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2.お前を愛してる
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ルークはため息をつき、セラフィナの手首をつかんだ。
「……俺の部屋に来い」
「は?」
セラフィナは眉を上げたが、ルークはそのまま引っ張る。セラフィナが抵抗する様子もないのを確認しつつ、そのまま寮の廊下を進んだ。
「いや、別にいいけどさ。何? また剣の話?」
「……ああ、まあな」
ルークは適当に返事をするが、本当の目的は違う。さすがにセラフィナがここまで鈍いとは思っていなかった。キスまでしておいて、「なんで?」はないだろう。
部屋に入るなり、ルークはセラフィナの肩を押し、壁際に立たせた。
「お、おい?」
不意を突かれたセラフィナが目を瞬かせる。ルークはドアを閉め、そのまま壁にもたれる彼女を見つめた。
もう隠すのをやめる。
セラフィナの鈍感さは、今に始まったことじゃない。けれど、ここまで伝わらないとは思っていなかった。キスをしてもなお「なんで?」と言われるなんて、さすがに堪える。
「……セラフィナ」
ルークは息を詰め、拳を握りしめた。そして、じっとセラフィナの目を見つめる。
「俺は、お前を愛してる」
セラフィナの瞳が、ほんの少し揺れる。
「……愛してる、って」
「そのままの意味だ。俺はお前が好きだ。剣士としてじゃなく、仲間としてでもなく、男として、お前を抱きしめたいと思ってる」
言葉を並べているうちに、ルークの中で抑えていたものが溢れ出した。
セラフィナは、一瞬、息をのんだように見えた。けれど、まだ完全に理解しきれていない表情を浮かべている。その顔を見て、ルークはもう耐えられなくなった。
「……もう、わかれ」
そう言って、ルークはセラフィナの顔を両手で包み込むように引き寄せ、唇を重ねた。
今度は浅いものではない。
最初は軽く触れるだけだったが、すぐに深くなる。唇を押し開き、セラフィナの息遣いを感じながら、舌を絡める。
セラフィナの肩がピクリと揺れた。けれど、拒絶する気配はない。むしろ、どうすればいいかわからずに身を任せているようだった。
ルークは、セラフィナの背に腕を回し、さらに引き寄せる。
ずっとこうしたかった。
ずっと、こうやって、お前を——。
「っ……ルーク……?」
セラフィナのかすれた声が耳に届き、ルークはようやく唇を離した。
セラフィナは、息を整えながら、困惑したようにルークを見上げる。
「……ルーク……本当に、そういう意味で……?」
「ああ」
ルークは迷いなく答えた。
「俺は、お前を本気で愛してる」
セラフィナはまだ困惑したようにルークを見ていた。
「……ルーク、冗談だろ?」
「冗談に聞こえるか?」
ルークの声は低く、抑えた熱がこもっていた。
「でも、お前は私の友達で……ライバルだろ?」
「だから何だよ」
ルークはためらわずにセラフィナの肩を押し、軽くベッドに押し倒した。
「お、おい……!」
セラフィナは驚いたように目を見開くが、すぐにふっと苦笑する。
「おいおい、こんな真剣な顔のルーク、初めて見たんだけど」
「笑ってる場合かよ」
ルークは苛立ったように言いながら、セラフィナの頬を撫でる。
「友達とかライバルとか……そんなことはもうどうでもいい」
「いや、どうでもよくないだろ」
「俺は、お前が欲しい」
ルークは静かに、けれど確かな決意を込めて言った。
セラフィナの笑みが、ふっと消える。
彼の目の奥にある真剣な感情が、いつものように軽く受け流すことを許さなかった。
「……ルーク、本気で……?」
「本気だ」
ルークは迷いなく答える。
セラフィナはしばらく何かを考え込むように沈黙する。彼女の心臓が妙にうるさく感じる。
——冗談だと、思いたかった。
けれど、目の前のルークは、あまりにも真剣で。
「……俺の部屋に来い」
「は?」
セラフィナは眉を上げたが、ルークはそのまま引っ張る。セラフィナが抵抗する様子もないのを確認しつつ、そのまま寮の廊下を進んだ。
「いや、別にいいけどさ。何? また剣の話?」
「……ああ、まあな」
ルークは適当に返事をするが、本当の目的は違う。さすがにセラフィナがここまで鈍いとは思っていなかった。キスまでしておいて、「なんで?」はないだろう。
部屋に入るなり、ルークはセラフィナの肩を押し、壁際に立たせた。
「お、おい?」
不意を突かれたセラフィナが目を瞬かせる。ルークはドアを閉め、そのまま壁にもたれる彼女を見つめた。
もう隠すのをやめる。
セラフィナの鈍感さは、今に始まったことじゃない。けれど、ここまで伝わらないとは思っていなかった。キスをしてもなお「なんで?」と言われるなんて、さすがに堪える。
「……セラフィナ」
ルークは息を詰め、拳を握りしめた。そして、じっとセラフィナの目を見つめる。
「俺は、お前を愛してる」
セラフィナの瞳が、ほんの少し揺れる。
「……愛してる、って」
「そのままの意味だ。俺はお前が好きだ。剣士としてじゃなく、仲間としてでもなく、男として、お前を抱きしめたいと思ってる」
言葉を並べているうちに、ルークの中で抑えていたものが溢れ出した。
セラフィナは、一瞬、息をのんだように見えた。けれど、まだ完全に理解しきれていない表情を浮かべている。その顔を見て、ルークはもう耐えられなくなった。
「……もう、わかれ」
そう言って、ルークはセラフィナの顔を両手で包み込むように引き寄せ、唇を重ねた。
今度は浅いものではない。
最初は軽く触れるだけだったが、すぐに深くなる。唇を押し開き、セラフィナの息遣いを感じながら、舌を絡める。
セラフィナの肩がピクリと揺れた。けれど、拒絶する気配はない。むしろ、どうすればいいかわからずに身を任せているようだった。
ルークは、セラフィナの背に腕を回し、さらに引き寄せる。
ずっとこうしたかった。
ずっと、こうやって、お前を——。
「っ……ルーク……?」
セラフィナのかすれた声が耳に届き、ルークはようやく唇を離した。
セラフィナは、息を整えながら、困惑したようにルークを見上げる。
「……ルーク……本当に、そういう意味で……?」
「ああ」
ルークは迷いなく答えた。
「俺は、お前を本気で愛してる」
セラフィナはまだ困惑したようにルークを見ていた。
「……ルーク、冗談だろ?」
「冗談に聞こえるか?」
ルークの声は低く、抑えた熱がこもっていた。
「でも、お前は私の友達で……ライバルだろ?」
「だから何だよ」
ルークはためらわずにセラフィナの肩を押し、軽くベッドに押し倒した。
「お、おい……!」
セラフィナは驚いたように目を見開くが、すぐにふっと苦笑する。
「おいおい、こんな真剣な顔のルーク、初めて見たんだけど」
「笑ってる場合かよ」
ルークは苛立ったように言いながら、セラフィナの頬を撫でる。
「友達とかライバルとか……そんなことはもうどうでもいい」
「いや、どうでもよくないだろ」
「俺は、お前が欲しい」
ルークは静かに、けれど確かな決意を込めて言った。
セラフィナの笑みが、ふっと消える。
彼の目の奥にある真剣な感情が、いつものように軽く受け流すことを許さなかった。
「……ルーク、本気で……?」
「本気だ」
ルークは迷いなく答える。
セラフィナはしばらく何かを考え込むように沈黙する。彼女の心臓が妙にうるさく感じる。
——冗談だと、思いたかった。
けれど、目の前のルークは、あまりにも真剣で。
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