【milk*crown】甘えんぼう仔猫が伝えたかった言葉🐾恋する気持ちや想い愛情が引き起こす大きな魔法の小さな奇跡🍀童話のような恋物語

くろねこ

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第四章[キセキのタネ]結Side

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和人さんと出会ってから二十年近く経つ。

気づけば私も三十代に入り、ちょうど十歳差の彼は四十代。改めて思い返してみると、時の経過に驚いてしまうけれど。

あの日のことは、今でも鮮明に覚えている。

和人さんは、Fairy's Kitchenに訪れたお客さんだった。

たぶん、一目見た瞬間から惹かれてしまった。この人が“運命の人”だと、直感でわかったのだと思う。

子供だった私は、それに気づけずにいたけれど。


あの頃の私は、少し淋しい想いを抱えていて。兄弟姉妹を持っている友達が羨ましかった。

両親はとても優しくて、決して私を放ったらかしにすることなんてなかった。きちんと気遣ってくれて、十分に愛情を注いでくれていたし、私もそれを感じ取れていた。

だけど、仕事は両親二人だけで切り盛りしているカフェレストラン。

どうしても、寂しさは募ってしまう。


両親のお店“Fairy's Kitchen”は、おとぎの国の世界に出てくる様な素敵な場所で。

森の中の秘密の隠れ家みたいな…。その場所だけ異世界のような。素敵な小洒落たカフェレストラン。

私もお気に入りの空間。

そこに訪れた人たちを、美味しい料理でもてなし、幸せな笑顔にする両親に誇りを感じていた。

幼心なりに、私も助けの一助になりたい。将来、大人になったら継いでゆきたいと想い続けていた。

両親が大切に築いてきたものを、私も守りたいと。


そこまでの想いがありながらも、両親が私に注いでくれるような愛情を、自分も注げる対象が居たらいいのにと望んでしまっていた。

お兄ちゃんでも、お姉ちゃんでも。どちらかが居たら良かったのに。

どんなに想い望もうが、それは今更無理だということも、ちゃんとわかっている。

だからこそ、確実性のある願い事。弟か妹が欲しいと、両親にせがんで困らせた。

この時の想いが、私にとって初めての“星に願い”をかけるキッカケになっていた。

何度も何度も、夜空のお星さまに願って祈ってた。

もし、叶えてくれたら、絶対に大切にしますと誓って。

そうして巡り合えたのが創介。

だから私は弟のことを“お星さまがくれた宝物”だと、ずっと大切に想っている。


だけど、もう一つ。
私は最近になって改めて気づけたことがある。

私が星に強く願ったこと。それは“私にも護る者をください”だった。

両親には護られてる。私も、そんなふうに愛を捧げられる人が欲しかったからこそ、生まれた願い。

だから、弟を授かったのだと思っていたけど。和人さんと巡り合えたのも、ちょうど同じ頃。

今思えば、和人さんとの出会いも、お星さまのおかげだったのかもしれない。

形は違うかもしれないけれど、私にとって彼もまた“護る者”。

護ってもらうことの方が圧倒的に多いけれど。お互いに想い合い、護り合える存在。

私がお星さまに願った根源的な願い事そのもの。

そして、和人さんとの出会いがあったおかげで、また一人。護るべき者である“姫花”とも巡り合えた。

お星さまに願ったあの日から、出会うもの全てに愛を感じられている。

私にとっての大切な宝物。
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