9 / 26
9
しおりを挟む
バタバタと日々は過ぎていく。課長の所には相変わらず副社長がたまにやって来て、帰り際に美亜に微笑んで行く。周りの女子達は誰に微笑んでいるのか、薄々感づいてきているようだ。
そして、土曜日。
ついにこの日がやって来た!!待ち合わせはスマホでやり取りして、表参道の花屋さんの前にしていた。お店の前で花を眺めていると、ガラスに隼人さんが映る。
「お待たせしたかな?」
「いえっ、私も今から着いたばかりですよ」
「じゃあ、車に乗って?移動するから」
すぐ側に停めてあった車に案内され、助手席のドアを開けてくれる。
『うわぁ~、こんな事されたの初めてだよ』
隼人さんは慣れているのか、動きがかなりスマートだ。運転席に乗った隼人さんは美亜を見てクスッと笑う。
「美亜ちゃんはあんまり車に乗らない?」
「うん。運転しないし、周りも車持ってる人いないし」
笑いながら隼人さんは美亜に手を伸ばしてくる。かなり近い距離に顔が迫ってくる。
何事っ!?と美亜が固まると、スッとシートベルトを引き出して固定する。
「あっ、シートベルト。すっかり忘れてた」
えへっと笑う美亜に
「忘れてたら、毎回着けてあげるよ?」
『ついでに美亜にキスさせるか?』
隼人さんの言葉の後に、耀が口を挟んでくる。
「だめっ!!」
「ん?美亜ちゃん?」
「な、なんでもないっ」
隼人さんは不思議な顔をしている。
くぅ~っ、突然耀が入るのやめて欲しいっ!!どうすればいいのっ?
それ以降、耀は入って来ず、隼人さんとは出雲神社の話でそれなりに盛り上がり、タワーマンションの地下の駐車場に車を停める。
「ここの1階のイタリアンのランチが美味しくてね。店自体も落ち着いてて。俺のお気に入りなんだ」
「たのしみっ。パスタ好きなの?」
「ああ。外で食べるのも自分で作るのも好きだな。美亜ちゃんは?」
「私もパスタ好き。トマトとモッツァレラチーズの組み合わせがお気に入りです」
「定番だね。俺も定番のカルボナーラだけどね」
話しているとお店に着き、ランチセットにそれぞれ好みのパスタをチョイスする。
「最近は『チャイ』に凝っててね。自分でスパイスをブレンドして飲んでるんだ。まあ、日によって味が違うんだけどね」
「私も『チャイ』好き!でも、お砂糖が甘すぎるのは苦手で。なかなかいいお店無いかも」
「ふふっ。じゃあ俺がご馳走しようかな?俺の家、上だから。あ、変な事はしないから安心してね?」
「はい、じゃあ『チャイ』頂きにいきます」
「腕によりをかけて、スパイス入れるよ。簡単だから美亜ちゃんも出来るよ?」
「じゃあ、隼人先生の作り方見て覚えよ~っと」
2人は目を合わせ、クスクスと笑ってしまうのだ。
そして、土曜日。
ついにこの日がやって来た!!待ち合わせはスマホでやり取りして、表参道の花屋さんの前にしていた。お店の前で花を眺めていると、ガラスに隼人さんが映る。
「お待たせしたかな?」
「いえっ、私も今から着いたばかりですよ」
「じゃあ、車に乗って?移動するから」
すぐ側に停めてあった車に案内され、助手席のドアを開けてくれる。
『うわぁ~、こんな事されたの初めてだよ』
隼人さんは慣れているのか、動きがかなりスマートだ。運転席に乗った隼人さんは美亜を見てクスッと笑う。
「美亜ちゃんはあんまり車に乗らない?」
「うん。運転しないし、周りも車持ってる人いないし」
笑いながら隼人さんは美亜に手を伸ばしてくる。かなり近い距離に顔が迫ってくる。
何事っ!?と美亜が固まると、スッとシートベルトを引き出して固定する。
「あっ、シートベルト。すっかり忘れてた」
えへっと笑う美亜に
「忘れてたら、毎回着けてあげるよ?」
『ついでに美亜にキスさせるか?』
隼人さんの言葉の後に、耀が口を挟んでくる。
「だめっ!!」
「ん?美亜ちゃん?」
「な、なんでもないっ」
隼人さんは不思議な顔をしている。
くぅ~っ、突然耀が入るのやめて欲しいっ!!どうすればいいのっ?
それ以降、耀は入って来ず、隼人さんとは出雲神社の話でそれなりに盛り上がり、タワーマンションの地下の駐車場に車を停める。
「ここの1階のイタリアンのランチが美味しくてね。店自体も落ち着いてて。俺のお気に入りなんだ」
「たのしみっ。パスタ好きなの?」
「ああ。外で食べるのも自分で作るのも好きだな。美亜ちゃんは?」
「私もパスタ好き。トマトとモッツァレラチーズの組み合わせがお気に入りです」
「定番だね。俺も定番のカルボナーラだけどね」
話しているとお店に着き、ランチセットにそれぞれ好みのパスタをチョイスする。
「最近は『チャイ』に凝っててね。自分でスパイスをブレンドして飲んでるんだ。まあ、日によって味が違うんだけどね」
「私も『チャイ』好き!でも、お砂糖が甘すぎるのは苦手で。なかなかいいお店無いかも」
「ふふっ。じゃあ俺がご馳走しようかな?俺の家、上だから。あ、変な事はしないから安心してね?」
「はい、じゃあ『チャイ』頂きにいきます」
「腕によりをかけて、スパイス入れるよ。簡単だから美亜ちゃんも出来るよ?」
「じゃあ、隼人先生の作り方見て覚えよ~っと」
2人は目を合わせ、クスクスと笑ってしまうのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
公爵令嬢のひとりごと
鬼ヶ咲あちたん
ファンタジー
城下町へ視察にいった王太子シメオンは、食堂の看板娘コレットがひたむきに働く姿に目を奪われる。それ以来、事あるごとに婚約者である公爵令嬢ロザリーを貶すようになった。「君はもっとコレットを見習ったほうがいい」そんな日々にうんざりしたロザリーのひとりごと。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる