貴方に抱きとめられて

ゆきりん(安室 雪)

文字の大きさ
2 / 2

2

しおりを挟む
「改めて紹介します、親友の加奈です。で、彼の琢磨とその親友の桐生さんです」

 都が順番に紹介してくれるので、ペコリと頭を下げる。紹介が終わり、加奈が桐生さんに話しかける。

「あの、今朝はありがとうございました。おかげで怪我せずに済みました」

 ペコリと頭を下げ、お礼を言う。

 しかし、桐生はプフッと笑う。

「加奈、お前ホントに俺が分からない?」

「は?」

 知りませんけど?

「公平って言えば分かるか?」

 こうへい?

 ジッと顔を見る。あ、泣き黒子あるんだ。

「あっ!泣き虫の公平っ!」

「思い出したか」

 ククッと苦笑する。

「さすがにこの歳で泣き虫は勘弁して欲しいけどな」

「何、お前ら知り合いだった?」

 琢磨さんが問いかけてくる。

「ああ、コイツ小学校のいじめっ子。俺、よくイジメられた」

「ちょっと!人聞き悪いわね。ピーマン食べれない公平が悪いんでしょ?」

「あ~あ~、で人の給食にピーマン盛りやがって」

 と、昔話に花が咲いた。

 高級ディナーを食べながらの話では無かったかも・・・。

 都は琢磨さんの家にお泊りするらしく、2人はタクシーで帰って行った。なので、加奈は公平と帰る事になったのだが。

「公平、最寄り駅一緒なんだね」

「ああ、俺転勤で引っ越してきたばっかだけどな」

「あ、そうなの?私は3年目かな」

 加奈は最寄り駅からマンションまで歩いてすぐの所だ。公平も同じ方向だと言う。

「偶然だね~」

 と言いながら歩いていると、加奈のマンションに着く。

「じゃ、私ココだから」

「は?俺もココ」

 2人して顔を見合わせる。

「えっ、私201」

「俺、202」

 またもや、顔を見合わせ今回は笑ってしまう。

「今まで会わなかったのが不思議だね」

「俺は似たヤツがいるな~とは思ったぞ?駅で何回か」

「えっ、それって私が成長してないからすぐに分かったって事?」

 酷くない?

「違うよ、好きなヤツの顔は忘れないだろ?」

 公平はそう言いながら、優しく加奈を自分の部屋の玄関ドアに押し付けて、キスをする。

「これ以上の事したくなったら、いつでも来いよ。待ってる」

 と言って、公平は加奈の頭をポンポンし部屋の中に入って行く。

 ポツンと取り残された加奈は、真っ赤になりながら自分の部屋に帰る。



 どうする?

 私、公平の部屋に行くべき?




しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

彼はヒロインを選んだ——けれど最後に“愛した”のは私だった

みゅー
恋愛
前世の記憶を思い出した瞬間、悟った。 この世界では、彼は“ヒロイン”を選ぶ――わたくしではない。 けれど、運命になんて屈しない。 “選ばれなかった令嬢”として終わるくらいなら、強く生きてみせる。 ……そう決めたのに。 彼が初めて追いかけてきた——「行かないでくれ!」 涙で結ばれる、運命を越えた恋の物語。

俺の可愛い幼馴染

SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。 ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。 連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。 感想もご自由にどうぞ。 ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。

【完結】少年の懺悔、少女の願い

干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。 そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい―― なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。 後悔しても、もう遅いのだ。 ※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。 ※長編のスピンオフですが、単体で読めます。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

婚約破棄されたので、もうあなたを想うのはやめます

藤原遊
恋愛
王城の舞踏会で、公爵令息から一方的に婚約破棄を告げられた令嬢。 彼の仕事を支えるため領地運営を担ってきたが、婚約者でなくなった以上、その役目を続ける理由はない。 去った先で彼女の能力を正当に評価したのは、軍事を握る王弟辺境伯だった。 想うことをやめた先で、彼女は“対等に必要とされる場所”を手に入れる。

【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!

貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

【完結】記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました

Rohdea
恋愛
誰かが、自分を呼ぶ声で目が覚めた。 必死に“私”を呼んでいたのは見知らぬ男性だった。 ──目を覚まして気付く。 私は誰なの? ここはどこ。 あなたは誰? “私”は馬車に轢かれそうになり頭を打って気絶し、起きたら記憶喪失になっていた。 こうして私……リリアはこれまでの記憶を失くしてしまった。 だけど、なぜか目覚めた時に傍らで私を必死に呼んでいた男性──ロベルトが私の元に毎日のようにやって来る。 彼はただの幼馴染らしいのに、なんで!? そんな彼に私はどんどん惹かれていくのだけど……

処理中です...