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翌朝は朝食を食べ終わると、クロイツ様と共に騎士団へ向かった。向かうと言ってもマリアがお世話になっている城から歩いて5分程の距離だ。当たり前だが騎士塔は男性だらけだ。今までほぼ女性の中で生活していたマリアは怯えてしまう。
「マリア様、大丈夫ですか?」
クロイツ様はマリアの様子が城とは違うので声をかけてくれた。
「大丈夫です、ちょっと緊張しただけで。あ、クロイツ様。私の事は呼び捨てでお願いします。聖女ではなくなりましたし。平民に戻りましたので」
そう言うとクロイツ様は、ふっと笑う。
「ではマリア、あなたも私の事は『クロイツ』でお願いします」
「えっ、でも」
「クロイツかクロちゃん、どっちで呼びますか?」
うわぁ、更に呼びにくい選択肢が増えたっ!
「では、クロイツで呼ばせて頂きます」
緊張しながら言うと、頭をポンポンしながら微笑まれた。
クロイツに案内された部屋に入ると、軽い怪我をした騎士が数名いる。
「私が騎士団長をしている、ダダンと言う。早速だが、ココにいる3名の怪我を治してくれ」
良かった、ワザと傷をつけたりしてなくて。
3人は訓練中に怪我をしたと言う。
「はい、では順番に診させていだだきますね」
まずは軽い擦り傷の人。右手に意識を集中させ怪我している箇所の上に手をかざす。一瞬にして擦り傷は、消えていく。
「おおっ!!」
治してもらった人が声を上げた。
次の人は擦り傷よりも深い刀傷だ。コレも手をかざせば一瞬で傷は消える。
その次の人は少し前に脚を骨折したようだ。怪我した当時に皮膚などは治した様だが、骨は本人が自然治癒させなければならない。そう、騎士団の治癒師のレベルはココまでのようだ。アリアは先程迄よりも手に力を込め、両手で脚を包み込んだ。すると、その手がほんのり白く光る。すると、怪我をしている騎士は驚きの顔をした。
「ああ、痛みが引いていく?嘘だろ?」
マリアが手を退けると騎士は立ち上がり、その場でジャンプする。
「うおっ、ホントに治ってる!?」
嬉しそうに仲間の騎士と肩を叩き合っている。
「では、ダダン様。あなたも診させてください」
「ほう?俺がどうかしていると?」
ダリル様が顔を歪めた。
「はい、失礼します」
マリアはダダン様の元に行き、左目に手をかざした。そしてその手からは先程よりも更に白い光を放った。数秒後。
「何とっ!!こんな事がっ!!コレが大聖女の力か!!」
ダダン様は信じられないと言った声を出した。
「目が見えるようになるなんてっ!!」
そう、ダダン様の左目はほとんど見えていない状態だったのだ。
「マリア様、大丈夫ですか?」
クロイツ様はマリアの様子が城とは違うので声をかけてくれた。
「大丈夫です、ちょっと緊張しただけで。あ、クロイツ様。私の事は呼び捨てでお願いします。聖女ではなくなりましたし。平民に戻りましたので」
そう言うとクロイツ様は、ふっと笑う。
「ではマリア、あなたも私の事は『クロイツ』でお願いします」
「えっ、でも」
「クロイツかクロちゃん、どっちで呼びますか?」
うわぁ、更に呼びにくい選択肢が増えたっ!
「では、クロイツで呼ばせて頂きます」
緊張しながら言うと、頭をポンポンしながら微笑まれた。
クロイツに案内された部屋に入ると、軽い怪我をした騎士が数名いる。
「私が騎士団長をしている、ダダンと言う。早速だが、ココにいる3名の怪我を治してくれ」
良かった、ワザと傷をつけたりしてなくて。
3人は訓練中に怪我をしたと言う。
「はい、では順番に診させていだだきますね」
まずは軽い擦り傷の人。右手に意識を集中させ怪我している箇所の上に手をかざす。一瞬にして擦り傷は、消えていく。
「おおっ!!」
治してもらった人が声を上げた。
次の人は擦り傷よりも深い刀傷だ。コレも手をかざせば一瞬で傷は消える。
その次の人は少し前に脚を骨折したようだ。怪我した当時に皮膚などは治した様だが、骨は本人が自然治癒させなければならない。そう、騎士団の治癒師のレベルはココまでのようだ。アリアは先程迄よりも手に力を込め、両手で脚を包み込んだ。すると、その手がほんのり白く光る。すると、怪我をしている騎士は驚きの顔をした。
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「何とっ!!こんな事がっ!!コレが大聖女の力か!!」
ダダン様は信じられないと言った声を出した。
「目が見えるようになるなんてっ!!」
そう、ダダン様の左目はほとんど見えていない状態だったのだ。
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