すばくんの毎日 ～発達障害の子育てエッセイ～

初めてのお泊まり保育

初めてのお泊まり保育。

   小学校の見学を終えた頃。
   幼稚園の行事である年長さん達のお泊まり会がありました。
   行事の内容は主に、近くの小川で水遊び、虫取り、バーベキュー、2日目は朝早く（起きれた子供だけ）  カブトムシ取り。皆で楽しくゲームして遊ぶと言う内容でした。
   幼稚園の中が広く夜は幼稚園の中で小さなテントを貼ってキャンプ気分で寝ることもできるみたいでした。

   子供達にとっては楽しみで素敵なお泊まり会。

   だけどお母さん達にとっては本当に準備で大変な年長さんのお泊まり会でした。

   子供は私から離れたことは今まであまりありませんでした。
   なのでお泊まり会は私自身心配な点が多々ありました。
   お泊まり会の時に「おうちかえりたい」と泣いてしまうかもしれない……。
   子供が不安になるかもしれない……。
   そう思っていました。
   その思いを先生に伝えると、
「きっとすばくんにとってお友達達と過ごす事はすばくんの成長にも繋がるかもしれません。お母さんも不安かもしれませんが私に子供さんを預けてくれませんか？」
   そう言われました。

   うちの子は発達障害、ＡDHD、自閉症があり、多重  行動などもあります。
   特にこの時私が一番気になっていたのは多重行動でした。
   その事も先生にお伝えをしたら、子供に先生を一人付けてくれると言われました。
私は悩んだ末、子供をお泊まり保育に預ける事にしました。

   お泊まり会の当日の夜。
  私はひょっとしたら幼稚園から『泣いてしまったので、お迎えに来てください』と連絡があるかもしれないと思い、気になってあまり寝ていませんでした……。
   だけど心配になるような事はなく、結局はお迎えの時間まで連絡はありませんでした。
   お迎えに行くと子供は嬉しそうに抱きついてきました。
   そして嬉しそうに、
「水遊びしたよ」
   と私に教えてくれました。

   その時先生に聞いた話では夜はやっぱり泣いてしまったとのことでした。
   寂しくって泣いてしまって、泣く子供に対して先生が優しく慰めたり、お友達と一緒に寝たりしたそうでした。
   たった一日。
   だけど、その一日は子供がとても成長出来た貴重な一日でした。
   色々悩んでしまったけど子供をお泊まり会に出して良かった。

   心からそう思った瞬間でした。