国外追放された先で出会ったのは、素敵な魔法使いでした。

冬吹せいら

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ソリッドの気持ち

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「大変ですソリッド様ぁ! 国中の民が、痛みを訴えており、病院がパニック状態です!」
「わかった! すぐに他国に支援を要請する!」
「お願いします!」

大変なことになった。

僕の元婚約者であった、聖女のリンダが、国を去ってから、まだ少ししか、時間が経っていないのに。
ありとあらゆる場所で、問題が起こってしまっている。

田畑は枯れ果て、民は苦しみ……。
水は濁り、空気は淀んでいる。

彼女の祈りが、これほどまでの力を持っていたなんて、僕は全く知らなかったんだ。

部屋で頭を抱えていると――。
新たに妻となる予定の、リーファンがやって来て、隣に腰かけた。

「ソリッド様。大丈夫ですわ。私がついていますから」
「……あぁ」

リーファンの笑顔に、心が癒される。

リンダはとても美しい女性だった。
聖女として目覚めたその日に、婚約をしたのだ。

だが、度重なる激務により、どんどんと老けていき……。
あの夜、僕はリーファンと、過ちを犯した。
男としての本能を、抑えきれなかった。

だけど、それも仕方ないと思っていた。
リンダは真面目故、聖女としての仕事に、尽力し続けていたのだ。
僕には目もくれず、ただ真っすぐに、ひた向きに……。

結局、お互い抱きしめ合ったことすら、ほとんどないのに、気が付くとあんなに老けてしまっていた。
だいたい、彼女は言葉ばかりで、具体的な行動が無いのだ。

本当に僕のことが好きならば――。もっと……。

「ソリッド様。私、なんだか心が寂しいですわ?」

そう言って、リーファンが体を寄せてきた。

「リ、リーファン……。こんな時に」
「何も心配いりません。この国は元々、平和過ぎたのです。ちょっとばかし問題が起こっただけで、パニックになってしまう。だけど、それもすぐに馴れますわ」
「そうだろうか……。僕としては、民から王族への苦情が相次ぐと、革命が起こるんじゃないかと心配で」
「あはは。そんな心配、全く必要ございませんわ? だって、全てあの聖女のせいですもの。民の怒りは、そちらに向くはずですわ」

……それもそうか。
王族は元々、民に何の支援もしていない。

教会が、勝手に彼らに施しを与えていた。
平和であるがゆえに、他の国と戦争をし、領土を拡大したり、資源を得たりすることがないため、この国はそこまで裕福ではなかった。
ただのんびりと、必要最低限の暮らしがあるだけ。

普段から、ぼーっとしている民たちが、革命を起こすだなんて、確かに考えすぎだったかもしれない。

「じゃあ、リーファン……」
「えぇ……」

僕はリーファンに、口づけをした。

そしてそのまま、彼女を抱きしめて、ベッドに移動した。
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