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 翌日からグレイン様の帰りが早くなった。

 「グレイン様、こんなに早くお帰りになって、騎士のお仕事は大丈夫なんですか?」

 何と、今は夕食をグレイン様と食べているのだ。

 「ああ、騎士は退職して公爵としての仕事に専念する事にしたからな。後、1週間ほどで引き継ぎも終わる」

 「えっ!?騎士を辞められるんですか!?」

 「元々は父から公爵を継ぐ際には辞めようと思っていたのだ。しかし、余りにも爵位を継ぐのが早かった為、二足のわらじをになったのだがな?これほど忙しいと大切な妻に嫌われてしまいそうだから、騎士は退職だ。ソフィアとの時間を大切にしたいからな」

 そう言って、テーブルの向かいから微笑んでくれる。

 「だから、これからは存分に愛されるんだぞ?覚悟するように」

 ニヤリと笑う。

 「えっ、えっ!?」




 宣言通り、グレイン様は毎晩ソフィアを甘く啼かせ、愛すのだった。




 そして、1週間後にグレイン様は退職した。

 公爵としての執務は屋敷内の執務室で行うので、今までよりもかなり時間に余裕がある。しかも、使用人に任せていた仕事は引き続き、任せる事にした様だ。

 なので、2人の朝はゆっくりとはじまる。

 「おはようソフィア」

 チュッとベッドの中でキスを交わすのが当たり前になっている。その後、交代・もしくは一緒に湯浴みをしてから朝食をとる。

 グレイン様は執務室に向かい、ソフィアは、散歩をする。が、たまにグレインが一緒に散歩する事もある。昼食を一緒にとり、グレインはまた執務室、ソフィアは日替わりで趣味をしている。15時には一緒にティータイムをローズガーデンかティールーム、執務室でとるのだが、場所はお天気とグレイン様の執務状況により変わる。夕食はもちろん一緒だ。

 そして夜は甘い時間を迎える。

 そんな1日にソフィアは満足だった。

 グレイン様と思いが繋がった日から、毎日甘い日々を過ごしている。そうなると心配事が一つ。

 カレンはどうしているのかしら?

 グレイン様と結婚し、早3ヶ月経とうとしている。



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