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「どうしたんだ?アレクも皆も」
食事をしながらライ様がたずねる。
「ああ、予想を超えてかなり酷かったんだ」
アレク様は夕方見に行った国土の東側の一部の状況を話しはじめる。ライ様の顔は、話しを聞くに従って厳しくなる。優も話しを聞きながら明日は朝一番で、まずは森の再生をしてから作物に取りかかった方がいいのかな?と考える。
一通り話しを聞き終わったライ様も
「まずは森だな」
と言う。
騎士団員達はなぜ始めに森の再生なんだ?と言う顔をする。そうか、こちらは森の役目が理解されていないのか。だからハゲ山にしてしまったのだ。
ライ様が森の役目について説明すると騎士からは『ほ~』とか『知らなかった』と言う様声が上がる。
「優は知ってた?」
とライ様に聞かれ
「私の国も森を伐採し過ぎたため、温暖化や空気汚染が酷くて」
呟いてから、あ、空気汚染の意味は分からないかも、と思ったがそのままにしておいた。
「明日は朝から、俺と優が尾根伝いの森を再生する。その間、騎士団達はアレクの指示に従い視察に行ってくれ。報告は昼食時に。朝は支度の出来た者からはじめてくれ」
ライ様が支持を出す。
「分担の図に従い行なってくれ。俺は国王に状況の確認に行ってくる」
「お一人でですか?」
騎士から声が上がる。
「ああ、復興が目的だから、ぞろぞろ行っても無駄だろう。こちらの計画も伝えてくる。何かあれば式を飛ばしてくれ。今回は式を使える者を選んだからな。以上、解散」
アレク様の言葉で皆席を立ち、割り振られた部屋に向かう。優も自分の部屋に行こうとするが。
「優はアレクと一緒だよな?」
とライ様がにやりと笑う。
うっ。
「ライ様、ココでもですかっ」
優はライ様を睨む。
「陛下のお言葉だからね~」
と去って行く。
「しょうがないだろ、優。おいで」
アレク様に連れられ、同じ部屋に入っていく。そんな優は心にトゲが刺さった気分だ。アレク様とっては『しょうがない』事なんだ。
翌朝、優は誰よりも早起きしなければならなかった。それは、食事!お腹を空かせたまま、待たせる訳にはいかない。ダイニングに並べ終わると庭に出て、果物を収穫し、また実らせておく。そして、ふと思い付いた優ははバナナを大量に育て収穫し、カゴに詰める。それが終わると蛇口がいくつか付いたタンクを願いの箱から4個出し、魔術で井戸と直結させ、どこでも水が出せる様にした。それを騎士のグリフィンの首から少し長めにぶら下げる。
騎士達は優がダイニングに戻ると食事をはじめていた。優も席に着き食べながら、グリフィンの首にぶら下がっているタンクの説明をした。それに大量のバナナ。昨日の騎士の話だと人が見当たらなかったと言う事で、もしかしたら餓死かも知れない。食べ物が無いのだ。だからもし人を見かけたらまず、水とバナナを提供して欲しいとお願いする。そして、地図に位置を記し、明日以降も食べ物を確実に配布出来る様にする。
朝食が終わり、ライ様と優は尾根に向かう。
「うわぁ、館周辺よりも酷いですね」
「ああ、館はラビリオに近いから若干の影響だが、農村部は酷いな。人も家畜も見当たらないな」
まるで砂漠の様に土ホコリが舞っているのだ。そして、尾根に到着し、これまた唖然となる。
「何でこんなハゲ山になるまで木を切ってしまったんですかね?」
「わからん。とりあえず、再生だな。元々生えていた木の種類は、ラビリオと変わらない。俺が苗を一気に植えるから、優は、雨を降らしてくれるか?」
「わかりました」
山の下からライ様が苗を植えた所に七色の雨を降らせる。山を3段階に分け、下・中・上の順番で木を育て行く。すると明らかに空気感が変わる。先程までの土ホコリ感が薄れ、湿気を帯びてくる。優が降らせた雨も、森から地上に流れて行く。
「優、疲れないか?」
「まだ大丈夫ですよ?素朴な疑問なんですけど、魔力使い過ぎるとどうなるんですか?」
ライ様に聞く。まだ限界まで使った事がないからどうなるか聞いておかなくては。
食事をしながらライ様がたずねる。
「ああ、予想を超えてかなり酷かったんだ」
アレク様は夕方見に行った国土の東側の一部の状況を話しはじめる。ライ様の顔は、話しを聞くに従って厳しくなる。優も話しを聞きながら明日は朝一番で、まずは森の再生をしてから作物に取りかかった方がいいのかな?と考える。
一通り話しを聞き終わったライ様も
「まずは森だな」
と言う。
騎士団員達はなぜ始めに森の再生なんだ?と言う顔をする。そうか、こちらは森の役目が理解されていないのか。だからハゲ山にしてしまったのだ。
ライ様が森の役目について説明すると騎士からは『ほ~』とか『知らなかった』と言う様声が上がる。
「優は知ってた?」
とライ様に聞かれ
「私の国も森を伐採し過ぎたため、温暖化や空気汚染が酷くて」
呟いてから、あ、空気汚染の意味は分からないかも、と思ったがそのままにしておいた。
「明日は朝から、俺と優が尾根伝いの森を再生する。その間、騎士団達はアレクの指示に従い視察に行ってくれ。報告は昼食時に。朝は支度の出来た者からはじめてくれ」
ライ様が支持を出す。
「分担の図に従い行なってくれ。俺は国王に状況の確認に行ってくる」
「お一人でですか?」
騎士から声が上がる。
「ああ、復興が目的だから、ぞろぞろ行っても無駄だろう。こちらの計画も伝えてくる。何かあれば式を飛ばしてくれ。今回は式を使える者を選んだからな。以上、解散」
アレク様の言葉で皆席を立ち、割り振られた部屋に向かう。優も自分の部屋に行こうとするが。
「優はアレクと一緒だよな?」
とライ様がにやりと笑う。
うっ。
「ライ様、ココでもですかっ」
優はライ様を睨む。
「陛下のお言葉だからね~」
と去って行く。
「しょうがないだろ、優。おいで」
アレク様に連れられ、同じ部屋に入っていく。そんな優は心にトゲが刺さった気分だ。アレク様とっては『しょうがない』事なんだ。
翌朝、優は誰よりも早起きしなければならなかった。それは、食事!お腹を空かせたまま、待たせる訳にはいかない。ダイニングに並べ終わると庭に出て、果物を収穫し、また実らせておく。そして、ふと思い付いた優ははバナナを大量に育て収穫し、カゴに詰める。それが終わると蛇口がいくつか付いたタンクを願いの箱から4個出し、魔術で井戸と直結させ、どこでも水が出せる様にした。それを騎士のグリフィンの首から少し長めにぶら下げる。
騎士達は優がダイニングに戻ると食事をはじめていた。優も席に着き食べながら、グリフィンの首にぶら下がっているタンクの説明をした。それに大量のバナナ。昨日の騎士の話だと人が見当たらなかったと言う事で、もしかしたら餓死かも知れない。食べ物が無いのだ。だからもし人を見かけたらまず、水とバナナを提供して欲しいとお願いする。そして、地図に位置を記し、明日以降も食べ物を確実に配布出来る様にする。
朝食が終わり、ライ様と優は尾根に向かう。
「うわぁ、館周辺よりも酷いですね」
「ああ、館はラビリオに近いから若干の影響だが、農村部は酷いな。人も家畜も見当たらないな」
まるで砂漠の様に土ホコリが舞っているのだ。そして、尾根に到着し、これまた唖然となる。
「何でこんなハゲ山になるまで木を切ってしまったんですかね?」
「わからん。とりあえず、再生だな。元々生えていた木の種類は、ラビリオと変わらない。俺が苗を一気に植えるから、優は、雨を降らしてくれるか?」
「わかりました」
山の下からライ様が苗を植えた所に七色の雨を降らせる。山を3段階に分け、下・中・上の順番で木を育て行く。すると明らかに空気感が変わる。先程までの土ホコリ感が薄れ、湿気を帯びてくる。優が降らせた雨も、森から地上に流れて行く。
「優、疲れないか?」
「まだ大丈夫ですよ?素朴な疑問なんですけど、魔力使い過ぎるとどうなるんですか?」
ライ様に聞く。まだ限界まで使った事がないからどうなるか聞いておかなくては。
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