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第16話 澄んだ蒼穹に落ちる-②
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「【死亡推理】、〝Repeat〟!」
刹那、クウナの影が煮えたぎって気化し、この空間は影で満たされた。謎解きの始まりの合図だ。
被害者役は相変わらずクウナで、席の一つに座りながらスマホを弄っている。傍らには影で生成されたキャスター付きの点滴、もといイルリガードルスタンドがあるので、何か持病でもあるのだろう。
(他の椅子にも人はいる。四人、談笑してたり、何かしらの飲み物を呑んだりしていてるな。……俺は相変わらず犯人役なのか?)
俺(犯人)は部屋の墨で突っ立っており、周囲をキョロキョロと見渡している。そして、スタスタと歩いてクウナの横までやってきて、懐から取り出した注射器を大胆不敵に点滴袋に注入した。クウナも他の影も全く気が付いていない様子で、本当に透明人間が犯人のようだ。
そしてその直後、影が解除されて元の空間に戻る。
「あれ? 今回はクウナが死ななかったな」
「ボクのこの能力、殺されるのに数十分かかって十分に推理できる材料がそろっている事件の場合、今みたいに強制的に解除されるんだ」
「色々と制約があるんだな」
クウナは窓辺に腰を掛けておみ足を組んだ後、人差し指で艶やかな銀髪を弄り始める。黙想にふけ、遠くを見つめていた。その一挙手一投足に美を感じるが、そんなのは夜寝る前に浸ればよい。今は事件に集中だ。
共犯者の真事も部屋に招き入れ、話を始める。
「ボク視点では犯人の姿が見えなかったが、レオパくん視点だとどうなっていたんだい?」
「俺が犯人役で、被害者の点滴に注射でなんか注入してたぞ。全くバレてなかったっぽいし、やっぱ透明人間っぽくないか?」
「ふむ、まあそうだねぇ。時に共犯者くん、被害者が苦しみ始めた直後とか、何かトラブルはなかったかな?」
「え……あっ。そ、そういえばキッチンの方から煙が上がって、この部屋のスプリンクラーが作動しました……」
「やっぱりねぇ。となると……よし! 次の事件現場に行くよっ‼」
ピョンという擬音を立てるように、軽やかに座っていた窓辺から地面に足をつけた。俺と真事は名探偵が何を察したのかわからぬまま、軽快な足取りのクウナの後を追う。
歩くことものの数秒、二番目に被害者が出たとされるリビングルームのような部屋へと到着した。暖炉やカーペット、壁には鹿の頭の壁掛けと。俺には想像できないほど良い暮らしをしているのだなと伺える内装である。
クウナは誘戸に目配せし、詳細を話すように促されたので、口を開いた。
「あっ。ふ、二日前の火曜日、ここでは馬場口信音という子が殺されました……。ここの部屋に来た時、何かに足を掴まれたようで、そのまま暖炉に引きずり込まれて燃やされました……」
二人目は焼死、か。足を掴まれて暖炉に引き込まれて殺されるというのはなんとも惨い殺り方だ。
「とっとと犯人暴いてぶん殴りに行こうぜ! 拳が使えなくなるまでぶん殴ってやるわ‼」
「いいね! 君の場合不死身だから拳が使えなくなることはないだろうから、永遠にサンドバック化で最高じゃないか~~!」
「こ、この二人、本当に探偵と助手なの……? 野蛮すぎる……。少しだけ尊敬してたけど返しますぅ……」
顔に三日月が三つできる悪い笑みを浮かべながら、俺たちは悪役のようにケタケタと笑う。今から真犯人の腫れあがった顔が楽しみで仕方がない。ただ、それを叶えるには目の前の事件を解かねばならない。
俺はクウナと目を合わせ、誘戸をこの部屋から追放し、彼女の能力に巻き込まれた。
「ほいっ、【死亡推理】」
彼女の影が充満し、推理が始まる。
俺は部屋ではなく、煙突の上に立ってスマホを片手に持っていた。そのスマホにはあのリビングルームが映っており、クウナが隣にいる誰かと話をしながらこの部屋を歩き、暖炉の近くへと歩みを進めている。
(……なるほど。煙突上で待機して引きずり込んだってわけか)
そして、暖炉の近くまでやってくると、俺は片腕を煙突の中へと突っ込んだ。そしてそれが蠢いて下へと延び、クウナの足首を掴んで暖炉に引きずり込む。そして、何らかの液体が注いだかと思うと、マッチを落として身体が発火して黒い影の炎に包まれた。
クウナは必死に手を伸ばして他の影の住人に助けてと訴えかけるが、希望は塵に埋もれて身体は崩れ落ちてゆく。水をかけようとしているが、もう遅いだろう。そして、
「――お。戻った」
「中々スリリングな殺され方だったかな~」
「あんな殺され方してその感想は怖いぞ……」
異能力の世界から戻ったクウナの言葉に戦々恐々につつ、何があったかの情報交換を始めることに。
「ボク視点ではいきなり透明の何かに足を掴まれて、そのまま暖炉に引きずり込まれたね」
「俺は煙突の上からスマホの画面でこの部屋を監視してて、クウナが暖炉に近づいたら片腕を煙突に突っ込んでさ、うじゅらうじゅら伸ばして引っ張ってたぞ。あとなんかの液体? みたいなの流して、マッチ捨ててバーニングよ」
「腕を伸ばす擬音がキモイ。ふ~む、にしても腕がねぇ。犯人がなんの異人かは大体絞り込めたよ」
「え、早っ⁉ クウナってちゃんと探偵なんだな……」
「ふふん、当たり前だろう! このボクをなめるなよっ‼」
素直に感嘆してパチパチと拍手を送る。しかし、これ以上褒め称えると彼女の鼻が伸びすぎて面倒なことになりそうだったので口にチャックする。
クウナはニヤつきなが顎に手を添えており、事件の真相に着々と近づいているのだろう。
「それじゃあ最後の現場に行こう」
クウナの背中を追い、外で待機していた真事を回収し、最後の事件現場へと向かった。
この事件で最後に殺されたのは、どうやら風呂場だったらしい。大理石の床や、天井に着いているレインシャワーは金がかかっている証拠だ。
誘戸の腕を小突き、詳細の説明を開始させる。
「さ、最後に殺されたのは、蝶野結華という子です……。あの子はこの屋敷のお風呂を特に気に入っていたので『この呪いの屋敷を離れるのは名残惜しいから最後にシャワーを浴びる』と言い、殺されました……。うぅ、結華ちゃんも返してほしいです」
「怪事件が起きている屋敷から離れようとするのは正しかったが、隙を見せちまったってわけか」
この事件で三回目の異能力をクウナが使おうとしたのだが、扉が大きな物音を立てて開き、外から警察官が入ってきた。息を切らし、膝に手を当てて慌てている様子だ。
「め、名探偵のウジナシクウナさん! 大変です! さっき、近所で殺人事件があったそうなのですが、そこで件のクソダサカードもあったそうです‼」
どうやら、まらも被害者が増えたらしい。
刹那、クウナの影が煮えたぎって気化し、この空間は影で満たされた。謎解きの始まりの合図だ。
被害者役は相変わらずクウナで、席の一つに座りながらスマホを弄っている。傍らには影で生成されたキャスター付きの点滴、もといイルリガードルスタンドがあるので、何か持病でもあるのだろう。
(他の椅子にも人はいる。四人、談笑してたり、何かしらの飲み物を呑んだりしていてるな。……俺は相変わらず犯人役なのか?)
俺(犯人)は部屋の墨で突っ立っており、周囲をキョロキョロと見渡している。そして、スタスタと歩いてクウナの横までやってきて、懐から取り出した注射器を大胆不敵に点滴袋に注入した。クウナも他の影も全く気が付いていない様子で、本当に透明人間が犯人のようだ。
そしてその直後、影が解除されて元の空間に戻る。
「あれ? 今回はクウナが死ななかったな」
「ボクのこの能力、殺されるのに数十分かかって十分に推理できる材料がそろっている事件の場合、今みたいに強制的に解除されるんだ」
「色々と制約があるんだな」
クウナは窓辺に腰を掛けておみ足を組んだ後、人差し指で艶やかな銀髪を弄り始める。黙想にふけ、遠くを見つめていた。その一挙手一投足に美を感じるが、そんなのは夜寝る前に浸ればよい。今は事件に集中だ。
共犯者の真事も部屋に招き入れ、話を始める。
「ボク視点では犯人の姿が見えなかったが、レオパくん視点だとどうなっていたんだい?」
「俺が犯人役で、被害者の点滴に注射でなんか注入してたぞ。全くバレてなかったっぽいし、やっぱ透明人間っぽくないか?」
「ふむ、まあそうだねぇ。時に共犯者くん、被害者が苦しみ始めた直後とか、何かトラブルはなかったかな?」
「え……あっ。そ、そういえばキッチンの方から煙が上がって、この部屋のスプリンクラーが作動しました……」
「やっぱりねぇ。となると……よし! 次の事件現場に行くよっ‼」
ピョンという擬音を立てるように、軽やかに座っていた窓辺から地面に足をつけた。俺と真事は名探偵が何を察したのかわからぬまま、軽快な足取りのクウナの後を追う。
歩くことものの数秒、二番目に被害者が出たとされるリビングルームのような部屋へと到着した。暖炉やカーペット、壁には鹿の頭の壁掛けと。俺には想像できないほど良い暮らしをしているのだなと伺える内装である。
クウナは誘戸に目配せし、詳細を話すように促されたので、口を開いた。
「あっ。ふ、二日前の火曜日、ここでは馬場口信音という子が殺されました……。ここの部屋に来た時、何かに足を掴まれたようで、そのまま暖炉に引きずり込まれて燃やされました……」
二人目は焼死、か。足を掴まれて暖炉に引き込まれて殺されるというのはなんとも惨い殺り方だ。
「とっとと犯人暴いてぶん殴りに行こうぜ! 拳が使えなくなるまでぶん殴ってやるわ‼」
「いいね! 君の場合不死身だから拳が使えなくなることはないだろうから、永遠にサンドバック化で最高じゃないか~~!」
「こ、この二人、本当に探偵と助手なの……? 野蛮すぎる……。少しだけ尊敬してたけど返しますぅ……」
顔に三日月が三つできる悪い笑みを浮かべながら、俺たちは悪役のようにケタケタと笑う。今から真犯人の腫れあがった顔が楽しみで仕方がない。ただ、それを叶えるには目の前の事件を解かねばならない。
俺はクウナと目を合わせ、誘戸をこの部屋から追放し、彼女の能力に巻き込まれた。
「ほいっ、【死亡推理】」
彼女の影が充満し、推理が始まる。
俺は部屋ではなく、煙突の上に立ってスマホを片手に持っていた。そのスマホにはあのリビングルームが映っており、クウナが隣にいる誰かと話をしながらこの部屋を歩き、暖炉の近くへと歩みを進めている。
(……なるほど。煙突上で待機して引きずり込んだってわけか)
そして、暖炉の近くまでやってくると、俺は片腕を煙突の中へと突っ込んだ。そしてそれが蠢いて下へと延び、クウナの足首を掴んで暖炉に引きずり込む。そして、何らかの液体が注いだかと思うと、マッチを落として身体が発火して黒い影の炎に包まれた。
クウナは必死に手を伸ばして他の影の住人に助けてと訴えかけるが、希望は塵に埋もれて身体は崩れ落ちてゆく。水をかけようとしているが、もう遅いだろう。そして、
「――お。戻った」
「中々スリリングな殺され方だったかな~」
「あんな殺され方してその感想は怖いぞ……」
異能力の世界から戻ったクウナの言葉に戦々恐々につつ、何があったかの情報交換を始めることに。
「ボク視点ではいきなり透明の何かに足を掴まれて、そのまま暖炉に引きずり込まれたね」
「俺は煙突の上からスマホの画面でこの部屋を監視してて、クウナが暖炉に近づいたら片腕を煙突に突っ込んでさ、うじゅらうじゅら伸ばして引っ張ってたぞ。あとなんかの液体? みたいなの流して、マッチ捨ててバーニングよ」
「腕を伸ばす擬音がキモイ。ふ~む、にしても腕がねぇ。犯人がなんの異人かは大体絞り込めたよ」
「え、早っ⁉ クウナってちゃんと探偵なんだな……」
「ふふん、当たり前だろう! このボクをなめるなよっ‼」
素直に感嘆してパチパチと拍手を送る。しかし、これ以上褒め称えると彼女の鼻が伸びすぎて面倒なことになりそうだったので口にチャックする。
クウナはニヤつきなが顎に手を添えており、事件の真相に着々と近づいているのだろう。
「それじゃあ最後の現場に行こう」
クウナの背中を追い、外で待機していた真事を回収し、最後の事件現場へと向かった。
この事件で最後に殺されたのは、どうやら風呂場だったらしい。大理石の床や、天井に着いているレインシャワーは金がかかっている証拠だ。
誘戸の腕を小突き、詳細の説明を開始させる。
「さ、最後に殺されたのは、蝶野結華という子です……。あの子はこの屋敷のお風呂を特に気に入っていたので『この呪いの屋敷を離れるのは名残惜しいから最後にシャワーを浴びる』と言い、殺されました……。うぅ、結華ちゃんも返してほしいです」
「怪事件が起きている屋敷から離れようとするのは正しかったが、隙を見せちまったってわけか」
この事件で三回目の異能力をクウナが使おうとしたのだが、扉が大きな物音を立てて開き、外から警察官が入ってきた。息を切らし、膝に手を当てて慌てている様子だ。
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