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『ヒール65』
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『ヒール65』
「それにしても問題はサリオスね。トレイルに対して明らかに嫌がらせをしたと捕まった幹部が話した。竜の守りを潰すとまで言ってるらしい。ローズとトレイルを別れさせるのもサリオスが持ちかけた話。今回の件はサリオスが原因としたら問題」
「俺もその点は危惧している。サリオスは俺にからんでくる。俺なんか放っておいて欲しいのに」
「話ではサリオス、ジェンティルらはトレイルを欲しているとも。トレイルがとても雑用係として有能だった。他の冒険者を雑用係にしても使えないから、トレイルが再び森の王に戻って欲しいのだとか。そんなのいい迷惑な話」
「トレイル行かないで……」
「大丈夫だよローズ。俺は竜の守りを捨てるなんてしない。サリオスの雑用係なんて名誉はごめんだ。2度と雑用係はしたくない」
もう2度としたくないし、あいつの顔を見たくない。
「良かった」
「性格悪いのよ、あの男もジェンティルも。最低の勇者様。ドワーフ達に相談してダンジョンに埋めてやりたいくらいよ」
「それ、エルフ族も一族をかけて応援します」
「猫人族も応援する」
「サリオスを埋められるならな。俺はあの男が自分のことしか考えていないのを知った。あの時、俺を殺そうとした時に思った。今回の件も自分の役に立つから程度しか考えていないのだろう」
「勇者様ならもっとやることあるでしょう。魔物を倒したりダンジョンに行ったりと。暇なのかなぴょん」
「言えてるよ、シシリエンヌの言ったのをサリオスに言いたい」
「残念な勇者よ。あんな男はトレイルに比べたら天と地よ」
「それって、ローズはサリオスよりもトレイルが好きって言いたいのかな」
ローズの発言にパピアナが食いついた。
「いや、その、つい言っちゃっただけ。意味はないよ」
「本当かな」
「なによパピアナ、変な風に言うの止めてよ」
「別に変な言い方していないと思うが」
ローズに意地悪な質問をする。
「もしかしてローズは、トレイルと関係があるのかぴょん?」
「い、い、意味わからないこと言わないシシリエンヌ。新入りなんだから、もう!」
「顔が赤いぴょん」
「もう~こうしてやる!」
「ああ~止めて、兎の耳は引っ張ったらダメぴょん」
「兎の耳って長いな。パピアナの耳も長いがどっちが長い?」
ミヤマがエルフの長耳と兎人の耳を比べる。
俺はどちらが長くてもいいし、どっちを応援してもいないが。
「私の耳に決まっている。エルフが一番長い」
パピアナは自慢気に言い、耳をピンとさせている。
「違う違う、兎の方が長い。耳長は兎の方が痛いぴょん!」
「痛! 叩いたなトレイル!」
俺がパピアナとシシリエンヌの頭を軽口叩いた。
結果はどちらでもいいかたらだ。
「耳の長さはいい。それよりもう寝よう。疲れもある」
「はいぴょん」
耳を垂らして言うシシリエンヌ。
「わかったわよ、叩くことないのに!」
逆にパピアナは怒り気味に言うあたりはパピアナらしいか。
「明日は冒険者ギルドに報告に行こうよ、ギルドでも領主の件は知っていて、表ざたにしていないけど、さすがにああなったら、町の人も知るでしょう」
「きっとギルドからの評価も上がる」
「だといいな。評価ばかりは俺ではどうにもならないしな」
「ちなみに竜の守りはランクはいくつなのぴょん」
「現在はEランクだわね。設立した時もEランクだった」
「Eランクで、あの殺し屋を倒したのか。ちょっと驚きぴょん」
確かに竜の守りのランクを上げてもらってもいい頃だし、俺からギルド側に、お願いしてもいいか。
「ギルドの受付嬢に私が言おう。ランクを上げなさいと」
「ミヤマが言っても無駄。何も権限ないし」
「受付嬢のテーブルをハンマーで叩いてでも上げさせる。それでも上げないなら、ああっ!!」
「壊すのは良くないといつも言ってるだろう」
「わかっている冗談よ」
テーブルをハンマーで叩くと言い出したので、俺がミヤマの頭を軽く叩いた。
何するのよ的な目で俺を見つめる。
何かあると、強引な行動に出やすいミヤマには注意がいる。
「あはは、怒られてる」
「笑うなエルフ!」
宿屋で寝る準備となった。
シシリエンヌは慣れないからか、寝るのに時間がかかったみたいだ。
新しい仲間のシシリエンヌが増えて、竜の守りは一段と面白くなった気もする。
サリオスの森の王のようなパーティーとは違う方向に進んでいるのは確かだ。
単に強くて魔王を倒しに行くのに非情な集まりじゃない。
もし森の王にローズがいたとする。
ローズが領主に気に入られた時に、サリオスはどうするか?
アイツはローズを本気で守るかなと考えたら、絶対に守ることはないと思える。
むしろ喜んで仲間のローズを差し出すだろうな。
自分が得するならば。
損か得かしかないパーティーだ。
俺を単に雑用係として使い、最後はダンジョンで死んだことにして殺そうとしたのは、報酬を俺に支払いたくないだけだった。
報酬が減る、たったそれだけで俺を殺そうとした奴。
信じられないが事実だ。
世界中探してもサリオスよりも自己中な人は存在しないと考えたいし、サリオスと関わる人はみんな災難になる。
騎士団の幹部と領主もそうだ。
サリオスと関わるから、奈落の底に落ちたとも言える。
でも幹部と領主は普段から落ちて当然だったか。
みんなと出会えて本当に良かったなと思いつつ眠たくなった。
「それにしても問題はサリオスね。トレイルに対して明らかに嫌がらせをしたと捕まった幹部が話した。竜の守りを潰すとまで言ってるらしい。ローズとトレイルを別れさせるのもサリオスが持ちかけた話。今回の件はサリオスが原因としたら問題」
「俺もその点は危惧している。サリオスは俺にからんでくる。俺なんか放っておいて欲しいのに」
「話ではサリオス、ジェンティルらはトレイルを欲しているとも。トレイルがとても雑用係として有能だった。他の冒険者を雑用係にしても使えないから、トレイルが再び森の王に戻って欲しいのだとか。そんなのいい迷惑な話」
「トレイル行かないで……」
「大丈夫だよローズ。俺は竜の守りを捨てるなんてしない。サリオスの雑用係なんて名誉はごめんだ。2度と雑用係はしたくない」
もう2度としたくないし、あいつの顔を見たくない。
「良かった」
「性格悪いのよ、あの男もジェンティルも。最低の勇者様。ドワーフ達に相談してダンジョンに埋めてやりたいくらいよ」
「それ、エルフ族も一族をかけて応援します」
「猫人族も応援する」
「サリオスを埋められるならな。俺はあの男が自分のことしか考えていないのを知った。あの時、俺を殺そうとした時に思った。今回の件も自分の役に立つから程度しか考えていないのだろう」
「勇者様ならもっとやることあるでしょう。魔物を倒したりダンジョンに行ったりと。暇なのかなぴょん」
「言えてるよ、シシリエンヌの言ったのをサリオスに言いたい」
「残念な勇者よ。あんな男はトレイルに比べたら天と地よ」
「それって、ローズはサリオスよりもトレイルが好きって言いたいのかな」
ローズの発言にパピアナが食いついた。
「いや、その、つい言っちゃっただけ。意味はないよ」
「本当かな」
「なによパピアナ、変な風に言うの止めてよ」
「別に変な言い方していないと思うが」
ローズに意地悪な質問をする。
「もしかしてローズは、トレイルと関係があるのかぴょん?」
「い、い、意味わからないこと言わないシシリエンヌ。新入りなんだから、もう!」
「顔が赤いぴょん」
「もう~こうしてやる!」
「ああ~止めて、兎の耳は引っ張ったらダメぴょん」
「兎の耳って長いな。パピアナの耳も長いがどっちが長い?」
ミヤマがエルフの長耳と兎人の耳を比べる。
俺はどちらが長くてもいいし、どっちを応援してもいないが。
「私の耳に決まっている。エルフが一番長い」
パピアナは自慢気に言い、耳をピンとさせている。
「違う違う、兎の方が長い。耳長は兎の方が痛いぴょん!」
「痛! 叩いたなトレイル!」
俺がパピアナとシシリエンヌの頭を軽口叩いた。
結果はどちらでもいいかたらだ。
「耳の長さはいい。それよりもう寝よう。疲れもある」
「はいぴょん」
耳を垂らして言うシシリエンヌ。
「わかったわよ、叩くことないのに!」
逆にパピアナは怒り気味に言うあたりはパピアナらしいか。
「明日は冒険者ギルドに報告に行こうよ、ギルドでも領主の件は知っていて、表ざたにしていないけど、さすがにああなったら、町の人も知るでしょう」
「きっとギルドからの評価も上がる」
「だといいな。評価ばかりは俺ではどうにもならないしな」
「ちなみに竜の守りはランクはいくつなのぴょん」
「現在はEランクだわね。設立した時もEランクだった」
「Eランクで、あの殺し屋を倒したのか。ちょっと驚きぴょん」
確かに竜の守りのランクを上げてもらってもいい頃だし、俺からギルド側に、お願いしてもいいか。
「ギルドの受付嬢に私が言おう。ランクを上げなさいと」
「ミヤマが言っても無駄。何も権限ないし」
「受付嬢のテーブルをハンマーで叩いてでも上げさせる。それでも上げないなら、ああっ!!」
「壊すのは良くないといつも言ってるだろう」
「わかっている冗談よ」
テーブルをハンマーで叩くと言い出したので、俺がミヤマの頭を軽く叩いた。
何するのよ的な目で俺を見つめる。
何かあると、強引な行動に出やすいミヤマには注意がいる。
「あはは、怒られてる」
「笑うなエルフ!」
宿屋で寝る準備となった。
シシリエンヌは慣れないからか、寝るのに時間がかかったみたいだ。
新しい仲間のシシリエンヌが増えて、竜の守りは一段と面白くなった気もする。
サリオスの森の王のようなパーティーとは違う方向に進んでいるのは確かだ。
単に強くて魔王を倒しに行くのに非情な集まりじゃない。
もし森の王にローズがいたとする。
ローズが領主に気に入られた時に、サリオスはどうするか?
アイツはローズを本気で守るかなと考えたら、絶対に守ることはないと思える。
むしろ喜んで仲間のローズを差し出すだろうな。
自分が得するならば。
損か得かしかないパーティーだ。
俺を単に雑用係として使い、最後はダンジョンで死んだことにして殺そうとしたのは、報酬を俺に支払いたくないだけだった。
報酬が減る、たったそれだけで俺を殺そうとした奴。
信じられないが事実だ。
世界中探してもサリオスよりも自己中な人は存在しないと考えたいし、サリオスと関わる人はみんな災難になる。
騎士団の幹部と領主もそうだ。
サリオスと関わるから、奈落の底に落ちたとも言える。
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みんなと出会えて本当に良かったなと思いつつ眠たくなった。
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