究室生として指導をしていた生徒、リーナ・リナルディが、彼のもとを訪れたのだ。
「ずっと探しておりました、先生」
追放から五年。
成長した彼女は、王立魔法学校の理事にまでなっていた。
そして、彼女は言う。
「先生を連れ戻しに来ました。あなたには再度、王立第一魔法学校の講師になっていただきたいのです」
、と。
こうしてアデルは今度こそ『魔術学』を再興するために、再び魔法学校へと舞い戻る。
次々と成果を上げて成りあがるアデル。
前回彼を追放した『属性魔法』の教授陣は、再びアデルを貶めんと画策するが……
むしろ『魔術学』の有用性と、アデルの実力を世に知らしめることとなるのであった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
一部完|すべてを妹に奪われたら、第2皇子から手順を踏んで溺愛されてました。
三矢さくら
恋愛
「侯爵家を継承できるという前提が変わった以上、結婚を考え直させてほしい」
マダレナは王立学院を無事に卒業したばかりの、カルドーゾ侯爵家長女。
幼馴染で伯爵家3男のジョアンを婿に迎える結婚式を、1か月後に控えて慌ただしい日々を送っていた。
そんなある日、凛々しい美人のマダレナとは真逆の、可愛らしい顔立ちが男性貴族から人気の妹パトリシアが、王国の第2王子リカルド殿下と結婚することが決まる。
しかも、リカルド殿下は兄王太子が国王に即位した後、名目ばかりの〈大公〉となるのではなく、カルドーゾ侯爵家の継承を望まれていた。
侯爵家の継承権を喪失したマダレナは、話しが違うとばかりに幼馴染のジョアンから婚約破棄を突きつけられる。
失意の日々をおくるマダレナであったが、王国の最高権力者とも言える王太后から呼び出される。
王国の宗主国である〈太陽帝国〉から輿入れした王太后は、孫である第2王子リカルドのワガママでマダレナの運命を変えてしまったことを詫びる。
そして、お詫びの印としてマダレナに爵位を贈りたいと申し出る。それも宗主国である帝国に由来する爵位で、王国の爵位より地位も待遇も上の扱いになる爵位だ。
急激な身分の変化に戸惑うマダレナであったが、その陰に王太后の又甥である帝国の第2皇子アルフォンソから注がれる、ふかい愛情があることに、やがて気が付いていき……。
*女性向けHOTランキング1位に掲載していただきました!(2024.7.14-17)たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございます!
*第一部、完結いたしました。
*第二部の連載再開までしばらく休載させていただきます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者には愛する女がいるらしいので、私は銀狼を飼い慣らす。
王冠
恋愛
マナベルには婚約者がいる。
しかし、その婚約者は違う女性を愛しているようだ。
二人の関係を見てしまったマナベルは、然るべき罰を受けてもらうと決意するが…。
浮気をされたマナベルは幸せを掴むことが出来るのか…。
※ご都合主義の物語です。
いつもの如く、ゆるふわ設定ですので実際の事柄等とは噛み合わない事が多々ありますのでご了承下さい。
R18ですので、苦手な方はお控え下さい。
また、作者の表現の仕方などで不快感を持たれた方は、すぐにページを閉じて下さい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~
空地大乃
ファンタジー
「殺すと決めたら殺す。容赦なく殺す」
クラスで酷いいじめを受けていた猟牙はある日クラスメート共々異世界に召喚されてしまう。異世界の姫に助けを求められクラスメート達に特別なスキルが与えられる中、猟牙にはスキルが一切なく、無能として召喚した姫や王からも蔑まされクラスメートから馬鹿にされる。
しかし実は猟牙には暗殺者としての力が隠されており次々とクラスメートをその手にかけていく。猟牙の強さを知り命乞いすらしてくる生徒にも一切耳を傾けることなく首を刎ね、心臓を握り潰し、頭を砕きついには召喚した姫や王も含め殺し尽くし全てが終わり血の海が広がる中で猟牙は考える。
「そうだ普通に生きていこう」と――だが猟牙がやってきた異世界は過酷な世界でもあった。Fランク冒険者が行う薬草採取ですら命がけな程であり冒険者として10年生きられる物が一割もいないほど、な筈なのだが猟牙の暗殺者の力は凄まじく周りと驚かせることになり猟牙の望む普通の暮らしは別な意味で輝かしいものになっていく――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる