君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました

ゆきりん(安室 雪)

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 「ハニー、王宮の薔薇も見ていかないか?」

 公園内を見終わり、マークが王宮へ誘ってくれる。王宮へ行くのは出会った日以来だ。

 「いいの?」

 「ついでにハニーと甘い・・紅茶ものみたいかな?」

 ライムは、ボボボッと顔が赤くなるのを感じた。『甘い紅茶=漏れなくマークのキス付き』なのである。

 「ハニーは食べてしまいたいくらい可愛いよ」

 髪にキスを落とされながら、王宮のローズガーデンのティースペースに案内される。丁度木陰となるソコは庭の薔薇が一望出来る。いつもながら、マークの膝に座らされ、紅茶を飲む間にキスをされ、甘やかな時間を過ごしていた。

 ソコに金髪の青年が通りかかった。

 !!王太子殿下っ!!

 「我が弟は番が見つかり、砂を吐きそうな位、甘々だな。羨ましい」

 苦々しいながらも、笑顔を向けて来る。

 「兄上、紹介します。番のライムです」

 マークに紹介され、慌てて膝から立ち上がる。

 「お初にお目にかかります。ライムと申します、よろしくお願いします」

 カチコチに固まりながら何とか挨拶する。

 「ああ、ライム、俺はフレデリック、フレッドと呼んでくれ、よろしくな。君は妹になるんだから、楽に話してくれて構わないよ?」

 「ありがとうございます」

 ペコリと頭を下げると、優しげに微笑まれた。

 「番か・・・。マークが番を見つけたせいで、父上がうるさくなってきた。地方行脚して見つけて来いって言い始めたぞ」

 「それは申し訳ないが、番はいいものです。兄上にも早くこの幸せを噛み締めて貰いたい」

 溶けそうな顔でライムを見ながらマークは言う。

 「あ~、はいはい。ご馳走様っ!馬に蹴られる前に退散するさ」

 フレッドは手をヒラヒラさせながら護衛騎士と去って行った。

 「はあ。フレッド様はイメージそのままでした」

 「だろうな。王子と言うとアレがイメージらしいな」

 フレッド様は誕生の際、大々的に新聞で報じられた。金髪碧眼の王子は各誌一面を飾った。第2・第3王子は誕生を知らされたけれど、容姿については書かれなかった。なので、直に第2・第3王子に会ったものでない限りは、3王子は金髪碧眼だと思い込んでいる。実際は黒髪碧眼だ。そして2人の王子は王太子程外に向けての公務が無い。なので、ライムも貴族の端くれながら、マークが第3王子と聞いて、その容姿にびっくりしたのだ。

 「でも、私はマークの漆黒のツヤツヤ髪が好きですよ?」

 再びマークの膝に乗せられ、髪を撫でる。

「ライムにそう言ってもらえると嬉しいな、嬉しいからキスしてやろう」

 甘々なキスの時間を過ごし、ティースペースは薔薇に埋もれ行った。
 


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