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7話 はじめまして
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「どうぞ」
マリアの声に反応して扉が開く。そこにはエドガーが心配そうな顔をして立っていた。
「よっ!いつまで経っても出てこないから心配で迎えに来た。が、廊下まで海輝君の声が響いてたけど大丈夫か?」
マリアの顔が少し曇る。
「…私が迂闊だったばかりに海輝君に事件のことを思い出させてしまって……少し焦りすぎました」
「そうか」
エドガーはベッドで寝ている海輝の姿を見て、自身の不甲斐なさに唇を噛みしめた。
しかし自分がそんな素振りをしていてはマリアがますます落ち込んでしまうだろうと思い瞬間的に気分を切り替え、エドガーはわざと明るく振る舞う。
「それはマリア、君の責任じゃない。艦長である俺の責任だ。それと、マリアを待っている間にキャプテンマーチャントが戻ってきてな。ザバステメス艦長を解任を言い渡された。今後は君と一緒にこの子たちの面倒を見てくれという指令だ。よろしくな!」
エドガーは笑顔でウインクをマリアに送る。
「か、解任、ですか!?」
マリアは驚きとともにエドガーをきちんと補佐できなかったという自責の念に襲われ、一瞬顔が曇りかけたが一呼吸置き落ち着きを取り戻して喋りだした。
「わかりました。よろしくお願いします、エドガー艦長!私もエドガー艦長と二人なら心強いです」
「はは、ありがとう。僕もだよ、マリア。」
エドガーは少し照れくさくなり頭をかいた。エドガーとマリアが話していると、海輝が目を覚ました。
「う、うーん。あれ?なんで僕、またベッドで寝てるんだろう?」
海輝は周りを見渡し、エドガーと目が合った。
「海輝君、おはよう。ごめんね。声がでかいから起こしてしまったかな。僕はこの艦の艦長、だったエドガーだ。今さっき解任されたばっかりだけどね」
眉を垂れ、おどけたジェスチャーで笑顔で話しかける。
「海輝君、おはよう。体調はどう?」
「はい、大丈夫です。すいません、僕、なんか寝ちゃったみたいで」
「ううん、大丈夫よ。私が少し焦り過ぎてたみたい。ごめんね」
エドガーはゴホンと咳払いをしてとっさに会話に割り込んだ。
「あー、海輝君、そろそろ着替えようかな。これから君たちは念のため病院で精密検査と検疫を受けてもらう。体調の確認ができたら君たちを引き取ってくれる人が出てくるまで我々と共同生活をすることになった。隣の部屋にいる君と同じ救助された2人もだ。君たちの保護者が現れるまでの間だけだがそれまでは運命共同体だ。よろしくな!」
エドガーは笑顔でウインクをした。白い歯がキラリと光る。
「海輝君、よろしくね。今回あなたと共に救助された2人は同じ年頃よ。名前はセリアとユウキ。病院に行く前にお互いの自己紹介を軽く済ませておきましょうか」
「え、はい、わかりました」
海輝は急な展開に戸惑いながらも頷いた。
「着替えはその角のロッカーの中に用意してあるから、自分で着替えられるか?」
「は、はい、大丈夫です」
「よし、じゃあ私とマリアは隣の部屋に先に行ってる。着替えたら海輝君も来てくれ」
「は、はい」
そういうと、エドガーとマリアは立ち上がり、セリアとユウキのいる部屋へと歩いていった。
「それじゃあ、海輝君、待ってるわね」
マリアが笑顔で海輝に手を振った後、扉が静かに閉まった。海輝はベッドから降り、用意されたサンダルを履いて深呼吸をする。
「共同生活…。エドガーさんとマリアさん、優しそうな人たちだな。僕以外にも救助された人がいたんだ…」
海輝は先程のエドガーの話を思い出し考えに耽った。
「あ、そうだ。早く着替えていかなくっちゃ。ロッカー、ロッカー。これかな?」
部屋の隅にあったロッカーを開けると、そこには派手なアロハシャツとハーフパンツがハンガーにかけてあった。
「こ、これかな。救助された二人、セリアとユウキって言ってた。優しい子だったらいいんだけれど…」
海輝は少し不安げな表情を浮かべながら服を着替えた。
「海輝君、大丈夫?」
扉をノックしてマリアが声をかけてくる。
「はい、着替え終わりました」
「そう。じゃあ、その扉の隣にあるボタンを押してくれる?外からじゃ開かないの」
「はい、えーとボタン、これかな?」
海輝が扉の横のボタンを押すと、シューッと空気の抜けた音を立てて扉が開いた。
「ありがとう。お、バッチリ決まってるじゃない。それじゃあ、隣の部屋のセリアとユウキに挨拶をしに行きましょうか。二人ともいい子だから、仲良くしてあげてね」
「は、はい」
海輝は初対面の人との挨拶のことを思うと徐々に緊張し心臓がバクバクと激しくなっていくのを感じた。
「マリアですが、開けてもよろしいですか?」
「どうぞ、入ってくれ」
中からエドガーの声が聞こえた。
部屋の扉が開くとエドガーの隣に海輝と同じくアロハシャツに着替えたセリアとユウキが立っていた。
海輝は初対面の二人を前に顔を真っ赤にして緊張でまともに前を向くことができず、マリアの後ろに隠れるように立っているのがやっとであった。
マリアの声に反応して扉が開く。そこにはエドガーが心配そうな顔をして立っていた。
「よっ!いつまで経っても出てこないから心配で迎えに来た。が、廊下まで海輝君の声が響いてたけど大丈夫か?」
マリアの顔が少し曇る。
「…私が迂闊だったばかりに海輝君に事件のことを思い出させてしまって……少し焦りすぎました」
「そうか」
エドガーはベッドで寝ている海輝の姿を見て、自身の不甲斐なさに唇を噛みしめた。
しかし自分がそんな素振りをしていてはマリアがますます落ち込んでしまうだろうと思い瞬間的に気分を切り替え、エドガーはわざと明るく振る舞う。
「それはマリア、君の責任じゃない。艦長である俺の責任だ。それと、マリアを待っている間にキャプテンマーチャントが戻ってきてな。ザバステメス艦長を解任を言い渡された。今後は君と一緒にこの子たちの面倒を見てくれという指令だ。よろしくな!」
エドガーは笑顔でウインクをマリアに送る。
「か、解任、ですか!?」
マリアは驚きとともにエドガーをきちんと補佐できなかったという自責の念に襲われ、一瞬顔が曇りかけたが一呼吸置き落ち着きを取り戻して喋りだした。
「わかりました。よろしくお願いします、エドガー艦長!私もエドガー艦長と二人なら心強いです」
「はは、ありがとう。僕もだよ、マリア。」
エドガーは少し照れくさくなり頭をかいた。エドガーとマリアが話していると、海輝が目を覚ました。
「う、うーん。あれ?なんで僕、またベッドで寝てるんだろう?」
海輝は周りを見渡し、エドガーと目が合った。
「海輝君、おはよう。ごめんね。声がでかいから起こしてしまったかな。僕はこの艦の艦長、だったエドガーだ。今さっき解任されたばっかりだけどね」
眉を垂れ、おどけたジェスチャーで笑顔で話しかける。
「海輝君、おはよう。体調はどう?」
「はい、大丈夫です。すいません、僕、なんか寝ちゃったみたいで」
「ううん、大丈夫よ。私が少し焦り過ぎてたみたい。ごめんね」
エドガーはゴホンと咳払いをしてとっさに会話に割り込んだ。
「あー、海輝君、そろそろ着替えようかな。これから君たちは念のため病院で精密検査と検疫を受けてもらう。体調の確認ができたら君たちを引き取ってくれる人が出てくるまで我々と共同生活をすることになった。隣の部屋にいる君と同じ救助された2人もだ。君たちの保護者が現れるまでの間だけだがそれまでは運命共同体だ。よろしくな!」
エドガーは笑顔でウインクをした。白い歯がキラリと光る。
「海輝君、よろしくね。今回あなたと共に救助された2人は同じ年頃よ。名前はセリアとユウキ。病院に行く前にお互いの自己紹介を軽く済ませておきましょうか」
「え、はい、わかりました」
海輝は急な展開に戸惑いながらも頷いた。
「着替えはその角のロッカーの中に用意してあるから、自分で着替えられるか?」
「は、はい、大丈夫です」
「よし、じゃあ私とマリアは隣の部屋に先に行ってる。着替えたら海輝君も来てくれ」
「は、はい」
そういうと、エドガーとマリアは立ち上がり、セリアとユウキのいる部屋へと歩いていった。
「それじゃあ、海輝君、待ってるわね」
マリアが笑顔で海輝に手を振った後、扉が静かに閉まった。海輝はベッドから降り、用意されたサンダルを履いて深呼吸をする。
「共同生活…。エドガーさんとマリアさん、優しそうな人たちだな。僕以外にも救助された人がいたんだ…」
海輝は先程のエドガーの話を思い出し考えに耽った。
「あ、そうだ。早く着替えていかなくっちゃ。ロッカー、ロッカー。これかな?」
部屋の隅にあったロッカーを開けると、そこには派手なアロハシャツとハーフパンツがハンガーにかけてあった。
「こ、これかな。救助された二人、セリアとユウキって言ってた。優しい子だったらいいんだけれど…」
海輝は少し不安げな表情を浮かべながら服を着替えた。
「海輝君、大丈夫?」
扉をノックしてマリアが声をかけてくる。
「はい、着替え終わりました」
「そう。じゃあ、その扉の隣にあるボタンを押してくれる?外からじゃ開かないの」
「はい、えーとボタン、これかな?」
海輝が扉の横のボタンを押すと、シューッと空気の抜けた音を立てて扉が開いた。
「ありがとう。お、バッチリ決まってるじゃない。それじゃあ、隣の部屋のセリアとユウキに挨拶をしに行きましょうか。二人ともいい子だから、仲良くしてあげてね」
「は、はい」
海輝は初対面の人との挨拶のことを思うと徐々に緊張し心臓がバクバクと激しくなっていくのを感じた。
「マリアですが、開けてもよろしいですか?」
「どうぞ、入ってくれ」
中からエドガーの声が聞こえた。
部屋の扉が開くとエドガーの隣に海輝と同じくアロハシャツに着替えたセリアとユウキが立っていた。
海輝は初対面の二人を前に顔を真っ赤にして緊張でまともに前を向くことができず、マリアの後ろに隠れるように立っているのがやっとであった。
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