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シーシアは楽観的
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ある日のこと、サンティーカに嫁いだシーシアが、両国の新たな友好条約を結ぶついでに、私の部屋を訪ねてきた。
「こんにちはサンダルシア。聖女は順調かしら」
どんな質問だ。そう思ったが、私は愛想笑いを浮かべ、無難に返事をした。
「えぇ。問題無く」
嘘だ。問題大ありである。恰好だけで、祈りを捧げてみたものの、何日経っても、当然ながら、なんの変化も起こらない。国王やリルは慰めてくれるが、その優しさが余計に苦しくて、最近の私は、食事も喉を通らない。すっかりやせ細ってしまった。
しかし、シーシアはそんな私と違って、豊かな胸を揺らしながらやってきた。元々性格の悪い令嬢だったから、偽物を演じることに対しても、抵抗が無いのだろう。
「ここだけの話、実は私、本当に聖女かもしれないのよ」
「……え?」
何を言っているのだろう。この人は本を読まないのだろうか。聖女の力を知らないらしい。
「だってね?こないだ祈りを込めて、兵を戦地に送ったら、誰一人死者を出すことなく戻ってきたのよ?こんなことってあるかしら」
誇らしそうに高笑いをするシーシアに、呆れてしまった。サンティーカは現状、どこの国とも交戦状態ではない。戦地に行ったのではなく、ただ獣を狩りに出かけたのだろう。
「素晴らしいことですね」
なんとか言葉を絞り出した。私も彼女のように、楽観的で、盲目的な少女であるならば、どれほどよかっただろうか。
「まぁ、農民であるあなたには、縁の無い話よね。もしかしたら、すぐにでも偽物であることがバレてしまって、国外追放されちゃうかも!あはは!」
「……そうならないよう。精進して参ります」
こう答えるのが精一杯だった。
「こんにちはサンダルシア。聖女は順調かしら」
どんな質問だ。そう思ったが、私は愛想笑いを浮かべ、無難に返事をした。
「えぇ。問題無く」
嘘だ。問題大ありである。恰好だけで、祈りを捧げてみたものの、何日経っても、当然ながら、なんの変化も起こらない。国王やリルは慰めてくれるが、その優しさが余計に苦しくて、最近の私は、食事も喉を通らない。すっかりやせ細ってしまった。
しかし、シーシアはそんな私と違って、豊かな胸を揺らしながらやってきた。元々性格の悪い令嬢だったから、偽物を演じることに対しても、抵抗が無いのだろう。
「ここだけの話、実は私、本当に聖女かもしれないのよ」
「……え?」
何を言っているのだろう。この人は本を読まないのだろうか。聖女の力を知らないらしい。
「だってね?こないだ祈りを込めて、兵を戦地に送ったら、誰一人死者を出すことなく戻ってきたのよ?こんなことってあるかしら」
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「……そうならないよう。精進して参ります」
こう答えるのが精一杯だった。
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