私の愛する夫たちへ

エトカ

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第三部

熱い夜

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 レラージェに抱えられてたどり着いた先は寝室だった。

 そっとベッドの淵に下ろされると、彼の親指におとがいを持ち上げられた。そして音もなく唇が降りてきて、二人の唇がしっとりと重なる。


 「んっ……」


 顔を何度も斜めに傾け、やがて本格的なキスを仕掛けられた。真希は想いのこもったキスに眩暈を覚える。
 ゆっくりと上体を倒され、うなじのくぼみに口づけを落とされた。


 「……マキ、好きだ……愛してる」


 彼の甘い自白に、真希の胸がドキンと鳴った。


 「私も……私もレラージェが好き……」


 熱い舌が再び侵入してきて口腔を蹂躙していく。そして、唇が離れた刹那、感情がほとばしった。


 「レラージェ、好きなの……。ずっと、ずっとそう伝えたかった……!」

 「ん。……ありがとう、その言葉をずっと待ってた」


 彼は片腕をついて上体を起こすと、真希の着ているドレスのボタンを器用に外していった。その間、真希も彼の服を脱がしていく。だが緊張からか手が震えて上手くいかなかった。
 その様子を見てクスッと笑った彼は、自らシャツを脱いで肌を露わにした。

 レラージェの身体は、アルマロスのような筋肉をまとっているわけではなかったが、それでも締まっていてしなやかな身体つきをしていた。
 あっという間に二人とも生まれたままの姿になり、肌と肌を密着させる。そのまま、二人は大波に呑まれたかのように互いを貪った。





 丁寧な前戯をほどこされ、真希の秘部はとろとろにふやけてしまっていた。ぼんやりとしていると、レラージェがベッド横の引き出しから何かを取り出した。


 「大丈夫、ただの避妊薬だよ。ふふ、アルも毎回飲んでいるの気がついてなかった?今はまだ真希をいっぱい味わいたいから飲むけど、いつかその時が来たら僕の子供を産んでね?」


 そう言って、彼は小瓶の中身を一気に飲み干した。そしてレラージェは、膨らんだ雄棒を構え蜜口に押しつけた。つるりと誘うように亀頭がみるみる呑み込まれていく。淫靡な音と共に、隘路を押し進む男根に焼け付くような熱が溜まるのを下腹部に感じた。


 「ちょ、ちょっと待ってレラー……ジェ、ん、んんっ、あぁぁぁ……」


 腰を前にググッと押し進められ、ずぶずぶと雄棒を呑み込んでいく。やがて根元まで深く埋まり、先端が最奥まで届いたのがわかった。
 膝裏を持ち上げられ、さらに腰をぐっと密着されると切ない喘ぎ声が喉から押し出された。


 「あ……。ふ……ふ、深いっ……」


 熱をもった媚肉がひくひくと蠢き、敏感なカリのところを刺激する。するとレラージェの口からうめき声が漏れた。


 「ごめん、もう限界。……動くよ」


 そう言うと、ゆっくりと腰が動き出した。クチュッ、クチュッと出入りする度に卑猥な音が耳に響く。抽挿は徐々に早くなっていき、真希の腰も自然に揺れ出した。


 「はんっ、あぅっ……あ、ああっ」

 「マキ……マキ、愛してるよ……君だけをっ」


 そう言うと、レラージェは濁流のような衝動に任せて腰を振りたくった。

 それによって、真希の口から蚊の鳴くような喘ぎ声が、切れ間なく押し出される。感じやすい奥の方を突かれ、膣口はキュンキュンと窄まり雄棒を淫らに搾りあげた。


 「くっ……。そんな強く締め付けないでくれ、出してしまうっ」

 「そ、んなの……わかんなっ……」


 猛りきった雄棒がズチュッ、ズチュッと蜜壺を掻き回す。そしてどちらからともなく唇が重なると、舌先と舌先が甘く絡み合った。
 二つの身体が、溶け合って一つに融合されたかのような錯覚に陥ってしまいそうだった。

 だんだん運動のスピードが上がってくると、それと同時に高まっていく熱。雄棒が引くたびに喪失感を感じ、どちゅんと再び奥を穿たれると充足感に満たされた。


 「あ、あっ、あぁっ……ん、んんっ……!」


 抑えようとしても嬌声が漏れてしまう。彼の両手に腰骨からあばらを撫で上げられ、フルフルと揺れる胸をこねるように揉まれる。
 真希は四肢を戦慄わななかせながら、蕩けるような打撃にひたすら耐え続けた。何度も奥に叩きつけられ、言葉がうまく声にならない。長くて硬い彼のものに奥の奥を掻き回され、下腹部にせり上がった疼きが限界にまで張りつめた。


 「あっ、わたし……もうっ……だ、ダメッ……」


 追い立てられた真希は、悲鳴をあげた。


 「くっ……出すよ、うっ……出る!!」


 彼は押し込むように強く穿つと、急くように自身を深々と差し込みビクビクッと腰を痙攣させた。
 次の瞬間、真希も達して限界を超えた快感が白く弾け飛んだ。


 「はぁ、はぁ、はぁ……」


 肩で息をしながらレラージェを見上げると、球のような汗をかいた彼と目があった。そして互いに笑みを浮かべて口づけを交わす。


 「……大丈夫?」


 心配そうに覗き込まれ、汗で張り付いた髪を撫でるように退かせてくれた。先ほどまでとは打って変わって、労わるような眼差しと声音に、まだ咥えたままの膣内がキュンと彼を締め付ける。
 刺激を受けた彼のものが再び力を取り戻し、真希がそれに気づくと同時に再び抽挿が始まった。


 「ごめんね、マキ。まだ終われそうにないみたいだ」

 「……うん、私もレラージェがもっと欲しい」


 ようやく想いが通じあった二人は、そのまま明け方まで熱を分かち合った。そして翌日。目を覚ました二人は、口づけを交わすと再び身体を重ねた。

 甘い行為は日が高くなるまで続き、最終的にはアルマロスのドアを叩き壊すようなノックの音でひとまず終わりを迎えた。


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