16 / 17
16 〜ガイ視点〜
しおりを挟む
俺には姪がいる。
ただし、俺は彼女を認識しているが向こうは知らないだろう。そう、妹が駆け落ちして生まれた子なのだ。妹と言っても義理だ。俺との結婚話しが出るまで実の兄と思っていたはずだ。義妹・ミレーヌは俺から逃げるように恋人の元へと駆け落ちしたのだ。
父は相手の爵位が低かったので、ミレーヌの駆け落ち相手を認めなかった。我がロイス伯爵家に、対し相手は男爵家だったのだ。ミレーヌに子が生まれ、父は態度を軟化させたが、ミレーヌを許さず交流を絶ってしまったのだ。
その後色々あり、ミレーヌの娘・ジュディーは養子としてロイス伯爵家に迎えられた。昔遠目には見た事があったが、成長してからは初めて会った。俺は内心びっくりした。
ミレーヌにそっくりだ。
父は密かに俺との結婚を願っているようだが、歳が離れ過ぎている。向こうもイヤがるだろう。
伯父として、マクラーレン家の問題を解決してジュディーの不幸の元である、元義母達を排除する。マクラーレン夫妻は不幸な死だったが、ジュディーには幸せになって欲しい。
あの騒動の後から、ジュディーには貢物や見合いの申し込みが殺到している。婚約者がいない傷心の伯爵令嬢だ。養子と言っても歴とした伯爵の血を引いた孫だ。
父はジュディーの見合いの申し込み書の中に俺の釣書書も入れた様だ。ジュディーから問われ初めて知った。タヌキじじいめ!
『断ってくれて構わないぞ。親子程年が離れてるんだ』
そう、ジュディーを縛る事は出来ない。例え好ましい、守ってやりたいと思ってもミレーヌと同じ轍を踏ませる訳には行かない。
ただし、相手の事はトコトン粗探しして篩いにかけてやるっ!可愛い姪を中途半端な男にはやらんっ!!
それなのに・・・、
『あ、あの。ガイのお嫁さんになりたいの』
『・・・、はぁ?」
俺は間抜けな返事をしてしまった。
『だから、私はガイと結婚したいのっ』
『本気か?』
『私、ガイといると安心するの。だからこれからもずっと一緒にいたいの。ダメ?』
『いや、ダメじゃない。ダメじゃないが、こんなオジさんでいいのか?』
『包容力があって、私の全てを包んで守ってくれるガイがいいの』
『ジュディーっ!!』
俺はジュディーの方に回り込み、唇にキスをしてしまった。触れるだけのキスでは終わらせる事が出来ず貪った。
ああ、今までの分も俺がジュディーを幸せにしてやる!!
ただし、俺は彼女を認識しているが向こうは知らないだろう。そう、妹が駆け落ちして生まれた子なのだ。妹と言っても義理だ。俺との結婚話しが出るまで実の兄と思っていたはずだ。義妹・ミレーヌは俺から逃げるように恋人の元へと駆け落ちしたのだ。
父は相手の爵位が低かったので、ミレーヌの駆け落ち相手を認めなかった。我がロイス伯爵家に、対し相手は男爵家だったのだ。ミレーヌに子が生まれ、父は態度を軟化させたが、ミレーヌを許さず交流を絶ってしまったのだ。
その後色々あり、ミレーヌの娘・ジュディーは養子としてロイス伯爵家に迎えられた。昔遠目には見た事があったが、成長してからは初めて会った。俺は内心びっくりした。
ミレーヌにそっくりだ。
父は密かに俺との結婚を願っているようだが、歳が離れ過ぎている。向こうもイヤがるだろう。
伯父として、マクラーレン家の問題を解決してジュディーの不幸の元である、元義母達を排除する。マクラーレン夫妻は不幸な死だったが、ジュディーには幸せになって欲しい。
あの騒動の後から、ジュディーには貢物や見合いの申し込みが殺到している。婚約者がいない傷心の伯爵令嬢だ。養子と言っても歴とした伯爵の血を引いた孫だ。
父はジュディーの見合いの申し込み書の中に俺の釣書書も入れた様だ。ジュディーから問われ初めて知った。タヌキじじいめ!
『断ってくれて構わないぞ。親子程年が離れてるんだ』
そう、ジュディーを縛る事は出来ない。例え好ましい、守ってやりたいと思ってもミレーヌと同じ轍を踏ませる訳には行かない。
ただし、相手の事はトコトン粗探しして篩いにかけてやるっ!可愛い姪を中途半端な男にはやらんっ!!
それなのに・・・、
『あ、あの。ガイのお嫁さんになりたいの』
『・・・、はぁ?」
俺は間抜けな返事をしてしまった。
『だから、私はガイと結婚したいのっ』
『本気か?』
『私、ガイといると安心するの。だからこれからもずっと一緒にいたいの。ダメ?』
『いや、ダメじゃない。ダメじゃないが、こんなオジさんでいいのか?』
『包容力があって、私の全てを包んで守ってくれるガイがいいの』
『ジュディーっ!!』
俺はジュディーの方に回り込み、唇にキスをしてしまった。触れるだけのキスでは終わらせる事が出来ず貪った。
ああ、今までの分も俺がジュディーを幸せにしてやる!!
30
あなたにおすすめの小説
【完結】虐げられていた侯爵令嬢が幸せになるお話
彩伊
恋愛
歴史ある侯爵家のアルラーナ家、生まれてくる子供は皆決まって金髪碧眼。
しかし彼女は燃えるような紅眼の持ち主だったために、アルラーナ家の人間とは認められず、疎まれた。
彼女は敷地内の端にある寂れた塔に幽閉され、意地悪な義母そして義妹が幸せに暮らしているのをみているだけ。
............そんな彼女の生活を一変させたのは、王家からの”あるパーティー”への招待状。
招待状の主は義妹が恋い焦がれているこの国の”第3皇子”だった。
送り先を間違えたのだと、彼女はその招待状を義妹に渡してしまうが、実際に第3皇子が彼女を迎えにきて.........。
そして、このパーティーで彼女の紅眼には大きな秘密があることが明らかにされる。
『これは虐げられていた侯爵令嬢が”愛”を知り、幸せになるまでのお話。』
一日一話
14話完結
冷たかった夫が別人のように豹変した
京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。
ざまぁ。ゆるゆる設定
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
【完結】私より優先している相手が仮病だと、いい加減に気がついたらどうですか?〜病弱を訴えている婚約者の義妹は超が付くほど健康ですよ〜
よどら文鳥
恋愛
ジュリエル=ディラウは、生まれながらに婚約者が決まっていた。
ハーベスト=ドルチャと正式に結婚する前に、一度彼の実家で同居をすることも決まっている。
同居生活が始まり、最初は順調かとジュリエルは思っていたが、ハーベストの義理の妹、シャロン=ドルチャは病弱だった。
ドルチャ家の人間はシャロンのことを溺愛しているため、折角のデートも病気を理由に断られてしまう。それが例え僅かな微熱でもだ。
あることがキッカケでシャロンの病気は実は仮病だとわかり、ジュリエルは真実を訴えようとする。
だが、シャロンを溺愛しているドルチャ家の人間は聞く耳持たず、更にジュリエルを苦しめるようになってしまった。
ハーベストは、ジュリエルが意図的に苦しめられていることを知らなかった。
【完結】私の婚約者は妹のおさがりです
葉桜鹿乃
恋愛
「もう要らないわ、お姉様にあげる」
サリバン辺境伯領の領主代行として領地に籠もりがちな私リリーに対し、王都の社交界で華々しく活動……悪く言えば男をとっかえひっかえ……していた妹ローズが、そう言って寄越したのは、それまで送ってきていたドレスでも宝飾品でもなく、私の初恋の方でした。
ローズのせいで広まっていたサリバン辺境伯家の悪評を止めるために、彼は敢えてローズに近付き一切身体を許さず私を待っていてくれていた。
そして彼の初恋も私で、私はクールな彼にいつのまにか溺愛されて……?
妹のおさがりばかりを貰っていた私は、初めて本でも家庭教師でも実権でもないものを、両親にねだる。
「お父様、お母様、私この方と婚約したいです」
リリーの大事なものを守る為に奮闘する侯爵家次男レイノルズと、領地を大事に思うリリー。そしてリリーと自分を比べ、態と奔放に振る舞い続けた妹ローズがハッピーエンドを目指す物語。
小説家になろう様でも別名義にて連載しています。
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照ください。(10/27追記)
妹ばかりを贔屓し溺愛する婚約者にウンザリなので、わたしも辺境の大公様と婚約しちゃいます
新世界のウサギさん
恋愛
わたし、リエナは今日婚約者であるローウェンとデートをする予定だった。
ところが、いつになっても彼が現れる気配は無く、待ちぼうけを喰らう羽目になる。
「私はレイナが好きなんだ!」
それなりの誠実さが売りだった彼は突如としてわたしを捨て、妹のレイナにぞっこんになっていく。
こうなったら仕方ないので、わたしも前から繋がりがあった大公様と付き合うことにします!
乙女ゲームのヒロインが純潔を重んじる聖女とか終わってません?
ララ
恋愛
私は侯爵令嬢のフレイヤ。
前世の記憶を持っている。
その記憶によるとどうやら私の生きるこの世界は乙女ゲームの世界らしい。
乙女ゲームのヒロインは聖女でさまざまな困難を乗り越えながら攻略対象と絆を深め愛し合っていくらしい。
最後には大勢から祝福を受けて結婚するハッピーエンドが待っている。
子宝にも恵まれて平民出身のヒロインが王子と身分差の恋に落ち、その恋がみのるシンデレラストーリーだ。
そして私はそんな2人を邪魔する悪役令嬢。
途中でヒロインに嫉妬に狂い危害を加えようとした罪により断罪される。
今日は断罪の日。
けれど私はヒロインに危害を加えようとしたことなんてない。
それなのに断罪は始まった。
まあそれは別にいいとして‥‥。
現実を見ましょう?
聖女たる資格は純潔無垢。
つまり恋愛はもちろん結婚なんてできないのよ?
むしろそんなことしたら資格は失われる。
ただの容姿のいい平民になるのよ?
誰も気づいていないみたいだけど‥‥。
うん、よく考えたらこの乙女ゲームの設定終わってません??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる