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4巻
4-3
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◇ ◆ ◇
朝食時、ブラン団長に真面目な雰囲気で話しかけられた。この調子ならあと二日ほどで王都に到着しそうなんだって。
ここまで魔物に遭遇しないのは珍しくて、仮にこの先魔物と戦うことになっても大幅なズレは生じないってことだった。
コテージに入ってから、みんなにグレンとポラルにコテージ内の案内をするよう頼んだ。ポラルに関しては今さら感が否めないけど、あのときは気が回らなかったんです。ごめんなさい。
グレンの右肩にクラオル、左肩にグレウス、頭にはポラル、ポワポワと両サイドに浮かぶエルミスとプルトン。グレンのヤンチャな雰囲気も相まって、小動物に好かれるヤンキーみたいな構図でコテージ見学ツアーに向かっていった。みんなを見送った私は鍛冶部屋と書庫に寄り、錬金部屋に入る。一日縮まるとのことだったので、やれることはやっておきたい。
鍛冶部屋から持ってきた石英石や石灰石など数種類の鉱石を使って、本のレシピ通りにポーションの入れ物を作る。イメージは中の液体が劣化しない試験管だ。イメージがしっかりしているとそれだけキレイに成形されていくのがとてもありがたい。試験管を量産したところで、蓋がないことに気が付いた。試験管の蓋といえばコルクだろう。コルク……この世界では見たことがない。存在しているかどうか植物図鑑で確認しようとメニュー画面を開くと、無限収納の項目が光っていることに気が付いた。
(ん? なんだろ? 何か送ってくれた感じ?)
タップして開いた無限収納の画面をスクロールして確認する。何回もスクロールさせて違和感を覚えた。魚、サカナ、さかな……と写真のような画像に加えて多種類の魚の名前が並び、魚ゾーンが終わったと思ったら、今度は木、キ、き……とこれまた画像と共にさまざまな木の名前が並んでいた。さらにその下にはこの世界の世界地図と世界のダンジョンマップがあった。
(ワオ……魚はアクエスパパで木はガイ兄かな? パパ達ありがとうー!)
ありがたくいただこう。お魚は食べたかったし、木は呪淵の森の木しかまともな木を持っていなかったからとても嬉しい。たった今欲していたコルクがあったら最高です。使うとき用に魚はまとめて食材フォルダ、木もマルッと木工フォルダへと移しておく。世界地図とダンジョンマップは一度取り出して確認してみることにした。
(今私がいるキアーロ国がここで……ガルドさん達が言っていたのはアプリークム国だったよね。うわぁ……かなり遠いじゃん)
呪淵の森が地球の一番大きな国くらいはあるって言っていたことを考えるとかなりの距離だ。……見なきゃよかったかもしれない。ダンジョンマップの方は発見済のものと未発見のもの、両方載っていた。刷り込み情報では新たにダンジョンが発生することもあるそうなので、現在の最新情報ってところかな?
二枚の地図は無限収納に戻し、メニュー画面からマップを開いて更新しておく。地図はアップデートされたものの、やはり詳細は一度現地に行かないとわからないみたい。
先ほど木工フォルダに移した木々をチェックしていく。魚は夜にでも。こちらの世界は地球と名称が異なるものが多い。写真があってもどんな木なのかがわからなくて、画面を見ながら鑑定する作業を繰り返す。そして発見! 欲しいものをタイムリーに送ってくれるなんて頼りになる。
地球だとコルクは樹皮だったけど、この世界のコルクモドキは幹が全てコルクだった。ちなみに名称はブッション木。なんで、どうやって成長するの? なんて疑問はナンセンス。だって異世界だから。コルクモドキの木を薄くスライスし、試験管の内径に合わせて風魔法でくり抜く。ちゃんと円錐台にしたからワインのコルクみたいに埋まって抜けない、なんてことにはならないぜ。試験管と蓋に防水加工を施したら、容器の完成! 我ながら上手く作れたんじゃなかろうか?
さぁ、転生が決まったあの瞬間から作りたかったRPGお馴染みのポーション作製ですわよ。部屋に置いてある備品が活躍すること間違いなしだ。
一口コンロよりも小さいコンロに、これまた小さなテーブル型の網をセット。その上にはビーカーを載せる。昔学校でやった理科の実験みたい。本に従い、初級ポーションの材料である薬草三種を出す。サヴァ草、クロバ草、ポポ草だ。風魔法で粉々にしたものをビーカーに入れ、水魔法の水で煮出していく。魔力を注ぎながらマドラーでかき混ぜていると、エフェクトがかかったようにキラキラし始めた。何故光っているのかはわからないけど、こういうものなのかもしれない。そのまま続けていると、一瞬ポワァと光ったと思ったらキラキラが消えた。
これで完成なのかと、ビーカーの中身を濾し、鑑定をかけてみる。
【上等初級ポーション】
・キレイな魔力が注がれた上等初級ポーション
・一般的な初級ポーションよりも回復力が高い
・気力、体力共に回復する
・製作者:セナ・エスリル・ルテーナ
え……マジか。初めて作ったのに上等なんてものができてしまった。しかも製作者の名前まで表示されるの? これ、非表示にできないんかな?
チャレンジあるのみ。同じやり方で、混ぜるときに「名前出るな」と念じる。ポワァッと光ってから濾して鑑定。効能は同じで、最後だけ〝製作者:匿名希望〟と変わっていた。希望なんだね。ちょっと笑っちゃったよ。次は「治れ、名前出るな」と魔力を注ぎ、完成したものに鑑定をかける。
【高等初級ポーション】
・キレイで上質な魔力が注がれた高等初級ポーション
・一般的な初級ポーションよりも回復力が大幅に高い
・気力、体力共に回復する
・回復量は初等中級ポーションに匹敵
・製作者:匿名希望
(おぉ、念じるだけでこんなに変わるのね。中級ポーション並みってすごくない? 面白いわ~)
今度は魔力水を回復魔法である【ヒール】を混ぜたものに変更。もちろん、匿名希望がいいので「治れ、名前出るな」と念じることも忘れずに。
【最上等初級ポーション】
・キレイで上質な魔力がたっぷりと注がれた最上等初級ポーション
・一般的な初級ポーションよりもかなり大幅に回復力が高い
・気力、体力共に大幅に回復する
・回復量は高等中級ポーションに匹敵
・製作者:匿名希望
ん? 一つ前のポーションと結構変わってない? 初等中級から高等中級に一気に上がったんだけど……間の中等中級どこいったん? 回復量については明確じゃなくて目分量って感じなのね。これ、中級ポーションの材料で作ったら、上級ポーションばりの回復薬になるかな? 書庫にあったのは初級編と上級編で、中級ポーションの材料はわかんないんだよね……
なんてことを考えつつ、ひとまず作った四つのポーションを試験管に移して無限収納へ。やり方がわかったので、最上等の初級ポーションを量産することにした。
念話が届くまで集中していた私はクラオルに怒られた。『またご飯のこと忘れてたでしょ!』って。ノックしたのにすぐに私が降りなかったせいでブラン団長達には「体調が悪いのか」と心配されてしまった。それはごめんなさい。ポーション製作が楽しかっただけでございます。余談だけど、グレンまで土まみれで【クリーン】をかける前に三度見くらいしてしまった。
クラオルには『集中しすぎないでよね!』と言われているものの、午後も私は錬金部屋に引きこもりの予定。午前中はポーション作りに費やしたので、マジックポーションとか解毒ポーションとか麻痺解除ポーションとかを作りたいんだよね。なので時間を忘れる可能性が高い。
まずはポーションと同じように教本の指示通りにマジックポーション作り。こちらも等級の異なるものを作り、解毒ポーションと麻痺解除ポーションと順番に完成させる。だんだん面白くなってきた私は解毒ポーションとマジックポーションの材料を混ぜてみたり、ポーションとマジックポーションを混ぜてみたり、材料の中には入っていない薬草を混ぜてみたり、パパ達が無限収納に送ってくれていた薬草を投入したり……と完全に実験に移行していた。
回復系は体力と魔力の両方を回復するポーションや、解毒と体力を回復するポーションなどなど概ね成功を収め、それ以外にも毒薬、麻痺薬、睡眠薬、混乱薬、腹下し……と世の中に放ったらダメなやつまでできてしまった。
(いや~、こんなにゲームみたいにできるなんて。私、才能あるんじゃ……あ、スキルのおかげか。パパ達に感謝しなくちゃ。それにしても錬金って楽しい!)
毒薬で思い出したことがある。ポイズンスライムの核の存在だ。核を砕くことも考えたけど、まずはポーションと同じように魔力水で煮てみることにした。ただ火にかけているだけで魔力水がトロトロに変化。薄紫色なことも相まって、マドラーで混ぜた感じはゆるいブドウ味のゼリー飲料みたい。鑑定結果は〝毒魔水〟。毒の成分が溶けた魔力水ってことだった。
(トロトロしているのはスライムの核だから? 他のスライムも試してみたいな)
先ほどの毒薬を作ったレシピにこの毒水を使ってみると、糜爛毒や腐敗毒、壊死毒に失明薬……なんてさらにヤバいものができてしまった。思わず噴き出しちゃったのは腐臭薬と肥溜め臭薬。飲むと、それぞれ腐った臭いと肥溜めの臭いを体から発するらしいよ。ヤバくない?
クラオルは私が夢中になると予想したようで、全員を連れて夕食の一時間以上も前に錬金部屋に突撃してきた。前科があるだけに何も言えなかったけど、信用がなさすぎて悲しい。
◇ ◆ ◇
今日は作ってから放置していたブラン団長達用の防犯ブザーネックレスの実験だ。クラオル、グレン、エルミスの三人には空間内に散らばってもらい、順番にネックレスに魔力を流してもらう。私は誰から魔力を流すのかは知らない。感じた魔力を頼りに転移を繰り返す。魔力を流した時点で、誰が流したのかはわかる仕様だった。集合したリビングで三人からネックレスを受け取る。
「結界もちゃんと発動してたし、大丈夫そうだね」
『主様……またすごいものを作ったわね……これ、三つってことは騎士団の三人に渡すの?』
「そうそう、そのつもりだよ。なんかヤバいピンチになったときに使ってねって。廃教会を直したから大丈夫だとは思うけど、魔物大量発生とかが起こったり、三人が誰かに襲われたりとかしたときに使えるでしょ? さんざんお世話になったし、三人のピンチなら駆け付けたいじゃん?」
『なるほどね』
「あの三人なら使いどころを間違えることもないだろうから、きっとこれが使われるときは本当に緊急時だと思うんだよね」
『そうね。その点はワタシも信用してるわ』
クラオルが信用しているってことは神達からのお墨付きがあったも同然だ。拾われたのがフレディ副隊長でよかった。
「念話みたいに通信できる魔道具的なものも考えたんだけど……魔道具作りに自信がなかったのと、過保護だから毎日のように連絡がきそうだなって思って」
『あぁ……そうね。想像できるわ』
「最近は少し遠慮されてる気がするから、湖で大きな魔法連発したせいで引かれちゃったのかも」
『それは違うわ。グレンが威嚇してるからよ』
「は⁉ 威嚇⁇」
〈威嚇ではない。威圧だ。セナに近付くなら強くなければな〉
シレッと発言するグレンにちょっと腹が立つ。
「何その理屈。ケガを負った私を保護してくれた人達だよ。得体の知れない私の話を信用して騎士団の宿舎に泊めてくれてたし、さんざんお世話になってるのは私の方。前に宿で説明したでしょ? 心配性だけど優しい三人に威圧なんてするんじゃありません!」
〈むぅ……わかった〉
睨むような目で怒ったからか、渋々でも納得してくれたご様子。それを見ていたクラオルは『だから言ったじゃないの……』と呆れた声で呟いていた。
ネックレスの件は大丈夫だったので、クラオル達とはお昼ご飯までお別れ。彼らはコテージの建物から出ていったので、また砂まみれになると思われる。
キッチンに着いた私は昨夜忘れていたアクエスパパから送られていたお魚のチェック。無限収納を開き、魚に鑑定をかけていく。鰆、鰤、鰹……カツオあるじゃん。かつお節が手に入ったからブシにすることはないけども。鮭、カンパチ、のどぐろ、クエ、鯛、平目……などなど。いろいろ入っていた中でも驚いたのは、海老や蟹などの甲殻類からアサリやシジミなどの貝類が魚の形をしていたこと。どうなってんの? 鮪もあったんだけど、名称が〝クロマグ〟。黒マグロってこと?
鮪を発見したのでレシピアプリで使い勝手のいいアレがあるか調べる。なんとあったよ、ツナ!
(見知らぬ主婦さんありがとう‼)
鑑定結果では総じて〝鮮度抜群・寿司、刺身もOK〟って書かれていたから、トロや大トロは是非ともお寿司かお刺身で食べたい。無限収納内で解体をすると、部位毎にサク状態。中落ちなんてのもあった。無限収納、ホント最高だわ。
ツナはオリーブオイル、塩、臭みを取るハーブの三つだけでできるらしい。案外簡単なことを知った。たっぷりとツナを作っていたら暑くなったのでシャーベットも作った。桃のシャーベット美味しい。これもクラオル達が気に入ってくれそうだ。他のフルーツでも作っておこう。
お昼休憩を挟んだ後も私はキッチンにいた。グレンがピンクオークを気に入っていたから、トンカツも好きそうだなって。
「あー……無限収納にもここにも天ぷら鍋がないじゃん……」
今度作ろうと、今日は代用で違う鍋。この鍋を天ぷら用にしちゃってもいいかもしれない。カツを揚げている最中に思い付いたので、ついでに野菜かき揚げも大量に作った。
そうこうしているうちに夕飯の時間が迫っていた。仕上げはカツ丼だ。パパ達用のやつね。作ったものを入れようとご飯ロッカーを開けると、四神全員のロッカーの中からはネックレスがなくなっていた。受け取ってもらえたみたい。気に入ってくれたらいいな。
夜ご飯は魚のアサリが気になったのでクラムチャウダー。解体したら、やっぱりサクだったよ。
「これはミルクスープですか?」
フレディ副隊長が喜色を浮かべている。ビシソワーズもそうだけど、ミルク入り好きだもんね。
「ううん。クラムチャウダーってやつ。モウミルクは使うけど、味が違うの」
「そうですか。楽しみです。こちらは……?」
「お魚だよ。パパがくれた荷物の中にあったから」
「これが魚……」
「あ、これはもう解体してあるやつ」
こっちでのアサリの名称が思い出せなくて誤魔化したんだけど、それより形状の方の説明に納得したらしい。聞くと、キアーロ国は内陸の国で、カリダの街や王都の周りには川もなく、あんまり魚に馴染みがないんだって。そのせいでキアーロ国ではわりと高級品に分類されているとのこと。そういえばカリダの街でウロウロしていた範囲では見かけなかったわ。
食べ始めるときには全員がソワソワしていた。魚を使っているから、味が気になるみたい。味は……アサリの出汁がしっかり出ていて、ちゃんとクラムチャウダーだった。トロトロで体が温まる。味も遜色ないし、食感もアサリのような弾力があって、見た目を気にしなければ魚だったとは思わないんじゃなかろうか。みんな気に入ったみたいでよかった。ただ一つ問題があるとすれば、御者さんが涙を流していたこと。毎日拝まれているとは思っていたけど、ついに限界か? 大丈夫? 何も言われていないし、ブラン団長達も触れないから大丈夫だと思いたい。
◇ ◆ ◇
本日中に王都に着く予定である。今日もクラオル達とは別行動だ。昨日おかずを作ったので今日はおやつ。ポラルと一緒に作ったアレが活躍する予定でございます。
カリダの街を出る直前に買ったさつまいもを氷魔法と空間魔法を使って時間経過させ、熟成。コンロをフル活用して蒸かす。その間にラスクやポテトチップスを作っていく。大量に作っていると時間はあっという間に過ぎていた。蒸かしの次は蒸らし。蒸らしたさつまいもの皮を熱々のまま剥き、ここでポラルと作った干し芋スライサーである、裁断器が登場! このスライサーでカットしたものをネット状に糸を張った木枠に並べていく。これを生活魔法の【ヒート】と氷魔法で寒暖差を表現しながら、空間魔法で時間経過させれば、私の大好物である干し芋の完成‼
「うまっ! しっとり感がたまらん。やっぱ王道の平干しがいいね。異論は認める」
味見のはずだったのに三枚も食べてしまった。
さて、最後の昼食です。クラオルからのリクエストで醤油と味噌を使ったものが食べたいとのことだったので、具沢山お味噌汁と豚肉の照り焼きに決定。フレディ副隊長とパブロさんの手伝いは遠慮したけど、グレンには串焼きを頼んだ。二人が手伝わないことへのグレンの不満はクラオルが黙らせた。クラオルさんつおい……
照り焼きを焼き始めたあたりで、匂いに釣られたのか完全に注目を集めていた。いつもなら声をかけるまでそれぞれ好きなことをしているのに、今日は今か今かと完成を待っていらっしゃった。
そんな昼食は……戦争でございました。鍋、もう一つ追加した方がよかったかも、と思うくらいには。いつも二杯程度だった御者さん達も三杯以上食べていた。しかもね、フーフー、ハフハフっていう擬音語か、「あぁ……」っていう感嘆詞しか聞こえてこなかったの。本気度が窺えるよね。
「あの魅惑の味付けはなんですか?」
「スープはおみそし……ミソスープでミソの実、お肉がぶ……オークの照り焼きでショユの実だよ」
「「「「「「!」」」」」」
「あれが⁉ あれ、本当にミソの実とショユの実なの⁉」
「う、うん。他にも調味料が入ってるから、それだけじゃないけど……」
パブロさんの勢いに若干恐怖を感じる。ガルドさん達も「しょっぱくて食べられたもんじゃない」って言ってたもんなぁ。照り焼きにみりん使っちゃったから味の再現をするとなると、砂糖かハチミツと……なんだろ? 日本だと日本酒なんだよな……
「んと、ミソスープの方なら再現できるんじゃないかな? 千切った干し肉と一緒にミソの実を入れれば似た感じになると思う」
「ホント⁉」
「うん。ショユの実の方は炒め物かな? ちょっとずつ入れて好きな濃さにすればいいと思う」
「……なるほど。それなら野営でも宿舎でもできそうだ」
「あ、木に実ってるやつは全部収穫しちゃうと次ができにくくなるかもらしいから、そこだけ気を付けてね」
「……承知した。それも含めて隊員達に伝えておこう」
ブラン団長達も飽きてないワケじゃなかったんだね。今回の道中で食べたスープ、マネしてもいいんだよ? 昨日のクラムチャウダー以外ならカリダの街で手に入る材料だよ。
昼食後、私は鍛冶部屋でケーキ型、タルト型、マドレーヌ型を作製した。急いでいたせいもあるとは思うものの、全部魔力頼みの方法だからか、大きなものを作るときには魔力をめちゃくちゃ消費することを学んだ。
第二話 キアーロ国王都 ベトヴァウム到着
門を通過してからしばらくすると、再びノック音がした。もう降りるらしい。降りたのはいいものの、王城の門からほど近い場所だった。着いた際の報告は私抜きで行ってくれるって話になってたじゃん。お城で寝泊まりも嫌だから宿を取ってくれるって言ってたよね⁇
「……俺達は報告に向かう。宿はパブロが案内する。また後で合流しよう」
「わかった!」
私の頭を撫でたブラン団長達とフレディ副隊長はお城へと向かっていった。それを見送った私は約束を守ってもらえることにホッと胸を撫で下ろした。
パブロさんにはちょっと待っていてもらい、ここまで頑張ってくれた六頭の魔馬達に【ヒール】をかけ、お礼を伝える。顔を擦り寄せてくるのが可愛い。御者さんにはお礼のポーションを渡したんだけど……今まで耐えていたものが決壊したかのように泣かれてしまった。しかも拝みながら。
御者さんいわく、普通御者は〝いない者〟として扱われるそう。護衛依頼などで自分が雇い主となればそのようなことはないけれど、今回のような〝雇われ御者〟なんかだと野営中もスープなど配られないし、食事は自前が当たり前。冒険者と一緒に戦わなければいけないこともあるんだって。
「ブラン様方はお優しいので過去も戦いに参加することはなかったのですが……温かく、珍しく、しかも美味しいスープやパンをいただき、夜も絶対的な安全を保障された眠りにつけるなど、この仕事を始めてから初めてのことですぅぅぅ……」
語る御者さんの後ろで、様子を窺っていた二人の御者さんまで首がもげるんじゃないかと心配になるほどブンブンと頷いている。三人共すごい顔で涙を流していることに引いたのか、グレンに手を引かれ、彼らから一歩離された。
「そうなんだね……私はお馬さんの気持ちがわかるってとても素敵なお仕事だと思うよ。この先も大変なことが多いと思うけど、お馬さんと仲よく乗り切ってほしいな」
待遇が気になるところだけど、無責任ながら頑張ってとしか言えない。あとでブラン団長達に言っておこう。騎士団だけでも意識改革ができたらいいな。
「はいっ! 我ら一同感謝しております。一生忘れません!」
「いや、忘れてもいいから体大事にして。ケガしたらさっきのポーション使ってね」
「ありがとうございます……ありがとうございます……」
私のセリフで御者さん達は余計に泣き出してしまい、私はグレンに抱えられた。
〈せいぜい励め。そろそろ行くぞ〉
「あ、元気でね~」
歩き出したグレンの腕の中から手を振る。御者さん達はグレンの偉そうな態度も気にならないみたいで、滂沱の涙を腕でゴシゴシと拭いながらも私に手を振り返してくれた。
パブロさんによると、街の中心から少し北寄りに王城が建っていて、その王城を囲むように貴族エリアが広がっている。東西南北に出入口の門があるものの、北門の使用にはお偉いさんの許可が必要で、西門を使用しているのは主に貴族。今回は王様からのお呼び出しっていう名目があるから、西門から入ったそう。一般人や冒険者が普段使用しているのは東門と南門で、冒険者ギルドもその二つの門の近くに一つずつ。貴族エリアには平民や冒険者エリアでは取り扱っていないものや、高級品を扱う商店がある。ぼったくりもあるけど、基本的には質がいいものが多い。大通りはスリが多いけど、人目がある分、誘拐なんかの可能性は下がるから、街中の移動は大きな通りを使った方がいい。街の南東と南西には貧民街とスラムが存在しているんだって。買い物はちゃんと見て、スラムには近付かないように……ってよくよく言い聞かせられてしまった。
今、私達が歩いているのはお城から真っ直ぐ南に伸びる道。王都一番の大通りだそう。貴族エリアだからか歩いている人は少ない。カリダの街でも貴族エリアに近付いたのはカメーディさんのところで草刈りをしたときくらい。あまりこの辺には近寄りたくない。カリダの街も広いと思っていたけど、ここはもっと広そうだ。さすが王都ってところ?
貴族エリアと平民エリアを分けている大きな交差点を一度東に曲がり、少し進んだところにある立派な建物にパブロさんが入っていく。入口で手招きされ、後ろに続いて入ることになった。カッチリとスーツを着こなした真面目そうなおじさんにパブロさんが何かを見せている間に、私はグレンの腕の中からキョロキョロ。
(ここ宿? めっちゃ高そうなんだけど……)
入口正面にはカウンターがあり、壁沿いにはソファが並べられている。右側の低い壁の向こうはカフェスペースらしく、テーブルセットが見えた。外観もそうだけど、壁にかけられた絵画も置いてある壺も何もかもが高級そうで気後れしてしまう。
「セナさーん」
入口近くで止まっていた私達をパブロさんが呼ぶ。
「この子がセナさんで、セナさんを抱えているのは彼女の従魔ね」
「かしこまりました。セナ様、初めまして。私はベーネ。当宿、【渡り鳥】の責任者をしております。どうぞよろしくお願いいたします」
「えっと……おねがい、します?」
自己紹介をした後キレイな所作で頭を下げられ、困惑したまま返したら疑問形になってしまった。
「セナさん、ここ、セナさん達が泊まる宿だよ」
「……えぇ⁉ いやいや、もっと普通のとこで充分だよ!」
パブロさんの説明を一拍遅れて理解した私は、衝撃を受けて勢いよく答えた。
「ダメだよー。普通のとこなんかに行ったら冒険者がいっぱいいるんだから! ここなら泊まる冒険者も変なやつはいないから安心だよ」
(いやいや、お財布が安心できないよ!)
「わ、私も冒険者だよ……?」
「他だと、貴族が多い宿になっちゃうよ? セナさん貴族嫌いでしょ? それとも城に泊まる?」
「えぇ……実質選択肢ないじゃん……どうしても普通の宿に泊まるのはダメなの?」
「うーん、国王に呼ばれているから、本来なら賓客として城に泊まるのが恒例なんだ。賓客を冒険者だらけのところに泊まらせるのも問題だし、カリダの街とは違うから、僕達的にも信用できるところに泊まってほしいんだよねー。やっぱり城にする?」
「ココガイイデス……」
選択肢がなさすぎるよ。カタコトで返した私にニッコリと笑顔を向けてきたパブロさんは、さらにとんでもないことを口にした。
「うんうん、よかった。セナさんのご飯が世界一だけど、ここの食事も美味しいよ。欲しいものがあったら、この人に頼んでね。手配してくれるから。宿泊費はもちろん、そうやって頼んだものは城が払うから一切お金は払わなくて大丈夫だし、いっぱい頼んでも問題ないよ」
待遇がよすぎて後が怖いです。普通の暮らしがいい。身の丈に合った生活が一番だよ。そう言うと、何故かパブロさんは感動した様子でグレンごと抱きしめてきた。グレンが暑苦しいって拒否ってすぐ終わったけれど。ドコらへんが琴線に触れたのか謎だ。
私が納得したところで、ベーネさんに言われてサインを書いた。本当なら泊まる人全員が名前を記入するらしい。でも私の場合、グレン達は従魔だから必要ないんだって。案内してくれるというベーネさんに続いて私を抱えたままのグレンが階段を上る。
「セナ様の安全を考え、四階のこちら、四〇五の部屋となります」
部屋に入った瞬間、【切り株亭】のときと同じく、パブロさんが安全を確認し始めた。
《((セナちゃん、この部屋以外にベッドルームが二つ、あとはシャワールームとトイレだったわ。特に何か仕掛けられてることもなさそうよ))》
プルトンから念話が飛んできた。いつの間にか部屋を見て回っていたみたい。プルトンの報告を受けてから十分以上経ってパブロさんが戻ってきた。
「大丈夫だったよ」
「それは私めも安心いたしました。セナ様のお食事は朝食と夕食でよろしいでしょうか?」
「うん、お願いします」
「かしこまりました。食事は部屋にお持ちいたします。この後はお出かけになられますか?」
わからないのでパブロさんを見る。
「うん、先に宿を確保してって言われたから来たんだ。今日は夕食も済ませてくるつもり」
いつの間にか今日の予定が決まっていた。いや、いいんだけどさ。
朝食時、ブラン団長に真面目な雰囲気で話しかけられた。この調子ならあと二日ほどで王都に到着しそうなんだって。
ここまで魔物に遭遇しないのは珍しくて、仮にこの先魔物と戦うことになっても大幅なズレは生じないってことだった。
コテージに入ってから、みんなにグレンとポラルにコテージ内の案内をするよう頼んだ。ポラルに関しては今さら感が否めないけど、あのときは気が回らなかったんです。ごめんなさい。
グレンの右肩にクラオル、左肩にグレウス、頭にはポラル、ポワポワと両サイドに浮かぶエルミスとプルトン。グレンのヤンチャな雰囲気も相まって、小動物に好かれるヤンキーみたいな構図でコテージ見学ツアーに向かっていった。みんなを見送った私は鍛冶部屋と書庫に寄り、錬金部屋に入る。一日縮まるとのことだったので、やれることはやっておきたい。
鍛冶部屋から持ってきた石英石や石灰石など数種類の鉱石を使って、本のレシピ通りにポーションの入れ物を作る。イメージは中の液体が劣化しない試験管だ。イメージがしっかりしているとそれだけキレイに成形されていくのがとてもありがたい。試験管を量産したところで、蓋がないことに気が付いた。試験管の蓋といえばコルクだろう。コルク……この世界では見たことがない。存在しているかどうか植物図鑑で確認しようとメニュー画面を開くと、無限収納の項目が光っていることに気が付いた。
(ん? なんだろ? 何か送ってくれた感じ?)
タップして開いた無限収納の画面をスクロールして確認する。何回もスクロールさせて違和感を覚えた。魚、サカナ、さかな……と写真のような画像に加えて多種類の魚の名前が並び、魚ゾーンが終わったと思ったら、今度は木、キ、き……とこれまた画像と共にさまざまな木の名前が並んでいた。さらにその下にはこの世界の世界地図と世界のダンジョンマップがあった。
(ワオ……魚はアクエスパパで木はガイ兄かな? パパ達ありがとうー!)
ありがたくいただこう。お魚は食べたかったし、木は呪淵の森の木しかまともな木を持っていなかったからとても嬉しい。たった今欲していたコルクがあったら最高です。使うとき用に魚はまとめて食材フォルダ、木もマルッと木工フォルダへと移しておく。世界地図とダンジョンマップは一度取り出して確認してみることにした。
(今私がいるキアーロ国がここで……ガルドさん達が言っていたのはアプリークム国だったよね。うわぁ……かなり遠いじゃん)
呪淵の森が地球の一番大きな国くらいはあるって言っていたことを考えるとかなりの距離だ。……見なきゃよかったかもしれない。ダンジョンマップの方は発見済のものと未発見のもの、両方載っていた。刷り込み情報では新たにダンジョンが発生することもあるそうなので、現在の最新情報ってところかな?
二枚の地図は無限収納に戻し、メニュー画面からマップを開いて更新しておく。地図はアップデートされたものの、やはり詳細は一度現地に行かないとわからないみたい。
先ほど木工フォルダに移した木々をチェックしていく。魚は夜にでも。こちらの世界は地球と名称が異なるものが多い。写真があってもどんな木なのかがわからなくて、画面を見ながら鑑定する作業を繰り返す。そして発見! 欲しいものをタイムリーに送ってくれるなんて頼りになる。
地球だとコルクは樹皮だったけど、この世界のコルクモドキは幹が全てコルクだった。ちなみに名称はブッション木。なんで、どうやって成長するの? なんて疑問はナンセンス。だって異世界だから。コルクモドキの木を薄くスライスし、試験管の内径に合わせて風魔法でくり抜く。ちゃんと円錐台にしたからワインのコルクみたいに埋まって抜けない、なんてことにはならないぜ。試験管と蓋に防水加工を施したら、容器の完成! 我ながら上手く作れたんじゃなかろうか?
さぁ、転生が決まったあの瞬間から作りたかったRPGお馴染みのポーション作製ですわよ。部屋に置いてある備品が活躍すること間違いなしだ。
一口コンロよりも小さいコンロに、これまた小さなテーブル型の網をセット。その上にはビーカーを載せる。昔学校でやった理科の実験みたい。本に従い、初級ポーションの材料である薬草三種を出す。サヴァ草、クロバ草、ポポ草だ。風魔法で粉々にしたものをビーカーに入れ、水魔法の水で煮出していく。魔力を注ぎながらマドラーでかき混ぜていると、エフェクトがかかったようにキラキラし始めた。何故光っているのかはわからないけど、こういうものなのかもしれない。そのまま続けていると、一瞬ポワァと光ったと思ったらキラキラが消えた。
これで完成なのかと、ビーカーの中身を濾し、鑑定をかけてみる。
【上等初級ポーション】
・キレイな魔力が注がれた上等初級ポーション
・一般的な初級ポーションよりも回復力が高い
・気力、体力共に回復する
・製作者:セナ・エスリル・ルテーナ
え……マジか。初めて作ったのに上等なんてものができてしまった。しかも製作者の名前まで表示されるの? これ、非表示にできないんかな?
チャレンジあるのみ。同じやり方で、混ぜるときに「名前出るな」と念じる。ポワァッと光ってから濾して鑑定。効能は同じで、最後だけ〝製作者:匿名希望〟と変わっていた。希望なんだね。ちょっと笑っちゃったよ。次は「治れ、名前出るな」と魔力を注ぎ、完成したものに鑑定をかける。
【高等初級ポーション】
・キレイで上質な魔力が注がれた高等初級ポーション
・一般的な初級ポーションよりも回復力が大幅に高い
・気力、体力共に回復する
・回復量は初等中級ポーションに匹敵
・製作者:匿名希望
(おぉ、念じるだけでこんなに変わるのね。中級ポーション並みってすごくない? 面白いわ~)
今度は魔力水を回復魔法である【ヒール】を混ぜたものに変更。もちろん、匿名希望がいいので「治れ、名前出るな」と念じることも忘れずに。
【最上等初級ポーション】
・キレイで上質な魔力がたっぷりと注がれた最上等初級ポーション
・一般的な初級ポーションよりもかなり大幅に回復力が高い
・気力、体力共に大幅に回復する
・回復量は高等中級ポーションに匹敵
・製作者:匿名希望
ん? 一つ前のポーションと結構変わってない? 初等中級から高等中級に一気に上がったんだけど……間の中等中級どこいったん? 回復量については明確じゃなくて目分量って感じなのね。これ、中級ポーションの材料で作ったら、上級ポーションばりの回復薬になるかな? 書庫にあったのは初級編と上級編で、中級ポーションの材料はわかんないんだよね……
なんてことを考えつつ、ひとまず作った四つのポーションを試験管に移して無限収納へ。やり方がわかったので、最上等の初級ポーションを量産することにした。
念話が届くまで集中していた私はクラオルに怒られた。『またご飯のこと忘れてたでしょ!』って。ノックしたのにすぐに私が降りなかったせいでブラン団長達には「体調が悪いのか」と心配されてしまった。それはごめんなさい。ポーション製作が楽しかっただけでございます。余談だけど、グレンまで土まみれで【クリーン】をかける前に三度見くらいしてしまった。
クラオルには『集中しすぎないでよね!』と言われているものの、午後も私は錬金部屋に引きこもりの予定。午前中はポーション作りに費やしたので、マジックポーションとか解毒ポーションとか麻痺解除ポーションとかを作りたいんだよね。なので時間を忘れる可能性が高い。
まずはポーションと同じように教本の指示通りにマジックポーション作り。こちらも等級の異なるものを作り、解毒ポーションと麻痺解除ポーションと順番に完成させる。だんだん面白くなってきた私は解毒ポーションとマジックポーションの材料を混ぜてみたり、ポーションとマジックポーションを混ぜてみたり、材料の中には入っていない薬草を混ぜてみたり、パパ達が無限収納に送ってくれていた薬草を投入したり……と完全に実験に移行していた。
回復系は体力と魔力の両方を回復するポーションや、解毒と体力を回復するポーションなどなど概ね成功を収め、それ以外にも毒薬、麻痺薬、睡眠薬、混乱薬、腹下し……と世の中に放ったらダメなやつまでできてしまった。
(いや~、こんなにゲームみたいにできるなんて。私、才能あるんじゃ……あ、スキルのおかげか。パパ達に感謝しなくちゃ。それにしても錬金って楽しい!)
毒薬で思い出したことがある。ポイズンスライムの核の存在だ。核を砕くことも考えたけど、まずはポーションと同じように魔力水で煮てみることにした。ただ火にかけているだけで魔力水がトロトロに変化。薄紫色なことも相まって、マドラーで混ぜた感じはゆるいブドウ味のゼリー飲料みたい。鑑定結果は〝毒魔水〟。毒の成分が溶けた魔力水ってことだった。
(トロトロしているのはスライムの核だから? 他のスライムも試してみたいな)
先ほどの毒薬を作ったレシピにこの毒水を使ってみると、糜爛毒や腐敗毒、壊死毒に失明薬……なんてさらにヤバいものができてしまった。思わず噴き出しちゃったのは腐臭薬と肥溜め臭薬。飲むと、それぞれ腐った臭いと肥溜めの臭いを体から発するらしいよ。ヤバくない?
クラオルは私が夢中になると予想したようで、全員を連れて夕食の一時間以上も前に錬金部屋に突撃してきた。前科があるだけに何も言えなかったけど、信用がなさすぎて悲しい。
◇ ◆ ◇
今日は作ってから放置していたブラン団長達用の防犯ブザーネックレスの実験だ。クラオル、グレン、エルミスの三人には空間内に散らばってもらい、順番にネックレスに魔力を流してもらう。私は誰から魔力を流すのかは知らない。感じた魔力を頼りに転移を繰り返す。魔力を流した時点で、誰が流したのかはわかる仕様だった。集合したリビングで三人からネックレスを受け取る。
「結界もちゃんと発動してたし、大丈夫そうだね」
『主様……またすごいものを作ったわね……これ、三つってことは騎士団の三人に渡すの?』
「そうそう、そのつもりだよ。なんかヤバいピンチになったときに使ってねって。廃教会を直したから大丈夫だとは思うけど、魔物大量発生とかが起こったり、三人が誰かに襲われたりとかしたときに使えるでしょ? さんざんお世話になったし、三人のピンチなら駆け付けたいじゃん?」
『なるほどね』
「あの三人なら使いどころを間違えることもないだろうから、きっとこれが使われるときは本当に緊急時だと思うんだよね」
『そうね。その点はワタシも信用してるわ』
クラオルが信用しているってことは神達からのお墨付きがあったも同然だ。拾われたのがフレディ副隊長でよかった。
「念話みたいに通信できる魔道具的なものも考えたんだけど……魔道具作りに自信がなかったのと、過保護だから毎日のように連絡がきそうだなって思って」
『あぁ……そうね。想像できるわ』
「最近は少し遠慮されてる気がするから、湖で大きな魔法連発したせいで引かれちゃったのかも」
『それは違うわ。グレンが威嚇してるからよ』
「は⁉ 威嚇⁇」
〈威嚇ではない。威圧だ。セナに近付くなら強くなければな〉
シレッと発言するグレンにちょっと腹が立つ。
「何その理屈。ケガを負った私を保護してくれた人達だよ。得体の知れない私の話を信用して騎士団の宿舎に泊めてくれてたし、さんざんお世話になってるのは私の方。前に宿で説明したでしょ? 心配性だけど優しい三人に威圧なんてするんじゃありません!」
〈むぅ……わかった〉
睨むような目で怒ったからか、渋々でも納得してくれたご様子。それを見ていたクラオルは『だから言ったじゃないの……』と呆れた声で呟いていた。
ネックレスの件は大丈夫だったので、クラオル達とはお昼ご飯までお別れ。彼らはコテージの建物から出ていったので、また砂まみれになると思われる。
キッチンに着いた私は昨夜忘れていたアクエスパパから送られていたお魚のチェック。無限収納を開き、魚に鑑定をかけていく。鰆、鰤、鰹……カツオあるじゃん。かつお節が手に入ったからブシにすることはないけども。鮭、カンパチ、のどぐろ、クエ、鯛、平目……などなど。いろいろ入っていた中でも驚いたのは、海老や蟹などの甲殻類からアサリやシジミなどの貝類が魚の形をしていたこと。どうなってんの? 鮪もあったんだけど、名称が〝クロマグ〟。黒マグロってこと?
鮪を発見したのでレシピアプリで使い勝手のいいアレがあるか調べる。なんとあったよ、ツナ!
(見知らぬ主婦さんありがとう‼)
鑑定結果では総じて〝鮮度抜群・寿司、刺身もOK〟って書かれていたから、トロや大トロは是非ともお寿司かお刺身で食べたい。無限収納内で解体をすると、部位毎にサク状態。中落ちなんてのもあった。無限収納、ホント最高だわ。
ツナはオリーブオイル、塩、臭みを取るハーブの三つだけでできるらしい。案外簡単なことを知った。たっぷりとツナを作っていたら暑くなったのでシャーベットも作った。桃のシャーベット美味しい。これもクラオル達が気に入ってくれそうだ。他のフルーツでも作っておこう。
お昼休憩を挟んだ後も私はキッチンにいた。グレンがピンクオークを気に入っていたから、トンカツも好きそうだなって。
「あー……無限収納にもここにも天ぷら鍋がないじゃん……」
今度作ろうと、今日は代用で違う鍋。この鍋を天ぷら用にしちゃってもいいかもしれない。カツを揚げている最中に思い付いたので、ついでに野菜かき揚げも大量に作った。
そうこうしているうちに夕飯の時間が迫っていた。仕上げはカツ丼だ。パパ達用のやつね。作ったものを入れようとご飯ロッカーを開けると、四神全員のロッカーの中からはネックレスがなくなっていた。受け取ってもらえたみたい。気に入ってくれたらいいな。
夜ご飯は魚のアサリが気になったのでクラムチャウダー。解体したら、やっぱりサクだったよ。
「これはミルクスープですか?」
フレディ副隊長が喜色を浮かべている。ビシソワーズもそうだけど、ミルク入り好きだもんね。
「ううん。クラムチャウダーってやつ。モウミルクは使うけど、味が違うの」
「そうですか。楽しみです。こちらは……?」
「お魚だよ。パパがくれた荷物の中にあったから」
「これが魚……」
「あ、これはもう解体してあるやつ」
こっちでのアサリの名称が思い出せなくて誤魔化したんだけど、それより形状の方の説明に納得したらしい。聞くと、キアーロ国は内陸の国で、カリダの街や王都の周りには川もなく、あんまり魚に馴染みがないんだって。そのせいでキアーロ国ではわりと高級品に分類されているとのこと。そういえばカリダの街でウロウロしていた範囲では見かけなかったわ。
食べ始めるときには全員がソワソワしていた。魚を使っているから、味が気になるみたい。味は……アサリの出汁がしっかり出ていて、ちゃんとクラムチャウダーだった。トロトロで体が温まる。味も遜色ないし、食感もアサリのような弾力があって、見た目を気にしなければ魚だったとは思わないんじゃなかろうか。みんな気に入ったみたいでよかった。ただ一つ問題があるとすれば、御者さんが涙を流していたこと。毎日拝まれているとは思っていたけど、ついに限界か? 大丈夫? 何も言われていないし、ブラン団長達も触れないから大丈夫だと思いたい。
◇ ◆ ◇
本日中に王都に着く予定である。今日もクラオル達とは別行動だ。昨日おかずを作ったので今日はおやつ。ポラルと一緒に作ったアレが活躍する予定でございます。
カリダの街を出る直前に買ったさつまいもを氷魔法と空間魔法を使って時間経過させ、熟成。コンロをフル活用して蒸かす。その間にラスクやポテトチップスを作っていく。大量に作っていると時間はあっという間に過ぎていた。蒸かしの次は蒸らし。蒸らしたさつまいもの皮を熱々のまま剥き、ここでポラルと作った干し芋スライサーである、裁断器が登場! このスライサーでカットしたものをネット状に糸を張った木枠に並べていく。これを生活魔法の【ヒート】と氷魔法で寒暖差を表現しながら、空間魔法で時間経過させれば、私の大好物である干し芋の完成‼
「うまっ! しっとり感がたまらん。やっぱ王道の平干しがいいね。異論は認める」
味見のはずだったのに三枚も食べてしまった。
さて、最後の昼食です。クラオルからのリクエストで醤油と味噌を使ったものが食べたいとのことだったので、具沢山お味噌汁と豚肉の照り焼きに決定。フレディ副隊長とパブロさんの手伝いは遠慮したけど、グレンには串焼きを頼んだ。二人が手伝わないことへのグレンの不満はクラオルが黙らせた。クラオルさんつおい……
照り焼きを焼き始めたあたりで、匂いに釣られたのか完全に注目を集めていた。いつもなら声をかけるまでそれぞれ好きなことをしているのに、今日は今か今かと完成を待っていらっしゃった。
そんな昼食は……戦争でございました。鍋、もう一つ追加した方がよかったかも、と思うくらいには。いつも二杯程度だった御者さん達も三杯以上食べていた。しかもね、フーフー、ハフハフっていう擬音語か、「あぁ……」っていう感嘆詞しか聞こえてこなかったの。本気度が窺えるよね。
「あの魅惑の味付けはなんですか?」
「スープはおみそし……ミソスープでミソの実、お肉がぶ……オークの照り焼きでショユの実だよ」
「「「「「「!」」」」」」
「あれが⁉ あれ、本当にミソの実とショユの実なの⁉」
「う、うん。他にも調味料が入ってるから、それだけじゃないけど……」
パブロさんの勢いに若干恐怖を感じる。ガルドさん達も「しょっぱくて食べられたもんじゃない」って言ってたもんなぁ。照り焼きにみりん使っちゃったから味の再現をするとなると、砂糖かハチミツと……なんだろ? 日本だと日本酒なんだよな……
「んと、ミソスープの方なら再現できるんじゃないかな? 千切った干し肉と一緒にミソの実を入れれば似た感じになると思う」
「ホント⁉」
「うん。ショユの実の方は炒め物かな? ちょっとずつ入れて好きな濃さにすればいいと思う」
「……なるほど。それなら野営でも宿舎でもできそうだ」
「あ、木に実ってるやつは全部収穫しちゃうと次ができにくくなるかもらしいから、そこだけ気を付けてね」
「……承知した。それも含めて隊員達に伝えておこう」
ブラン団長達も飽きてないワケじゃなかったんだね。今回の道中で食べたスープ、マネしてもいいんだよ? 昨日のクラムチャウダー以外ならカリダの街で手に入る材料だよ。
昼食後、私は鍛冶部屋でケーキ型、タルト型、マドレーヌ型を作製した。急いでいたせいもあるとは思うものの、全部魔力頼みの方法だからか、大きなものを作るときには魔力をめちゃくちゃ消費することを学んだ。
第二話 キアーロ国王都 ベトヴァウム到着
門を通過してからしばらくすると、再びノック音がした。もう降りるらしい。降りたのはいいものの、王城の門からほど近い場所だった。着いた際の報告は私抜きで行ってくれるって話になってたじゃん。お城で寝泊まりも嫌だから宿を取ってくれるって言ってたよね⁇
「……俺達は報告に向かう。宿はパブロが案内する。また後で合流しよう」
「わかった!」
私の頭を撫でたブラン団長達とフレディ副隊長はお城へと向かっていった。それを見送った私は約束を守ってもらえることにホッと胸を撫で下ろした。
パブロさんにはちょっと待っていてもらい、ここまで頑張ってくれた六頭の魔馬達に【ヒール】をかけ、お礼を伝える。顔を擦り寄せてくるのが可愛い。御者さんにはお礼のポーションを渡したんだけど……今まで耐えていたものが決壊したかのように泣かれてしまった。しかも拝みながら。
御者さんいわく、普通御者は〝いない者〟として扱われるそう。護衛依頼などで自分が雇い主となればそのようなことはないけれど、今回のような〝雇われ御者〟なんかだと野営中もスープなど配られないし、食事は自前が当たり前。冒険者と一緒に戦わなければいけないこともあるんだって。
「ブラン様方はお優しいので過去も戦いに参加することはなかったのですが……温かく、珍しく、しかも美味しいスープやパンをいただき、夜も絶対的な安全を保障された眠りにつけるなど、この仕事を始めてから初めてのことですぅぅぅ……」
語る御者さんの後ろで、様子を窺っていた二人の御者さんまで首がもげるんじゃないかと心配になるほどブンブンと頷いている。三人共すごい顔で涙を流していることに引いたのか、グレンに手を引かれ、彼らから一歩離された。
「そうなんだね……私はお馬さんの気持ちがわかるってとても素敵なお仕事だと思うよ。この先も大変なことが多いと思うけど、お馬さんと仲よく乗り切ってほしいな」
待遇が気になるところだけど、無責任ながら頑張ってとしか言えない。あとでブラン団長達に言っておこう。騎士団だけでも意識改革ができたらいいな。
「はいっ! 我ら一同感謝しております。一生忘れません!」
「いや、忘れてもいいから体大事にして。ケガしたらさっきのポーション使ってね」
「ありがとうございます……ありがとうございます……」
私のセリフで御者さん達は余計に泣き出してしまい、私はグレンに抱えられた。
〈せいぜい励め。そろそろ行くぞ〉
「あ、元気でね~」
歩き出したグレンの腕の中から手を振る。御者さん達はグレンの偉そうな態度も気にならないみたいで、滂沱の涙を腕でゴシゴシと拭いながらも私に手を振り返してくれた。
パブロさんによると、街の中心から少し北寄りに王城が建っていて、その王城を囲むように貴族エリアが広がっている。東西南北に出入口の門があるものの、北門の使用にはお偉いさんの許可が必要で、西門を使用しているのは主に貴族。今回は王様からのお呼び出しっていう名目があるから、西門から入ったそう。一般人や冒険者が普段使用しているのは東門と南門で、冒険者ギルドもその二つの門の近くに一つずつ。貴族エリアには平民や冒険者エリアでは取り扱っていないものや、高級品を扱う商店がある。ぼったくりもあるけど、基本的には質がいいものが多い。大通りはスリが多いけど、人目がある分、誘拐なんかの可能性は下がるから、街中の移動は大きな通りを使った方がいい。街の南東と南西には貧民街とスラムが存在しているんだって。買い物はちゃんと見て、スラムには近付かないように……ってよくよく言い聞かせられてしまった。
今、私達が歩いているのはお城から真っ直ぐ南に伸びる道。王都一番の大通りだそう。貴族エリアだからか歩いている人は少ない。カリダの街でも貴族エリアに近付いたのはカメーディさんのところで草刈りをしたときくらい。あまりこの辺には近寄りたくない。カリダの街も広いと思っていたけど、ここはもっと広そうだ。さすが王都ってところ?
貴族エリアと平民エリアを分けている大きな交差点を一度東に曲がり、少し進んだところにある立派な建物にパブロさんが入っていく。入口で手招きされ、後ろに続いて入ることになった。カッチリとスーツを着こなした真面目そうなおじさんにパブロさんが何かを見せている間に、私はグレンの腕の中からキョロキョロ。
(ここ宿? めっちゃ高そうなんだけど……)
入口正面にはカウンターがあり、壁沿いにはソファが並べられている。右側の低い壁の向こうはカフェスペースらしく、テーブルセットが見えた。外観もそうだけど、壁にかけられた絵画も置いてある壺も何もかもが高級そうで気後れしてしまう。
「セナさーん」
入口近くで止まっていた私達をパブロさんが呼ぶ。
「この子がセナさんで、セナさんを抱えているのは彼女の従魔ね」
「かしこまりました。セナ様、初めまして。私はベーネ。当宿、【渡り鳥】の責任者をしております。どうぞよろしくお願いいたします」
「えっと……おねがい、します?」
自己紹介をした後キレイな所作で頭を下げられ、困惑したまま返したら疑問形になってしまった。
「セナさん、ここ、セナさん達が泊まる宿だよ」
「……えぇ⁉ いやいや、もっと普通のとこで充分だよ!」
パブロさんの説明を一拍遅れて理解した私は、衝撃を受けて勢いよく答えた。
「ダメだよー。普通のとこなんかに行ったら冒険者がいっぱいいるんだから! ここなら泊まる冒険者も変なやつはいないから安心だよ」
(いやいや、お財布が安心できないよ!)
「わ、私も冒険者だよ……?」
「他だと、貴族が多い宿になっちゃうよ? セナさん貴族嫌いでしょ? それとも城に泊まる?」
「えぇ……実質選択肢ないじゃん……どうしても普通の宿に泊まるのはダメなの?」
「うーん、国王に呼ばれているから、本来なら賓客として城に泊まるのが恒例なんだ。賓客を冒険者だらけのところに泊まらせるのも問題だし、カリダの街とは違うから、僕達的にも信用できるところに泊まってほしいんだよねー。やっぱり城にする?」
「ココガイイデス……」
選択肢がなさすぎるよ。カタコトで返した私にニッコリと笑顔を向けてきたパブロさんは、さらにとんでもないことを口にした。
「うんうん、よかった。セナさんのご飯が世界一だけど、ここの食事も美味しいよ。欲しいものがあったら、この人に頼んでね。手配してくれるから。宿泊費はもちろん、そうやって頼んだものは城が払うから一切お金は払わなくて大丈夫だし、いっぱい頼んでも問題ないよ」
待遇がよすぎて後が怖いです。普通の暮らしがいい。身の丈に合った生活が一番だよ。そう言うと、何故かパブロさんは感動した様子でグレンごと抱きしめてきた。グレンが暑苦しいって拒否ってすぐ終わったけれど。ドコらへんが琴線に触れたのか謎だ。
私が納得したところで、ベーネさんに言われてサインを書いた。本当なら泊まる人全員が名前を記入するらしい。でも私の場合、グレン達は従魔だから必要ないんだって。案内してくれるというベーネさんに続いて私を抱えたままのグレンが階段を上る。
「セナ様の安全を考え、四階のこちら、四〇五の部屋となります」
部屋に入った瞬間、【切り株亭】のときと同じく、パブロさんが安全を確認し始めた。
《((セナちゃん、この部屋以外にベッドルームが二つ、あとはシャワールームとトイレだったわ。特に何か仕掛けられてることもなさそうよ))》
プルトンから念話が飛んできた。いつの間にか部屋を見て回っていたみたい。プルトンの報告を受けてから十分以上経ってパブロさんが戻ってきた。
「大丈夫だったよ」
「それは私めも安心いたしました。セナ様のお食事は朝食と夕食でよろしいでしょうか?」
「うん、お願いします」
「かしこまりました。食事は部屋にお持ちいたします。この後はお出かけになられますか?」
わからないのでパブロさんを見る。
「うん、先に宿を確保してって言われたから来たんだ。今日は夕食も済ませてくるつもり」
いつの間にか今日の予定が決まっていた。いや、いいんだけどさ。
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