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彼女の決意
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朝の独特な空気を浴びながら、悟はバイクで国道を走っていた。
現在、悟とリリの二人はアリーナ会場へと向かっていた。悟達が先程いた廃工場からアリーナ会場まで約一時間半弱の距離だ。
先程までリリが捕まっていた廃工場は悟が消防へと連絡を入れていた。きっと今頃消火活動が行われているだろう。
リリが拐われ、あれから一晩しか時間は経過しておらず、普通ならばもうすでに警察が動いていてもおかしくない状況だ。
だがそれを梨乃が、会場の方でスタッフ達を誤魔化し、必死で押しとどめている。
その為まだリリが拐われていた事実は誰にも知られてはいない。
おそらく犯人の狙いはリリを廃工場で焼き殺した後、アリーナ会場に設置した爆弾で会場を爆破したのち、自らも自殺を図るのだろう。
きっと犯人は彼女と会場を爆破した後(のち)、逃走、または自首と言う選択肢は取らない。
星野リリに……彼女自身に執着し、拘るのならば彼女の後をきっと追って死ぬ筈だ。
もしもコンサートが中止になったとしても、会場の破壊はきっと止めない。
奴の目的はリリの歌う場所を破壊する事。
どのみち関係の無い無関係な人間が生きようが、死のうが犯人には全く興味が無く、関係がない事だ。
コンサート前にリリの遺体が発見されれば犯人にとっては都合が悪くなる。
何故遺体の発見を必要以上に遅らせる必要があるのか、そこがまだ不明な部分ではあるのだが、きっとおそらく自分の中で組み立てている計画が崩れ去ってしまうのだろう。
だから誰にも気づけない場所でリリを焼き殺そうとしたのだ。
だが悟は達にはまだ時間の猶予が残されている。
会場に到着後警察に連絡し、スタッフに状況を説明して、会場内に設置された全ての爆弾を処理すればまだ間に合う筈だ。
ライブが開始するのは午後の16時からになっている。今からでも充分に間に合う。
そう思考を巡らせる最中、今にも掻き消えそうな小さな呟きが突然悟の耳へと届いた。
「悟……わたしね……」
柔らかなオレンジ色の髪を風に靡かせて。
後ろに座るリリは悟の腰に回していた手に僅かに力を込め、彼を抱きしめるようにして、静かに口を開いた。
「わたし……ずっとファンの為、わたしの歌を聞いてくれている人達の為に歌ってきたの。わたし自身歌う事が好きだったし、それに何より皆がわたしの歌を聴いてくれる、好きでいてくれる。それだけでわたしは嬉しかった。もっと、もっと沢山の人達に歌を届けたいって思っていた。それがわたしの夢だった」
リリは一度言葉を切り、そしてそれを全て否定するように顔を俯かせながら言った。
「だけど違っていた。きっとわたしは時雨に認めて欲しくって歌っていた」
「………」
「初めて自分が信じている人に、自分を認めて欲しくって歌っていた。きっと本当はただそれだけの為に歌っていた。だからあの時アンタに『歌を歌ってて楽しいか?』って聞かれた時、正直分からなかった……ううん、違う。認めたくなかった。歌に対しての迷いがある事に認めたくなかった。でないと、わたしは今まで何の為に歌ってきたか分からなくなりそうだったから……」
きっと彼女は自分が信じている人に自分の歌を認めて貰いたかっただけだった。
それは小さな幼い子供が自分の母親に「凄いね」と褒められたいと言う感覚に似ていた。また、時雨自身がリリに恋愛感情を抱いていたように、彼女自身も同じく彼へと自分の本当の兄のような感情を強く抱いていた。
だから彼には自分の歌を認めて欲しい。
そんな想いが彼女の中で強く存在していたのだった。
「今まで時雨に向けて歌ってきたわたしが、皆の心に残るような歌を果たして歌えるのかって……正直分からないの……今のわたしに出来るのかって本当は分からないし、不安だってあるの……」
「あのさ、別にそんなに気を張り詰めて歌わなくても良いんじゃねーの?」
顔を曇らせ、不安そうな声色で言うリリに、悟は気楽な口調でそう答えた。
「そんなに難しく考えねぇで、お前が歌いたいように歌えば良いんじゃねーの。ごちゃごちゃ考えずに素直な想いでさ。それにお前は何でアイドルになろうと思ったんだ?」
「わたしは……」
彼の問い掛けに、彼女はポツリと言葉を漏らした。
そしてふと顔を横へ、流ゆく景色へと向けた。
その時、彼女が目を向けた先は幾つも立ち並ぶ建物の景色の中をオレンジ色の空が広がり、朝日が昇っていた。
それはとても綺麗で。
思わず見惚れてしまう程の美しさだった。
こんな風に朝日を眺めたのは何年ぶりの事だろうか……。
そう思いながら、彼女は言葉を口にした。
「歌が好きだった。だけど半分は興味本位だった。アイドルになった理由なんって、ただそれだけだった」
一年前のあの日。
放課後、学校帰りに街の中を歩いていた時に今のマネージャーにスカウトされた。
初めは半信半疑だった。自分がアイドルになれるなんて想像もつかなかった。
歌を歌うことは好きだ。それも幼い頃からずっと。
だからと言って歌手に自ら進んでなりないとは思わなかった。
そんなのは才能がある人間がなるものだと思っていた。
だけど目の前の女性は薔薇のような美しい微笑みと共にそれを自分へと『アイドルにならない』と告げたのだった。
歌う事以外に何も無い、空っぽで、平凡な自分へと告げたのだ。
もし世界中の誰もが認める歌を歌えたとしたら、彼は認めてくれるだろうか?
そんな事を思いながら彼女はアイドルになったのだった。
それは興味本位からきたものであると同時に、大切な誰かに認めてもらいたいと言う想いから出た自分のエゴだった。
そこに”夢”と”憧れ”と言う文字は最初から存在しなかった。
彼女はその想いを自分でも気づかないうちに”夢”にすり替えてしまっていたのだ。
「わたしは今思えば、”誰に認められたい”と言う想いを、気持ちを自分の夢だと思って歌ってきたの。そんなの夢なんかじゃない。ただの我儘な傲慢さ。だけどファンの皆にわたしの歌を聞いて楽しんで欲しい、誰かの心に残るものを歌いたいって気持ちは本物だった。でも、それさえも認められたいって言う想いからかもしれないのなら、わたしの夢は全部偽りだらけの偽物になる……。だったらわたしは……」
リリは苦しそうな表情をしてそう言った。
「でもさ、それで良いんじゃねーのか。確かに最初は興味本位でやっていた事かもしんねーけどさ、」
リリの言葉に悟は前を向いたまま柔らかい声で言葉を続けた。
「それって、”本気”でやったら今以上に上に行ける……お前の言う誰かの心に残す歌を届けれるかもしれないって事だろう?だったら答えは簡単じゃねーかよ。今度は”本気”でやってみろよ。誰かに認めてもらう為にやるんじゃなくって、誰かの心に残る歌を歌うために本気でさ。お前自身のやり方で」
悟はリリへとそう言った。
その言葉に、自分の気持ちが一杯になると同時に詰まるのを感じた。
今まで誰かにそう言ってもらった事はあっただろうか……。
こんな風に誰かに……。
そう思いながら胸がきゅっと締め付けられるほどの切なさを感じ、だが同時に何処か嬉しさと、このわけも分からない感情を抱きながら、彼女はポツリと言葉を零した。
「そうね……。アンタの言うとおりかもしれないわ。きっと本気でやらなきゃ届かない、だったら本気でやるしかないのよ。だからアンタの言うとおり……わたし本気でやってみるわ。今度こそ本気で……」
彼は何も言わなかった。
だけど、自分に背を向けたままの彼が軽くふっと笑う気配だけ伝わった気がした。
それを見、リリは少しだけ苦笑し、そして瞳を瞑ると共に静かに唇を動かした。
「だから……有難う……」
現在、悟とリリの二人はアリーナ会場へと向かっていた。悟達が先程いた廃工場からアリーナ会場まで約一時間半弱の距離だ。
先程までリリが捕まっていた廃工場は悟が消防へと連絡を入れていた。きっと今頃消火活動が行われているだろう。
リリが拐われ、あれから一晩しか時間は経過しておらず、普通ならばもうすでに警察が動いていてもおかしくない状況だ。
だがそれを梨乃が、会場の方でスタッフ達を誤魔化し、必死で押しとどめている。
その為まだリリが拐われていた事実は誰にも知られてはいない。
おそらく犯人の狙いはリリを廃工場で焼き殺した後、アリーナ会場に設置した爆弾で会場を爆破したのち、自らも自殺を図るのだろう。
きっと犯人は彼女と会場を爆破した後(のち)、逃走、または自首と言う選択肢は取らない。
星野リリに……彼女自身に執着し、拘るのならば彼女の後をきっと追って死ぬ筈だ。
もしもコンサートが中止になったとしても、会場の破壊はきっと止めない。
奴の目的はリリの歌う場所を破壊する事。
どのみち関係の無い無関係な人間が生きようが、死のうが犯人には全く興味が無く、関係がない事だ。
コンサート前にリリの遺体が発見されれば犯人にとっては都合が悪くなる。
何故遺体の発見を必要以上に遅らせる必要があるのか、そこがまだ不明な部分ではあるのだが、きっとおそらく自分の中で組み立てている計画が崩れ去ってしまうのだろう。
だから誰にも気づけない場所でリリを焼き殺そうとしたのだ。
だが悟は達にはまだ時間の猶予が残されている。
会場に到着後警察に連絡し、スタッフに状況を説明して、会場内に設置された全ての爆弾を処理すればまだ間に合う筈だ。
ライブが開始するのは午後の16時からになっている。今からでも充分に間に合う。
そう思考を巡らせる最中、今にも掻き消えそうな小さな呟きが突然悟の耳へと届いた。
「悟……わたしね……」
柔らかなオレンジ色の髪を風に靡かせて。
後ろに座るリリは悟の腰に回していた手に僅かに力を込め、彼を抱きしめるようにして、静かに口を開いた。
「わたし……ずっとファンの為、わたしの歌を聞いてくれている人達の為に歌ってきたの。わたし自身歌う事が好きだったし、それに何より皆がわたしの歌を聴いてくれる、好きでいてくれる。それだけでわたしは嬉しかった。もっと、もっと沢山の人達に歌を届けたいって思っていた。それがわたしの夢だった」
リリは一度言葉を切り、そしてそれを全て否定するように顔を俯かせながら言った。
「だけど違っていた。きっとわたしは時雨に認めて欲しくって歌っていた」
「………」
「初めて自分が信じている人に、自分を認めて欲しくって歌っていた。きっと本当はただそれだけの為に歌っていた。だからあの時アンタに『歌を歌ってて楽しいか?』って聞かれた時、正直分からなかった……ううん、違う。認めたくなかった。歌に対しての迷いがある事に認めたくなかった。でないと、わたしは今まで何の為に歌ってきたか分からなくなりそうだったから……」
きっと彼女は自分が信じている人に自分の歌を認めて貰いたかっただけだった。
それは小さな幼い子供が自分の母親に「凄いね」と褒められたいと言う感覚に似ていた。また、時雨自身がリリに恋愛感情を抱いていたように、彼女自身も同じく彼へと自分の本当の兄のような感情を強く抱いていた。
だから彼には自分の歌を認めて欲しい。
そんな想いが彼女の中で強く存在していたのだった。
「今まで時雨に向けて歌ってきたわたしが、皆の心に残るような歌を果たして歌えるのかって……正直分からないの……今のわたしに出来るのかって本当は分からないし、不安だってあるの……」
「あのさ、別にそんなに気を張り詰めて歌わなくても良いんじゃねーの?」
顔を曇らせ、不安そうな声色で言うリリに、悟は気楽な口調でそう答えた。
「そんなに難しく考えねぇで、お前が歌いたいように歌えば良いんじゃねーの。ごちゃごちゃ考えずに素直な想いでさ。それにお前は何でアイドルになろうと思ったんだ?」
「わたしは……」
彼の問い掛けに、彼女はポツリと言葉を漏らした。
そしてふと顔を横へ、流ゆく景色へと向けた。
その時、彼女が目を向けた先は幾つも立ち並ぶ建物の景色の中をオレンジ色の空が広がり、朝日が昇っていた。
それはとても綺麗で。
思わず見惚れてしまう程の美しさだった。
こんな風に朝日を眺めたのは何年ぶりの事だろうか……。
そう思いながら、彼女は言葉を口にした。
「歌が好きだった。だけど半分は興味本位だった。アイドルになった理由なんって、ただそれだけだった」
一年前のあの日。
放課後、学校帰りに街の中を歩いていた時に今のマネージャーにスカウトされた。
初めは半信半疑だった。自分がアイドルになれるなんて想像もつかなかった。
歌を歌うことは好きだ。それも幼い頃からずっと。
だからと言って歌手に自ら進んでなりないとは思わなかった。
そんなのは才能がある人間がなるものだと思っていた。
だけど目の前の女性は薔薇のような美しい微笑みと共にそれを自分へと『アイドルにならない』と告げたのだった。
歌う事以外に何も無い、空っぽで、平凡な自分へと告げたのだ。
もし世界中の誰もが認める歌を歌えたとしたら、彼は認めてくれるだろうか?
そんな事を思いながら彼女はアイドルになったのだった。
それは興味本位からきたものであると同時に、大切な誰かに認めてもらいたいと言う想いから出た自分のエゴだった。
そこに”夢”と”憧れ”と言う文字は最初から存在しなかった。
彼女はその想いを自分でも気づかないうちに”夢”にすり替えてしまっていたのだ。
「わたしは今思えば、”誰に認められたい”と言う想いを、気持ちを自分の夢だと思って歌ってきたの。そんなの夢なんかじゃない。ただの我儘な傲慢さ。だけどファンの皆にわたしの歌を聞いて楽しんで欲しい、誰かの心に残るものを歌いたいって気持ちは本物だった。でも、それさえも認められたいって言う想いからかもしれないのなら、わたしの夢は全部偽りだらけの偽物になる……。だったらわたしは……」
リリは苦しそうな表情をしてそう言った。
「でもさ、それで良いんじゃねーのか。確かに最初は興味本位でやっていた事かもしんねーけどさ、」
リリの言葉に悟は前を向いたまま柔らかい声で言葉を続けた。
「それって、”本気”でやったら今以上に上に行ける……お前の言う誰かの心に残す歌を届けれるかもしれないって事だろう?だったら答えは簡単じゃねーかよ。今度は”本気”でやってみろよ。誰かに認めてもらう為にやるんじゃなくって、誰かの心に残る歌を歌うために本気でさ。お前自身のやり方で」
悟はリリへとそう言った。
その言葉に、自分の気持ちが一杯になると同時に詰まるのを感じた。
今まで誰かにそう言ってもらった事はあっただろうか……。
こんな風に誰かに……。
そう思いながら胸がきゅっと締め付けられるほどの切なさを感じ、だが同時に何処か嬉しさと、このわけも分からない感情を抱きながら、彼女はポツリと言葉を零した。
「そうね……。アンタの言うとおりかもしれないわ。きっと本気でやらなきゃ届かない、だったら本気でやるしかないのよ。だからアンタの言うとおり……わたし本気でやってみるわ。今度こそ本気で……」
彼は何も言わなかった。
だけど、自分に背を向けたままの彼が軽くふっと笑う気配だけ伝わった気がした。
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