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第十四話 DylanCease Side
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「サチコがどこにもいないだと!?」
「はいっ、侍女が言うには、今朝は通常どおり起床されて朝食を召し上がられたそうなのですが、その後庭を散歩すると言われて外に出たのを最後に消息を絶ったようです」
「足取りは掴めていないのか!?何でもいい、彼女が行きそうなところを当たってくれ」
こんな冬空の下、身重の彼女がそう遠くに行かれるとは思わなかった。事件に巻き込まれる前に早く見つけて連れ戻さなければ。
「ディランシーズ様!今調べたところ従者が一人この屋敷から消えておりました。タイミングからして、おそらく奥様を連れ出したのはこの男の仕業かと」
「なんだと!?」
聞けば男は外国からの移民で、紹介状を持っていたので採用したらしかった。確かにこの男が怪しい。まさか!?……いや、彼女が男と駆け落ちなどあり得ない。あり得るとすれば、愛想を尽かして僕のもとから去った可能性の方が大いにありえた。
「男を探せ。……いや、待て。男の出自はどこだ?」
「確かクアール王国だったかと。北西沿いの国境が我が国と隣接しております。……いかがされますか」
「まずは国境付近を探してくれ。それでも見つからないようであればクアール王国に人を向かわせる」
サチコ……どうか無事でいてくれ。僕は主寝室に入るとベッドの横に膝をついて祈りを捧げた。どうか……どうか彼女を僕のもとに返してください。その為ならば、数々の犯した汚業の罰を甘んじて受けましょう。そして生涯彼女ただ一人に尽くすことを誓います。
ベッドの中で目を閉じる。温もりを失くした冷たいシーツから、彼女の淡い残り香がした。
その晩、懐かしい夢を見た。僕たちがまだ恋人同士で、結婚の約束をしたばかりの頃の夢だった。初々しく見つめ合い、口づけを交わす。触れるだけの優しいものから、段々と舌を絡めた深いものへと変わっていく。
「サチコ……可愛い僕の天使……愛してるよ……」
クチュクチュといやらしい音を立てて口づけを繰り返す。舌が擦り合わされ、ジンと付け根が痺れた。呼吸がだんだん荒くなり、彼女の唇にチュッと吸い付いてから離れた。
「……ご奉仕いたします」
そう囁かれ、いやらしい手は股ぐらに触れズボンの紐を緩めた。その手は中からいきり勃った熱棒を取り出すと、先端を口に含んだ。親指と人差し指をくっつけてリング状にし、いきり勃った熱棒を上下にしごく。先端をぺろぺろと舐め回され呻き声をあげた。
「はぁ……、サチコ……すごくいいよ……」
まさか彼女からこのような奉仕を受ける日が来るとは…………。
恍惚とする僕を見てサチコが笑う。そして彼女は僕のものを深く咥えると、じゅるると吸い上げた。ああ、いい。すごくいい。今までどんなに乱らな行為に耽っても誰にも口淫は許さなかった。
だがサチコには逆にして欲しいくらいだった。サチコ……僕のサチコ……いや待て、違う……これはサチコではない!!!
「やめ……、うっ!」
誰とも分からない者からの口淫を受け、完全に覚醒した次の瞬間、吐精した。
「はぁはぁはぁ……これはどういうことだ、アンジェリカ」
彼女は口を開けて中のものを見せつけると、自慢げにそれをごくりと飲み込んだ。
「ふふふ、旦那様にご奉仕したまでですわ。さあ、次はここに旦那様の子種を注いでくださいまし」
アンジェリカがドレスの裾を捲って、下着を着けていない剥き出しの淫部を曝け出す。更に指を使って横に大きく広げ、これでもかと膣内をひけらかした。それを見た僕は激しい吐き気に襲われた。
「やめてくれっ!」
僕は迫る彼女を突き飛ばして拒絶した。ベッドから転げ落ちた彼女はボサボサに乱れた髪の隙間から、般若のような形相で睨み上げる。
「どうしてですの!?愛していると言って抱いてくださったではありませんか!!」
「……お前など愛していない!僕が愛しているのはサチコだけだ!」
「ひ、ひどい!!このことは全てお父様に報告いたしますわ!!」
「好きにしろ」
僕は乱れた衣服を正すと、女を無視してそのまま風呂場へと向かった。そして、服を着たまま頭から冷水を浴びて自嘲する。
まさか女に犯される日が来るとは。だがきっとこれまでにしてきた行いのツケが回って来たのだろう。若かりし頃から肉欲に溺れ、やっと真実の愛を見つけたにも関わらず僕は彼女の信頼を裏切った。
排泄行為でしかないのだから許されると高を括って、彼女に甘えた結果がこれだ。脅されていたのだから仕方がない?いや違う、他にも方法はあったはずだ。なのに僕は安易な道を選び大きな過ちを犯してしまった。
もう取り返しがつかないのか?
誰か、教えてくれ…………
*補足*
手を貸した従者が北部出身だったため、第二話でサチコは南に向かいました。そこの部分の説明が不足気味なので、完結後加筆したいと思います。
明日更新します。
「はいっ、侍女が言うには、今朝は通常どおり起床されて朝食を召し上がられたそうなのですが、その後庭を散歩すると言われて外に出たのを最後に消息を絶ったようです」
「足取りは掴めていないのか!?何でもいい、彼女が行きそうなところを当たってくれ」
こんな冬空の下、身重の彼女がそう遠くに行かれるとは思わなかった。事件に巻き込まれる前に早く見つけて連れ戻さなければ。
「ディランシーズ様!今調べたところ従者が一人この屋敷から消えておりました。タイミングからして、おそらく奥様を連れ出したのはこの男の仕業かと」
「なんだと!?」
聞けば男は外国からの移民で、紹介状を持っていたので採用したらしかった。確かにこの男が怪しい。まさか!?……いや、彼女が男と駆け落ちなどあり得ない。あり得るとすれば、愛想を尽かして僕のもとから去った可能性の方が大いにありえた。
「男を探せ。……いや、待て。男の出自はどこだ?」
「確かクアール王国だったかと。北西沿いの国境が我が国と隣接しております。……いかがされますか」
「まずは国境付近を探してくれ。それでも見つからないようであればクアール王国に人を向かわせる」
サチコ……どうか無事でいてくれ。僕は主寝室に入るとベッドの横に膝をついて祈りを捧げた。どうか……どうか彼女を僕のもとに返してください。その為ならば、数々の犯した汚業の罰を甘んじて受けましょう。そして生涯彼女ただ一人に尽くすことを誓います。
ベッドの中で目を閉じる。温もりを失くした冷たいシーツから、彼女の淡い残り香がした。
その晩、懐かしい夢を見た。僕たちがまだ恋人同士で、結婚の約束をしたばかりの頃の夢だった。初々しく見つめ合い、口づけを交わす。触れるだけの優しいものから、段々と舌を絡めた深いものへと変わっていく。
「サチコ……可愛い僕の天使……愛してるよ……」
クチュクチュといやらしい音を立てて口づけを繰り返す。舌が擦り合わされ、ジンと付け根が痺れた。呼吸がだんだん荒くなり、彼女の唇にチュッと吸い付いてから離れた。
「……ご奉仕いたします」
そう囁かれ、いやらしい手は股ぐらに触れズボンの紐を緩めた。その手は中からいきり勃った熱棒を取り出すと、先端を口に含んだ。親指と人差し指をくっつけてリング状にし、いきり勃った熱棒を上下にしごく。先端をぺろぺろと舐め回され呻き声をあげた。
「はぁ……、サチコ……すごくいいよ……」
まさか彼女からこのような奉仕を受ける日が来るとは…………。
恍惚とする僕を見てサチコが笑う。そして彼女は僕のものを深く咥えると、じゅるると吸い上げた。ああ、いい。すごくいい。今までどんなに乱らな行為に耽っても誰にも口淫は許さなかった。
だがサチコには逆にして欲しいくらいだった。サチコ……僕のサチコ……いや待て、違う……これはサチコではない!!!
「やめ……、うっ!」
誰とも分からない者からの口淫を受け、完全に覚醒した次の瞬間、吐精した。
「はぁはぁはぁ……これはどういうことだ、アンジェリカ」
彼女は口を開けて中のものを見せつけると、自慢げにそれをごくりと飲み込んだ。
「ふふふ、旦那様にご奉仕したまでですわ。さあ、次はここに旦那様の子種を注いでくださいまし」
アンジェリカがドレスの裾を捲って、下着を着けていない剥き出しの淫部を曝け出す。更に指を使って横に大きく広げ、これでもかと膣内をひけらかした。それを見た僕は激しい吐き気に襲われた。
「やめてくれっ!」
僕は迫る彼女を突き飛ばして拒絶した。ベッドから転げ落ちた彼女はボサボサに乱れた髪の隙間から、般若のような形相で睨み上げる。
「どうしてですの!?愛していると言って抱いてくださったではありませんか!!」
「……お前など愛していない!僕が愛しているのはサチコだけだ!」
「ひ、ひどい!!このことは全てお父様に報告いたしますわ!!」
「好きにしろ」
僕は乱れた衣服を正すと、女を無視してそのまま風呂場へと向かった。そして、服を着たまま頭から冷水を浴びて自嘲する。
まさか女に犯される日が来るとは。だがきっとこれまでにしてきた行いのツケが回って来たのだろう。若かりし頃から肉欲に溺れ、やっと真実の愛を見つけたにも関わらず僕は彼女の信頼を裏切った。
排泄行為でしかないのだから許されると高を括って、彼女に甘えた結果がこれだ。脅されていたのだから仕方がない?いや違う、他にも方法はあったはずだ。なのに僕は安易な道を選び大きな過ちを犯してしまった。
もう取り返しがつかないのか?
誰か、教えてくれ…………
*補足*
手を貸した従者が北部出身だったため、第二話でサチコは南に向かいました。そこの部分の説明が不足気味なので、完結後加筆したいと思います。
明日更新します。
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