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16〜夢の中で1〜
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「ふふっ、お父様もお母様もいつまでも仲良しで羨ましいですわ」
「あら、お蘭ももうすぐ結婚式でしょ?ずっと大好きだった葉月さんと」
「まあ、お母様ご存知でしたの?」
隠してたつもりだったのにっ。
「それは分かりますよ、あなたの母親ですもの。それに親戚の中で、この三ノ宮家の婿に来て欲しいのは、やっぱり葉月さんが1番良い人よね?」
「ははっ、そうだな。実は葉月君もお蘭が大好きだったんだぞ?13歳位の時かな、どうしたらお蘭と結婚出来るのかと聞いてきたから『三ノ宮本家の仕事を覚え、儂の補佐を完全に出来る様になる事』と言ったら、本当に覚えよって。お蘭には少し年上になるが良いのか?」
「勿論ですっ。葉月さんじゃなければ、私はイヤです」
隣に佇んでいる葉月さんの腕をとる。
「ふふっ、葉月さん頼みますよ?」
「はい、お蘭様は私が大事に守らせて頂きます」
「頼んだぞ、葉月君」
グラリと視界が揺れ、景色が変わる。
「イヤ~っ!葉月さんっ!どうして!?」
布団の上には冷たくなった葉月さんが横たわっている。揺すっても起きる気配はない。
ヒソヒソと使用人の声が聞こえる。
『どうやら卯月さんの仕業じゃないかって』
『実の兄を殺すなんてね』
『余程、三ノ宮本家を継ぎたかったのかしら』
『お蘭様にも、とても執着してらしたし』
そんな話が、いくつも耳に入る。
卯月さんは、葉月さんの実弟だ。学校を出ても大して働きもせず、遊び歩いている。そのくせ、三ノ宮本家を継ぐだの、お蘭と結婚するだの言い回っていたのだ。
「お蘭、これでお前は俺の嫁だな」
酒に酔いながら、卯月が抱きしめてくる。
「離して下さいっ!あなたなんかとは結婚しませんっ。汚らわしいっ!」
「ははっ、いつまで言ってられるかな?」
フイッと卯月は部屋を出て行く。
そして、その夜。お蘭は着のみ着のまま屋敷を飛び出し、戻る事は無かった。そのお腹には、葉月との子を宿している事に気がつかずに・・・。
葉月さん、来世では必ずあなたと共に。
自殺を図るが、助けられ、子と共に天命を全うする。
「あら、お蘭ももうすぐ結婚式でしょ?ずっと大好きだった葉月さんと」
「まあ、お母様ご存知でしたの?」
隠してたつもりだったのにっ。
「それは分かりますよ、あなたの母親ですもの。それに親戚の中で、この三ノ宮家の婿に来て欲しいのは、やっぱり葉月さんが1番良い人よね?」
「ははっ、そうだな。実は葉月君もお蘭が大好きだったんだぞ?13歳位の時かな、どうしたらお蘭と結婚出来るのかと聞いてきたから『三ノ宮本家の仕事を覚え、儂の補佐を完全に出来る様になる事』と言ったら、本当に覚えよって。お蘭には少し年上になるが良いのか?」
「勿論ですっ。葉月さんじゃなければ、私はイヤです」
隣に佇んでいる葉月さんの腕をとる。
「ふふっ、葉月さん頼みますよ?」
「はい、お蘭様は私が大事に守らせて頂きます」
「頼んだぞ、葉月君」
グラリと視界が揺れ、景色が変わる。
「イヤ~っ!葉月さんっ!どうして!?」
布団の上には冷たくなった葉月さんが横たわっている。揺すっても起きる気配はない。
ヒソヒソと使用人の声が聞こえる。
『どうやら卯月さんの仕業じゃないかって』
『実の兄を殺すなんてね』
『余程、三ノ宮本家を継ぎたかったのかしら』
『お蘭様にも、とても執着してらしたし』
そんな話が、いくつも耳に入る。
卯月さんは、葉月さんの実弟だ。学校を出ても大して働きもせず、遊び歩いている。そのくせ、三ノ宮本家を継ぐだの、お蘭と結婚するだの言い回っていたのだ。
「お蘭、これでお前は俺の嫁だな」
酒に酔いながら、卯月が抱きしめてくる。
「離して下さいっ!あなたなんかとは結婚しませんっ。汚らわしいっ!」
「ははっ、いつまで言ってられるかな?」
フイッと卯月は部屋を出て行く。
そして、その夜。お蘭は着のみ着のまま屋敷を飛び出し、戻る事は無かった。そのお腹には、葉月との子を宿している事に気がつかずに・・・。
葉月さん、来世では必ずあなたと共に。
自殺を図るが、助けられ、子と共に天命を全うする。
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