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鉱山開放、俺達貧乏
鉱石功績追跡魔石、百足邂逅俺絶叫
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石掘りアルバイト開始から八日目、出発前に武器屋のおっさんが呼び止める。
「君達が頑張ってくれたおかげで、村の運営が幾らかマシになったよ。ありがとうな」
「自分がたくさんの鉱夫よりも稼ぎに貢献してたとは驚きだー」
俺一人で頑張っただけでマシになるとは、この村は色々と大丈夫だったのだろうか。
「というわけで、これはその礼だ。いつまでもそんな悪ふざけみたいな装備じゃ、これから生きていけないだろう」
「悪ふざけみたいな装備で悪うござんした」
武器屋のおっさんが渡してくれたのは、鉄製の兜と鉄の前掛けのような防具だ。
更には革製の丈夫そうな手袋までくれた。
大盤振る舞いにもほどがある。
「良質とは言えないが、ちょっとしたモンスターと戦うにはなんとか耐えうるだろう。これからも、しっかり頼む」
「やっぱりちょっとしたモンスターとの戦いにすら耐えられなさそうな装備だったんだな、これ」
しかし、ここにきてようやくマトモな装備が揃いつつある。
頭と胴体が薄めだが鉄で守られ、手もちょっとしたことでは傷付かない。
ますます稼ぎやすくなってきたな。
「良かったですね、ユーマくん!村の方々は、ユーマくんの頑張りを認めてくれてるんですよ!」
「ほとんどお前のおかげみたいなところ、あるけどな」
「そう思うなら、もらった装備くらい全部私にいただけますよね?」
「調子乗んなテメー」
今日も鉱山で鉱石掘り。
少々手慣れてきたおかげで、以前よりも鉱石の場所を見付けやすくなった気がする。
コウモリやクモが相手なら、もう手傷も受けなくなっている。
「今日はいつもよりも深く潜りましょうか。きっとその方が効率がいいですよ!」
鉱山でおっさんと出会った場所から、俺達は更に奥まで進んで採掘していた。
地上から300mくらいは進んだかもしれない。
俺はエルの言うとおり、更に奥まで進むことにした。
「すごいな、ここ。こんなに深いのに、まだ人の出入りがあったみたいだ。それも、そんなに前でもなさそうだ」
「……そうですね。でもこの鉱床でもってたような村ですし、これくらいしないと……ってことですよ」
ふと、足元に輝く物体を見付ける。
それは青紫色の宝石のようだった。
「エル、これなんだ?値打ちモンか?」
いきなりこんな聞き方するの、なんだか本当に貧乏すぎてヤバいヤツみたいで、なんだかイヤだな。
ところで、この世界には生活保護とか給付金とかあるんだろうか。
「これは……。まだまだこの先に続いているようですね。集めながら進みましょうか」
「お、結構高値だったりするのか?」
「もっとちゃんと見ないと分からないですが、本気で集めればユーマくんの将来の最高年収よりも稼げますよ、多分。大体……80万くらいかと」
「ん???将来の勤め先は家計が成り立たない程度の低賃金か???」
バカにされ加減にまあまあキレそうになりながら、輝く欠片を一つ一つ集めていく。
それらは少しずつ多く、大きくなっていき、最初は指先程度の大きさだったものが、拳程度の大きさのものまで見つかるようになった。
「なぁエル、この宝石みたいなヤツ、名前とか無いのか?」
「そうですね……。これは魔石の一種、ですね。一つ一つに玉石混淆ではありますけど、魔力が含まれています。これら全部を合わせても大した魔力量でもないですが、それなりの値打ちはやはりあるかと」
「どういう場所に多いんだ?」
「……知らない方が身のためです」
不穏すぎるまさかの答えに、拾う手が止まる。
「……拾っちゃマズい?」
きっと今の俺は、かなり青い顔をしているだろう。
この魔石とやらと並ぶと、どっちが魔石か分からないかもしれない。
「拾うこと自体は、別に。ただ、この魔石は……」
エルはその場で上を見上げ始める。
俺もそれに続き、見上げてみる。
「まぁ、こういうことなんですよね」
「そっかぁ、マジでふざけんなよお前」
目の前に居たのは、どれほどの長さかも分からないほど巨大な、ムカデのような化け物だった。
その甲殻の色は、拾い集めていたあの欠片と全く同じ輝き方をしていた。
「さて、どうします?」
「ははは、エルって意外とバカなんだな」
「ふふふ、ユーマくんに言われたくありません♪」
「そっかぁ、言うと思ったけどな!」
「じゃあ、せーのでいきますよ!せーのっ」
『ギャアアアアアアアアアアッ!!』
俺達二人は、大絶叫をぶちかましながら脱兎顔負けの勢いで逃げ出した。
「君達が頑張ってくれたおかげで、村の運営が幾らかマシになったよ。ありがとうな」
「自分がたくさんの鉱夫よりも稼ぎに貢献してたとは驚きだー」
俺一人で頑張っただけでマシになるとは、この村は色々と大丈夫だったのだろうか。
「というわけで、これはその礼だ。いつまでもそんな悪ふざけみたいな装備じゃ、これから生きていけないだろう」
「悪ふざけみたいな装備で悪うござんした」
武器屋のおっさんが渡してくれたのは、鉄製の兜と鉄の前掛けのような防具だ。
更には革製の丈夫そうな手袋までくれた。
大盤振る舞いにもほどがある。
「良質とは言えないが、ちょっとしたモンスターと戦うにはなんとか耐えうるだろう。これからも、しっかり頼む」
「やっぱりちょっとしたモンスターとの戦いにすら耐えられなさそうな装備だったんだな、これ」
しかし、ここにきてようやくマトモな装備が揃いつつある。
頭と胴体が薄めだが鉄で守られ、手もちょっとしたことでは傷付かない。
ますます稼ぎやすくなってきたな。
「良かったですね、ユーマくん!村の方々は、ユーマくんの頑張りを認めてくれてるんですよ!」
「ほとんどお前のおかげみたいなところ、あるけどな」
「そう思うなら、もらった装備くらい全部私にいただけますよね?」
「調子乗んなテメー」
今日も鉱山で鉱石掘り。
少々手慣れてきたおかげで、以前よりも鉱石の場所を見付けやすくなった気がする。
コウモリやクモが相手なら、もう手傷も受けなくなっている。
「今日はいつもよりも深く潜りましょうか。きっとその方が効率がいいですよ!」
鉱山でおっさんと出会った場所から、俺達は更に奥まで進んで採掘していた。
地上から300mくらいは進んだかもしれない。
俺はエルの言うとおり、更に奥まで進むことにした。
「すごいな、ここ。こんなに深いのに、まだ人の出入りがあったみたいだ。それも、そんなに前でもなさそうだ」
「……そうですね。でもこの鉱床でもってたような村ですし、これくらいしないと……ってことですよ」
ふと、足元に輝く物体を見付ける。
それは青紫色の宝石のようだった。
「エル、これなんだ?値打ちモンか?」
いきなりこんな聞き方するの、なんだか本当に貧乏すぎてヤバいヤツみたいで、なんだかイヤだな。
ところで、この世界には生活保護とか給付金とかあるんだろうか。
「これは……。まだまだこの先に続いているようですね。集めながら進みましょうか」
「お、結構高値だったりするのか?」
「もっとちゃんと見ないと分からないですが、本気で集めればユーマくんの将来の最高年収よりも稼げますよ、多分。大体……80万くらいかと」
「ん???将来の勤め先は家計が成り立たない程度の低賃金か???」
バカにされ加減にまあまあキレそうになりながら、輝く欠片を一つ一つ集めていく。
それらは少しずつ多く、大きくなっていき、最初は指先程度の大きさだったものが、拳程度の大きさのものまで見つかるようになった。
「なぁエル、この宝石みたいなヤツ、名前とか無いのか?」
「そうですね……。これは魔石の一種、ですね。一つ一つに玉石混淆ではありますけど、魔力が含まれています。これら全部を合わせても大した魔力量でもないですが、それなりの値打ちはやはりあるかと」
「どういう場所に多いんだ?」
「……知らない方が身のためです」
不穏すぎるまさかの答えに、拾う手が止まる。
「……拾っちゃマズい?」
きっと今の俺は、かなり青い顔をしているだろう。
この魔石とやらと並ぶと、どっちが魔石か分からないかもしれない。
「拾うこと自体は、別に。ただ、この魔石は……」
エルはその場で上を見上げ始める。
俺もそれに続き、見上げてみる。
「まぁ、こういうことなんですよね」
「そっかぁ、マジでふざけんなよお前」
目の前に居たのは、どれほどの長さかも分からないほど巨大な、ムカデのような化け物だった。
その甲殻の色は、拾い集めていたあの欠片と全く同じ輝き方をしていた。
「さて、どうします?」
「ははは、エルって意外とバカなんだな」
「ふふふ、ユーマくんに言われたくありません♪」
「そっかぁ、言うと思ったけどな!」
「じゃあ、せーのでいきますよ!せーのっ」
『ギャアアアアアアアアアアッ!!』
俺達二人は、大絶叫をぶちかましながら脱兎顔負けの勢いで逃げ出した。
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